"キャラソン"としてのJ-pop ~八奈見杏菜の「LOVE2000」を題材として~


はじめに

こんばんは。アドベントカレンダー16日目です。嘘です。
先日2024年夏アニメ「負けヒロインが多すぎる!」を視聴しました。

ダブルピースをしている青髪のおんなのこ以外の情報を何も持っていなかったのですが、この手の作品にしては存外評判が高かったので先日視聴したのですがかなり面白かったですね。最近視聴したコンテンツの中でもかなり上の面白さでした。

原作はいわゆるライトノベルですがメインヒロイン枠がいわゆる負けヒロインたちで構成されておりこういう方面でキャラを掘り下げるのもアリなのかーと感心しているところです。
「この言動は確かに勝ちヒロインにはなれないなあ」と思わせる場面が散りばめられているため、ある種はがないや俺ガイルよりキャラ付けは極端な気がしますが、それぞれのヒロインたちの声が特徴的なので唯一無二の個性を放っています。

特にメインヒロイン枠(メインマケイン?)の八奈見杏菜と小鞠知花が良い味出してます。八奈見杏菜の声優はマチカネタンホイザでおなじみ遠野ひかるです。タンホイザほど極端な声は出してないですが6割くらいタンホイザしてます。私ですら一発で声優を同定できたレベルなので……。
小鞠知花はどもりかたがひと昔前のデュフフ系オタクと言ったら分かりやすいでしょうか。声にかわいらしさがあるため稀有な存在です。

ぼーっとshort動画見てたらアニプレックス公式の動画があったので貼っておきます。

こちらが八奈見杏菜。


こちらが小鞠知花。


小鞠役の声優さんは2023年からデビューとのこと。
それでこれだけ癖のあるキャラをお出しできてるのはエボンの努力の賜物という他ありません。

アニメのショート動画って1分で雰囲気がつかめるので面白いですね。
言わずもがな12話すべて大体こういうノリで進行します。



アニメアニメしてる声の持ち主は主人公の妹くらいですかね。原作者曰くTHE・ラノベのようなキャラ付けをしてるのは狙ってのことらしいですが。
2話のお色気シーンと主人公の妹のあざとさが不必要かなーと思いましたがそれ以外は作画もかなり高水準でキャラ立ちや作品の構成もよく没入できました。
「常に劇場版みたいな作画」とまで評した方もいましたが誇張発言ではないと思っています。大変良くまとまっています。質が非常に高い。


キャラソンとしてのJ-pop

アニメのキャラクターがJ-popを歌う行為は昨今では[いつ?]珍しくなくなりました。
あの花/secret base 〜君がくれたもの〜や、からかい上手の高木さん/気まぐれロマンティックなどは代表例ですが、本作品も例によってEDにJ-popのカバーを用いています。

タイトルにもなっていますが、LOVE2000を八奈見杏菜が歌っているんですよね。
太鼓の達人に収録されたとき2000シリーズの新作だと勘違いされたあのLOVE2000です。

原曲はHitomi、2000年の6月に発売された本楽曲(24年と半年前)。
私はサビを聴いて懐かしいなーと思いサビを軽く口ずさめるくらいの浅い思い入れだったのですが、EDに用いられるとは思わなかったので初見で聴いて

「あ゛!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」

とでっっっかいスタッカートを奏でました。平日の22:30に。ギリギリピチカートではなかったはず。

EDのイントロのギターを聴いて「ひと昔前のJ-popってこういう感じだよなーどういう曲なんだろう」と思ってたら知ってる曲だったのでそりゃでけえ声も出ますわ。1.8杯ぶんくらいの金宮梅割飲んでたし。

八奈見さんの歌い方もさることながら歌詞も彼女の心情にマッチしすぎており歌詞と声の相乗効果が遺憾なく発揮されています。

愛はどこからやってくるのでしょう 自分の胸に問いかけた

ニセモノなんか興味はないの ホントだけを見つめたい

気づけなかった きっと甘えてたのかな

だから自分愛して 人を愛してみたいの

なんだこれこいつのテーマソングか???
12年片思いしてた幼馴染にフラれた女性(女子高生)が歌う曲にしては選曲チョイスがホンモノすぎる。なんだこれ、なんだこれ……。

以前紹介した曲

ARM - Come to Lifeを初めて聴いたときの衝撃を遥かに上回りました。
こんな経験人生でもうできないと思っていたので出来て本当に良かったです。八奈見杏菜のLOVE2000を聴けただけで人生におつりがきます。
今年聴いた音楽の中で一番良かったです。なんなら普通に泣きましたからね。マジで。

クセのある声質の声優さんなのですがそれがかなりプラスに働いてるんですよね。めちゃめちゃかわいいんです。自分温水に改名いいっすか???

遠野なぎさの声は本作品の質を2段階ほど高めてる気がしてやみません。
ひっっっっっさしぶりにドハマりしたキャラクターです。声がね、ズルい。

どこかで見かけたコメントで「10年前なら豊崎愛生が声当ててたんだろうな」というものがあったのですがそういう感じのキャラです。
すげえわかりやすい。

クセのある変なキャラが好きなので愛おしくてたまらんですね。
30秒くらい抱きしめさせてくれませんかね。


ただこの手のキャラに向ける視線としては大変珍しく私ですら一切性的に見てないので主人公の温水くんの言葉を借りるのれあればラッコとか珍獣を見てかわいいと思う感情が近いのかなと。




良アニメです


前情報なしで見たのですが2日で見終えました。ここまでハイペースで見終えたのはフォロワーからオススメされた明日ちゃんのセーラー服をオールで見たとき以来ですね。

三話までは是非見ていただきたいなと。いやそこまで見るなら四話まで見て欲しいな……。
三話まで、と念を押したのはEDの入りがかなり美しいためです。
個人的にCLANNAD~After Story~のカントリートレイン回を思い出しました。
汐が歩いているシーンがシームレスにEDのTORCHに移行する瞬間はリアルタイムで見てうおおおおおおおおおとなった記憶があります。
それに並ぶ、とは言いませんがそれを思い出す美しさでした。

最終話はアニオリらしいですが原作者監修とのこと。このクオリティで原作にないのか……という内容でした。

最後のセリフは全話見た人の特権のようなインパクトがありました。
純度100%のオタク・スマイルをしたのは大変久しぶりでしたね。


おわりに


買いましょう。是非。

↑の曲も収録されているカバーソングコレクションというアルバムがあるのですがアニメのEDに収録されていない楽曲もかなり精度と確度が高いので気になっています。
小鞠知花がSHISYAMO/明日も をカバーしてるのも素晴らしいです。
八奈見杏菜のLOVE2000もそうなんですけど解像度が高いとかそういう次元通り越してもはや怖いんですよね。

全くのFF外ですがこのツイートが非常に刺さったので勝手に引用します。
本作品に関わったすべての皆様、本当にありがとうございます。


情動があるうちに文章をしたためたら3,000字くらいはまだサクっと書けたので安心しています。脳のトレーニングのためにまた文章書きたいなあとは思っているのですがなかなかまとまった時間が取れず。

次書くなら変なヒロイン繋がりで里見Uの奇書か2024年追ったコンテンツのひとくちまとめかどちらかかなあ、というところ。


それでは、また。



番種付けプレスしたいのは小鞠知花


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