見出し画像

クレチインスキ⑦

流れるようなレガート、滑るような指が引き出す徹底した声楽的表現、そしてほとんど連続的な演奏。つまり、絶えず変化するペダルの使い方、最初はデリケートで、次第に波打つようなざわめきがはっきりと現れる音色が延々と続く抒情的旋律の柔らかさ;これらはすべて、ショパンの作品に顕著な特有の特徴である。

ショパンは弟子の一人に、この研究を実行する方法を説明したと言われている。「想像してみてください」と彼は言った「近づいてくる嵐から平和な洞窟に避難する小さな羊飼いを。遠くで風と雨が吹き荒れる中、羊飼いはフルートで優しくメロディーを奏でています」

美しいレガートが、優雅でかつ訓練されたタッチなしには得られないことは誰もが知っている。歌い手が喉を通る柔らかな呼吸によって、またヴァイオリニストが弓を巧みに穏やかに押し当てることによって獲得するあの高貴な丸みのある音色は、ピアニストにとっては、無理強いすることのない柔らかな指の圧を通じてもたらされるのである;

いいなと思ったら応援しよう!