【質問箱回答】自信がなくて怖い。ネガティブになってしまうのをどうすればいいか?
質問箱で、こんなご質問を頂きました。
「フリーのイラストレーターになりたいけど、自信がない。満足してもらえるか恐怖で何もできなくなるのではないか、と不安。何かアドバイスが欲しい」
この質問をいただいて、一年前、初めてイラストのお仕事をもらった時のことを思い出しました。
自分にできる限りのことをして、頑張ってアピールして、やっと得られたお仕事でした。でも、実際にちゃんとできるのか、満足のいくものを提供できるのか…
採用されて感じたのは、喜びというより不安や恐怖でした。
やりたい気持ちもありましたが、同時に「自分にできるの?」という自身への懐疑心…でも、それを先方に悟られては仕事になりません。怯える気持ちをひた隠して、お仕事が始まりました。
最初の仕事
結果から言います。最初のお仕事は失敗に終わりました。
ものすごく頑張りました。できる限りのことはしました。先方のご要望に応えようと、必死でした。
コミュニケーションの難しさ、技術的な限界、納期。様々な制限や条件の中で、できる限りはやろうと。
しかし結局、先方の期待するような作品を作ることができず、継続で来るはずだったお仕事はそのまま立ち消えになりました。
「やっぱり不採用です」という言葉すらありませんでした。そのため、しばらくは自分が失敗したことさえ気づくことができませんでした。
時間が経つにつれて、じわじわと、ああ私は失敗したんだ、と気づかされました。
先方にはたくさんご迷惑をおかけしたことと思います。「発注するんじゃなかった」と後悔させたことでしょう。大変申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
その方は、私の絵で喜んでくれる可能性が高いか?
人を満足させないといけない仕事は、常に他人の評価を気にする必要があります。でも、当然世界中の人を満足させるなんて無理です。満足度には好みも大きく関係しますし、クオリティを求めるクライアントさんは高みを目指そうとすると本当に途方もない道のりになります。
クライアントさんの求めているものと、自分が提供できるものにギャップはないか?
ここをきっちりすり合わせる事で、「思ってたのと違った」というミスマッチは大幅に削減できます。
自分のタッチ、雰囲気、価格感、納期…注文を受ける前にしっかりそこを伝え、また相手の希望を細かく訊き出します。
・相手の好きなタッチ、作品など
・いつまでに作品が必要か
・予算はどれくらいか
・こちらのサンプルで、欲しい雰囲気のイラストはあるかどうか
上記4つは必ず伺っておいたほうが良いでしょう。ちょっとしつこいくらい訊いた方が、あとあとトラブルになりにくいです。
ちなみに、私は最初のお仕事の際にここの行程をあまり重視していませんでした。そのためか、相手の求めるものと自分が提供できるものにギャップが生じてしまい、その結果満足していただけなかった…。
要するに、お仕事になる前の段階で相手が満足してくれるかどうかの半分は決まる…そう言っても過言ではないと考えています。
もしヒアリングの段階で「ちょっと違うな?」と思ったら、正直に「多分私じゃない方がいいと思います」と言ってしまった方が、双方が不幸になることを防げます。誰も損しません。
自信のない自分を誇ってもいいと思います
こんなこと言ったら身もふたもないかもしれませんが…
最初から自信満々な人っているのでしょうか…私はいないんじゃないかな、と思っています。
というか、自信がちょっと足りない、くらいのマインドの人の方が、職業にするのに向いている気がします。それだけクライアントさんのことを考えられる、ということですから。サービズ業には欠かせない感覚だと思います。
ただ、自信のなさを恐怖にはしないで、「じゃあどうやったら満足してもらえるの?」という問いに変換できるようになれば、自然と成果が出て、それに伴って自信も後からついてくるようになるはずです。
負の感情を問いに変える…と一言で言うと「おいおい簡単に言うなよ」って感じですが…
個人的には、自信がない自分を誇ってもいいと思います。
それだけ人に寄り添える。人の希望に耳を傾けようとできる。自分に足りないものに気づくことができる。
それって良いことじゃないでしょうか?
私は、どうしても負の感情の渦に飲み込まれそうになった時はいつも「不安に思うことができるのは、誇るべきこと」と思って、なんとか立っています。
負の感情を無理に押さえ込んだり、克服しようとしたり、否定する必要はないです。と言うか、したらダメだとすら思っています。
だって、それは原動力になり得る強い感情なのですから、勿体無いです。
そしていつしか成果が出てきたら、自然と、いつの間にか不安は薄らいで、いつの間にか自信がついている…そして気づいたら今度は自信が原動力になっている…そんな自分に気づけるようになるのではないでしょうか。
…と。こんな回答で、いいでしょうか…?ズレていなければいいのですが…汗
追加のご質問で、質問主さまの現状を拝見しました。私と境遇が少し似ているところもあり…お互い、自分を見つめながら前進していけたらな、と思います。
ご質問ありがとうございました!