同業種交流会活用術

フリーランスになった!必要なものはズバリ、人脈!

学生からいきなりフリーランスとして働くことになった私、はこしろ。

「フリーランスになりたての頃は、どうやって仕事を取っていましたか?」というインタビュー記事や経験談をたくさん読み漁りました。

そこでよく見た回答がこちら。

「駆け出しの頃は、前職でお世話になっていたお客様からご依頼をもらってました」

…会社員時代に実績を積みつつ、人脈を広げられた方なら、既にある人脈を使うことができます。しかし、私にそんな素敵な人脈はありません。皆無です。

まさにゼロからのスタート…!!!

「とにかく人脈を増やさねば…!!!」

必要に迫られた私は、手当たり次第に片っ端から交流会に突撃することにしました。とにかく人脈はあって損はしない!だって仕事は人からやってくるんだもの!

半年で15回。多い月は、1ヶ月に4回ほど。おらおらおらーーー!と手当たり次第に参加しまくりました。

頭の良くない私が、半年間の経験で学んだ「交流会活用術」を、ここに記録として残そうと思います。


まず、成果報告から

で。実際、交流会からどれくらい仕事に繋がったの?というところですが、現在の収入の三分の一以上が交流会経由で頂いたお仕事です。交流会で知り合った人から派生して間接的に仕事になったものを含めると、半分…いや、もっとかもしれません。

直接的に仕事になったものというと、ひとつはアナログゲームのイラストのお仕事。交流会で同席した漫画家さんから、彼女が参加しているプロジェクトに誘っていただきました。

ひとつは書籍のお仕事。出版社の人と知り合って、お仕事をいただける運びとなりました。

どちらにも共通して言えるのは、定期的に仕事が来る、という点です。こちらから営業をかけなくても半分自動的に仕事が来るようになっているので、とてもありがたいです。

では、どうやって交流会での出会いを仕事につなげたのか?

実は、「交流会必勝法」がある、と私は考えています。

「交流会必勝法」

ここで言う「勝つ」とは、自分に有益な何かが手に入ること(=仕事)、と定義しましょう。

私は経験から、交流会で仕事を得るには、交流会に出る「前」の段階が重要なのではないか、という結論に至りました。

つまり、交流会を選ぶ段階と見つける段階です。その段階で、交流会で得られれるものの8割は決まる、といっても過言ではないでしょう。

選ぶ段階〜はこしろ的、理想の交流会ってこんな感じ〜

ここからは、RPGゲームを想像しながら聞いてください。

あなたは駆け出しの魔法使いです。得意な魔法は「回復」の魔法。仕事を見つけるべく酒場にやってきました。…そんな魔法使いになった気持ちで読んでください。

「回復が得意な魔法使い」を必要としてくれる人は、誰でしょう?それは、魔物と戦う戦士や、回復魔法が使えなくて困っている魔法使いです。そのことを念頭に置きつつ、考えてみます。私たち「回復系魔法使い」が参加すべきなのは、どんな交流会なのでしょう?

オススメしたい交流会のタイプが、2種類あります。

①魔法使いたちが集う交流会

ここでは、「回復魔法が使えなくて困っている魔法使い」を探すことを目的にします。

魔法使いは、一緒に働く戦士たちからこう見られています。「魔法使いなんだから、攻撃の魔法も回復の魔法もできるでしょ」と。

でも実際は、どっちもできる器用な人はほんの一握り。不得意な魔法をお願いされても、困ってしまいます。そこで、人脈が光るわけです。

「この前の交流会で会った魔法使い、確か回復が得意って言ってたよな?よし、その人に仕事振ろう」

SNSで構築する人脈だと特に、自分と似たようなことをしている人を仲間意識でフォローしがちです。けれど、交流会において、自分と似ている人は競合であり、ライバルです。自分とあまりにも似ている人が集まる場は、最悪、クライアントの愚痴合戦になったりただ趣味の話を延々として終わる…なんてことも…。自分とあまりにも似すぎている人ばかりが参加する場は、仕事を獲得する場としてはあまりふさわしくないように思います。

逆に言うと、大きな括りは一緒だけど得意分野は違う、という人が集まるところに行くのがオススメです。「攻撃する魔法使い」や「敵を弱らせる魔法使い」、「自分を強化する魔法使い」など、自分とは得意分野の異なる魔法使いたちが集まる場に行けば、競合はいません。それどころか、不得意を補い合える関係になれるので、とてもラッキーです。

実際に、私の場合イラストレーターでゆるい絵柄が得意なので、「同じイラストレーターで、萌え系が得意な人」と繋がることでお仕事に発展したことがあります。また、私は「クリエイター」を対象にした交流会によく参加します。大きな括りで共通している人たちが集まるけれど、得意分野はみんな違う…そんな人脈を作るためです。

②戦士たちが集う交流会

さて、魔法使いのあなたは、自分を必要としてくれる人を探しています。次は同業種交流会の選び方、ちょっと変化球バージョンです。

もっとも回復を必要としていそうなのは誰でしょう?それは魔法を全く使えない、「戦士」です。つまり、仕事をもらおうと思ったら、あなたは「戦士」がたくさんいそうな交流会に参加する必要があります。

もちろん、戦士が多く集まる交流会に、魔法使いはあまり出入りしません。表向きにも、「戦士募集!戦士集まって飲もう!」みたいに書いて募集しているはずですから。普通の魔法使いなら、「ああ、あそこは戦士しか入れないんだな」と思ってスルーしてしまいます。

しかし、戦士が集まって実際に話すことってなんでしょうか?「最近魔物が強くてさ…」「どうやったら効率的に回復できるかな?」

「あーー、回復が得意な魔法使い、どっかにいないかなあ」

そこには潜在的な魔法使いの需要が確実にあります。「魔法使いおいで!」と言っているところは魔法使いばかり来ますが、「戦士おいで!」なら競合他者である魔法使いは圧倒的に少ない、0に近いはずです。つまり、供給不足で需要過多。一人勝ちできる環境が整っている、ということです。

回復に困っている戦士たちの中に魔法使いがやってきたら、そりゃあ引っ張りだこになりますよね。その状況に持っていくために逆算して、魔法使いを探していそうな戦士が集まる交流会、を探すのです。

さて、実際に、イラストレーターの私はとあるイベントに参加しました。それは本を出版したい人やしている人が集まる場で、参加者のほとんどが執筆者でした。イラストレーターなんてあたりを見回してもほとんどいません。

「うわあ、アウェイだ…」と若干腰が引けましたし、何人の方には「なんであなたがここにいるの?」みたいな目で見られました。でも、結局そこで知り合った「戦士」から定期的にお仕事を振ってもらえることになりました。

つまり、最も仕事に繋がりやすいのいは自分のスキルに対してニーズのありそうな人たちを集めた、同業種交流会、です。

※あまりにもかけ離れた他業種すぎると参加者に迷惑がかかることもあるので、あらかじめ主催者に参加の可否を確認しておくと良いです。

①の魔法使いが集まる交流会と、②の戦士が集まる交流会、どちらもとても有益です。どちらかに当てはまる交流会を見つけたら、ぜひ参加してみましょう。

見つける段階〜はこしろ的、理想の交流会の探し方〜

理想の交流会が分かったら、次はどうやってそれを探し出すか、です。

交流会の探し方ですが、二種類あります。

①魔法使いの交流会の場合

同業者である魔法使いの交流会を探すときに使うのはツイッターです。自分のフォロワーさんが主催していれば、まずはそこに飛び込みましょう。

知り合いで主催している人が特に見当たらなければ、ツイッターの検索機能を使います。「交流会 募集」や「交流会 魔法使い(魔法使いの部分に職種を入れます)」で検索してみると、意外と出てきます。募集している人のプロフィールや発言内容を見て怪しそうでなければ、参加してみましょう。

ただ、交流会は怪しい人が開催しているものも多いで、ある程度自衛する必要はあります。「月収〇〇〇万円を実現する人脈!」といった謳い文句の、あからさまに怪しい交流会は避けたほうが無難です。

↓注意↓

・プロフィールで経歴を誇張・謎のビジネス論をツイート・謎のURLへの誘導・やたら不安を煽る語り口

②戦士の交流会の場合

どの界隈にも、「人と人を結びつけることに喜びを見出す」方は一定数います。戦士の交流会に参加するときは、まずそういう性格の戦士の方にコンタクトを取りましょう。

ではそういった方はどこにいるのか?簡単です。主催者です。イベントを開催する人は、そういう性格であることが多いです。

主催者の探し方は、ネットの検索で十分です。ツイッターでも、イベント告知サイトでも良いでしょう。条件を入れればパパーンと出てきます。

私の場合、イラストレーターなので、私にとっての戦士は「出版社」「ライター」「デザイナー」などなど。もっと言うと、「イラストを描けないけどイラストが欲しそうな人」なら誰でも「戦士」になり得ます。

自分のスキルを必要としている人はどこにいるのか?あるいは、自分が解決できそうな案件を抱えている人はどこにいるのか?を考えれば、自ずとどこにどのような「戦士」がいるか見えてきます。

持論ですが、自分のスキルが圧倒的に供給不足のところを探したいなら、「魔法使い」の「ま」の字もないところに行くしかありません。主催者に連絡を取って、自分が参加しても良いかどうか、ひたすら聞きまくります。断られても落ち込む必要はありません。だって元々戦士を集めようとしている中に食い込もうとしているのですから。ダメで元々。「来て良いよ」と言われたらラッキー、くらいに思っておくとちょうど良いです。

交流会活用術①用意するもの

・名刺…自分がどんなことをしている人なのか、一目で分かる名刺を用意しましょう。自分の提供するものと世界観を合わせることも大事です。可愛い絵を描くのにかっこいい名刺だと、ちくはぐな印象を与えてしまいます。

・スマホ…交流会だから、ポートフォリオ持っていかなきゃ!なんて思って大きおなファイルを用意していませんか?実はスマホのカメラロールが最適です。なぜか?交流会では片手にドリンクを持ち、立ちっぱなしで話すことも多いためです。ファイルは返って邪魔になるので、片手でさらっと見れるスマホが一番良いです。

・笑顔…これこれこれこれ!これ大事!最低、これさえあればなんとかなります。私は交流会の前は必ず、鏡の前に立って笑顔の練習をしています。緊張で顔がこわばると、それだけで印象が悪くなってしまいます。第一印象を良くするには、笑顔、大事。

交流会活用術②「乗り換え駅」にアクセスする

交流会には、必ず「乗り換え駅」なる人物がいます。それは主催者であることが多いですが、要するに人脈の中心にいる人です。その人と仲良くなれるようにしましょう。

人脈の集まる駅のような人を見つければ、その人と繋がっている人とも間接的に繋がったことになります。

自分が今どんな人を探しているのか、どんな人脈を増やしたいのか、その人に相談することもできるので、とてもお得です。

交流会活用術③「乗り換え駅」同士を結ぶ

「でも、人脈の広い人に頼りきりになるのはなんだか申し訳ない…」いえいえ、大丈夫。あなたからも提供できるものがあります。

色々な交流会に参加していると、色々な主催者さんとお話しする機会があるでしょう。その主催者同士をつなぐパイプ役を買って出るのです。

先ほどの魔法使いの例でいうと、魔法使いの交流会を開いている人と、戦士の交流会を開いている人を紹介し合う、という感じです。そうすると、お互いに需要と供給がマッチするので、双方がより大きな交流会を開くきっかけになります。

人脈を紹介してもらうお返しに、自分も人脈を広げるお手伝いをすれば良いのです。(私ができているかどうかはさておき、それが理想だなーと思っています)

交流会活用術④同じ主催者の交流会に連続で出席する

以下のような交流会があれば、まずは連続で3回行ってみてください。たとえ1回目で仕事にならなかったとしても。

・定期開催している

・リピーターが半数くらい

・仲間同士の輪ができているところがある

…最後のなんて、「逆になんでそんな入りづらそうなところに行くの!?」って感じですが、実はここがポイントです。

仲間グループができているところに新しく入るのは、正直難しいです。けれど、何回も参加していくと、相手も「もしかして、この人、自分らと仲良くなりたいのかな?」と注意を向けてくれるようになります。

初対面でいきなり仕事を振るには、案件を紹介する方もかなり勇気がいります。その心理的な壁を払拭するには、やはり何回も通って少しずつ溶くかしていく必要があります。

そしてそういうコミュニティに近い交流会で「仲間だ」と認識してもらえると、少しずつクローズドな仕事の話が回ってくるようになります。時間はかかりますが、仕事も仲間も欲しい!という人には向いているかもしれません。

交流会活用術⑤同じ人と何回も話す

特に50人、100人規模の交流会で活きる活用術です。

よくある間違いで、「出席してる全ての人と話そう!全員と名刺交換しよう!」と思って頑張って営業しまくるパターンがあります。これ、実は一番やっちゃいけないことです。ちなみに私はこれを何回かやってしまい、結果、密度のある人脈は得られませんでした。

交流会で仕事をもらうためには、まずは挨拶をして認識してもらう必要があります。ですが、ただ挨拶しただけでは印象に残りません。相手も同じ日に何十人もの人と挨拶しているわけですから、その何十人のうちの上位に自分が食い込むことができなければ、仕事は回ってこないのです。

そこで、なんとしてでも印象に残るためには、同じ人と何回も話す、これに尽きます。

1回目は「初めまして」、2回目は「あ、また目が合いましたね!」3回目は「さっきはどうも、いろんな人とお話しできましたか?」

セリフはなんでも良いです笑 とにかく、「あ、この人また話しかけてきたな」と思わせることが大事です。普通、一度話した相手にもう一度声をかけようとはしませんよね。そこを逆手にとって、相手に嫌がられない程度に何回か話すことで、他の人との差別化をはかります。

これは正直失敗だった…そんな交流会もありました

最後に、私が「ああ、もっと上手に参加したかったな」と思った交流会を挙げます。

①某起業家セミナー

行った理由は、「なんとなく良さそうだったから」でした。これがまずかった…

セミナー自体はとても良いものでした。企画やゲストもお呼びしていて、とても有意義なひととき…になるはずだったのに、私には得るものがありませんでした。なぜか?

目的意識がぶれぶれだったんです。

「仲間が欲しい」「起業家の人の話も聞きたい」「あわよくば仕事にならないかな…」

欲張りすぎた、とも言えます。目的意識によって、その場での立ち居振る舞いは変わります。仕事を探しているなら、お客さんを探す姿勢。仲間を探しているなら、同業者を探す姿勢。

けれど、欲張った私は軸がぶれぶれ…話している相手の方の頭上には「はこしろさんは何をしたいんだろう?」と純粋なはてなマークが…

目的は一つに絞らないと、全てが中途半端になってしまいます。


②某交流会

とても良いコンセプトの交流会だったのですが、仕事というよりかは趣味で制作活動をしている人が多く、モチベーションや意識の持ち方にギャップを感じてしまったことがあります。

ほとんど趣味の範囲でやっている方々で、本業にしたいと思っている人は少数派…

とても楽しい会で友達を作るには最高の機会でしたが、仕事という面ではあんまり…な結果になりました。

事前にどんな人が来る交流会なのかを調べておく必要がありました。が、なかなかそれも難しいので、実際に行ってみないとわからない部分も大きいです。


交流会にはコツがある!

とにかく人脈を広げて仕事をもらおう!とがむしゃらに参加し続けてきてはや半年。

なんとなく、交流会を活かすにはコツがあるなーと感じることが多くなりました。

ただなんとなく、「行ったほうが良いから行く」ではなく、目的意識を持って作戦を立ててから臨んだほうが成果は確実に上がりやすくなるようです。

最後に、私がハッとした言葉を紹介しようと思います。

「交流会も勉強会も、参加費を払った時点ではただの浪費。それが仕事に繋がって収入を得て、はじめて投資になる」

交流会への出席を投資にするべく、さらに上手に活用できるようになりたいです。


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はこしろ
頑張って書いてみました!もし良ければサポートよろしくお願いします!