【後編】男どシロウトAzure~めちゃくちゃなんでもできるか!~
どうも、totoko(Twitter:@totoko00)です。
というわけで、後編です。
前回は改めて、クラウドコンピューティングサービスについて復習をしました。
今回はメインとなるAzureについてお話しようかと思います。
そもそも俺はAzureを勘違いしていた
サブタイ通りなんですが、当初、AzureってAWSみたいな「なんかそれっぽいクラウド上のサーバ(ストレージ)サービス」かと思っていたんです。
まあ、バリバリのエンジニアじゃないPLからすればそういう認識だったってわけで、多分ガチ勢の人からすると「いやいや、AWSというのはそもそも、アマゾンのサービスであってその中にさらに文字数」っていうクソリプが来そうですが……。
なので、僕も最初にAzureというものを聞いたときは「Microsoft版AWSだろ?」って感じだったんです。
が、いろいろと調べていくうちにそれは勘違いだったといことがわかりました。
そもそも、最初に思っていたイメージというのは前回の記事で学んだように「インフラ周りの提供」なので、てっきり「IaaS」系のサービスかと思っていました。
ですが、実際は逆で、そもそもAzureというのはPaaS系のサービスでスタートして、そのあとIaaS系も始めたという感じらしいです。
ほんでもって、AWSというのはほぼIaaS系で一部にPaaS系が入っているという構成になっています。
まあ、要するにAzureってのは「もともとはクラウドコンピューティングで、お手元の物理マシンではしんどいことを俺たちMicrosoft団の精鋭マシンで肩代わりしてやるぜ」っていうところから始まって、「とはいえ、インフラ周りも俺たちが面倒みてやりゃあ、既存のサービスとも連携取れるから、インフラのサービスも俺たちMicrosoft団が面倒みてやるぜ!」っていう感じの現在というわけですな。
はーすっきりした。
ライバルはやっぱりAWS
そんなこんななAzureですが、もっぱらというかやっぱりというかライバルはAWSですね。
というか、ぶっちゃけスタートダッシュの部分でAWSに溝を開けられた感は否めないです。
ですが、今はAzureが猛追。
市場としては、AWS VS. Azureという構図が冗談ではないレベルにまでなってきました。
さてはてそうなるとやっぱり気になるのは「んじゃあ、AWSとAzure、どっちがいいのよ?」って話になるかと思います。
サービスの内容やらなんやらの技術っぽいところは僕よりもお詳しい方がすでに書いているので割愛するとして(というか、Azureが提供しているサービスがめちゃくちゃ多すぎて一つひとつ解説できない!)、
「ウチの上司から『Aちゃんさぁ、ぶっちゃけあじゅーるとえーだぶるえすどっち使えばいいのよ?俺が上に掛け合うためにちょっとかるーく教えてよ』って言われた」
として、表面的な部分を説明しようかと思います。
一番の違いはデータセンターの場所
いくらクラウドだと言っても、その元々となるマシンは物理的に存在しているわけです。そこをインターネットを通じてアクセスして~っていうわけですね。
その物理的なマシンが集まる所が「データセンター」というわけです。
このデータセンターですが、当然近ければアクセス速度は速いですし、遠かったら遅いです(もちろん、データの速度なんでめっちゃくちゃ差が出るものではないのですが、長く使っていくと、その差が塵積で積もるわけですね)。
さて、そのデータセンターですが、Azureの場合は、西日本と東日本の2箇所が日本国内では稼働しています。
これが一番の違いかと思います。ちなみにAWSは東京の1箇所です。
まあ基本的に企業やら人やらが集まるのは東京なので、そこで使う人達にはどちらでも構わないのですが、西日本を始めとする地方の人からすると、やっぱりこの物理的な距離ってネックなんですよね。
実際問題、ネトゲでもアクセスしているプレイヤーの居住地でPingが微妙に違ったりしますし。
となると、西日本エリアでお仕事している企業からすれば「じゃあAzureでええやん」「Azureがよかったいよかったい」と半ば反射的に選択しても、間違いではないとなります。
さらにこの「国内に2箇所のリージョン(データセンター)」があるというのは緊急時にでかくなります。
日本というのはご存知の通り地震大国です。
ついでにいうと災害大国でもあると思います(西日本地区は地震もですが、水害も結構大変ですし)。
となると、何かしらのトラブルで片方のデータセンターが止まった場合、それをリカバリするためにもう片方で動かすという対応をよくします。
いわゆるディザスタリカバリというやつです。まあ要するに「Aでトラブったら代わりのBで行いつつ、Aのトラブルを対処する」というものです。
これがAzureの場合ですと、国内で2箇所あるのでディザスタリカバリが国内だけで行うことが可能となります。
やっぱりなんだかんだいっても物理的な距離が近い方が安心感はありますからね、そういう視点からだと個人的にはAzureに軍配が上がるかと思います。
PaaSサービスに関してはAzureが半端ない
多分今回、Azureについて調べた時に僕が思ったのはこれだと思います。
Azure公式(https://azure.microsoft.com/ja-jp/services/)のサービスの一覧なのですが、とにかく多い。めちゃくちゃ多い。
これ全部空で解説できる人いたらすごい。それぐらい、「TVチャンピオン Azure王選手権」とかあったら優勝できちゃう。
てか、これらが全部Azureのサービスだとすれば(もちろんサービスごとに料金はかかります)、Azureでいんじゃね? となりました。
使う使わないじゃなくて「これができるよ」がすでに用意されているのが大事なんですよね。
困った時に「あーこれAzureのサービスにあるかしらね?」っていう最初の思考の選択肢が用意できる、これが実は大事です。
なんだかんだいっても結局、実用性なんですよ。
データセンターの場所とか個数とか、料金とかは簡単に参考できるものですが、実際にそれを使って何かを作ろう、やってみようとなった時に「このサービス、こういうところも面倒みてくれているんだ!助かるぅ~~」ってのが大事なのかなーと思いました。
文面だけだったり、まだ扱ったことがない状況だと、そういう部分って忘れがちというかわからないと思います。
要するに、百聞は一見にしかず、とりあえず触ってミソってやつです。
## ゲーム屋的にはこれからはAzureじゃね?
さて、はてAzureをさ~らに調べてみると「PlayFab」というものがありました。
これは公式の文言ままを持ってくると
「ライブ ゲームに必要な要素をすべて備えたバックエンド プラットフォームであり、独立系の制作会社によるゲームの立ち上げを強力に支援します。ゲーム サービス、リアルタイム分析、LiveOps により、コストを削減しつつ、収益、顧客エンゲージメント、顧客維持率を飛躍的に高めることができます。」
要するに、ゲーム運営におけるツールセット(分かる人には「管理ツール」といえばわかるかしら?)が一式用意されているんです。
は? まじかよ。
もともと、Microsoftはゲームやっているんですよ。
ほら、あの聞いたことあるでしょ?
箱ですよ箱。
一昔前だと、「アイマス専用機」だったあれですよ。プロデューサーさん!
とにかく。
最近のゲームって基本ネット接続が前提になっているんですよね。運営サービスの頻度とかはまちまちですが……。
特にコンテンツ追加に関して、毎回新しいパッケージを作るのではなく、コンテンツ提供(DLC)としてオンラインでやり取りするのが普通になりました。
そうなると結構サーバだったり課金施策の管理だったり、いろいろと面倒みないといけないことがたくさんあるんですよね。
そうですね、日本人のスマホゲーユーザにわかりやすい例えだと「詫び石」でしょうか?
ここらへんの対応とか、とにかくゲーム運営って「常に適度に忙しい」がずーっと続くので思っている以上にしんどいんですよね。
それにプラスして、新しい要素を組み込もうとかすると、マンパワーが必要となります。
ですが、中小のゲームスタジオだと頭数が足りないから、通常業務をしつつ平行して、新規開発をしたりとかざらなんです。
ぶっちゃけこれきついんですよね。
しかし、PlayFabとAzureのゲーム系サービスが組み合わさることでここらへんの負担が減ると思います。
新しいガチャの商品組み込んだり、KPIにらめっこしてこの施策打とうとかを、その開発チームが作ったお手製管理ツールでちまちま見るわけです。
ですが、これって数字はわかってもそれから何かを読み取るのって、大変なんですよね。
なんたってデータは整理されておらず、ただの数字の羅列ですから……。
ですが、PlayFabによって、「ゲームサービスにかかるコスト」が減ると思います。
さらにCS系だと最近はマルチプラットフォームが当たり前になって来ています。しかし、このマルチプラットフォームのための開発というのもまー大変なわけです。
しかし、PlayFabとAzureの組み合わせによってそれさえも容易になります。
というか、今まででっかいゲームスタジオが金と人にものを言わせてやってきたことが、中小のゲームスタジオでもできるようになるというわけです。
でも、そんなん知らんのじゃーい!
多分ほとんどの人ってこういうの知らなかったと思います。
もちろん、普段からIT系のあれそれにアンテナを張っている人はなんとなく知っているかもですが……。
だって、じぇーんじぇん情報が無いもん。
やっぱり売り方って大事だなーと思います。
あとは、こういう導入や操作が簡単か否かがやっぱりわからないんです。
各種技術系ブログが「Azureで〇〇やってみた」っていうのは書いていますが、ぶっちゃけそれがどれほどのものか、いくらブログの筆者が「結構簡単にできました」とか言っても、本当に簡単なのかどうかわからないと思います。
……あーだれかゲーム実況配信みたいな感覚で「0からAzureハンズオン配信」やってみてくれねーかなー?
そうすりゃあ、少なくとも、「その場で動いているものが見える」ってのがわかるのになーと思います。
しかもそれがアーカイブとして残るし!
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