大量に余らせてしまった用紙を使ってwhooのノートを作りました
タイトル通りなのですが、今年9月にwhoo2周年記念の新商品をリリースするために色々な紙でテストをしていた際に、誤って用紙を大量に購入してしまいました。それらの紙は結果的にwhooの印刷機で刷ることができず、さらに印刷機に合わせてA3サイズにカットしてしまったため、印刷できないA3の紙が大量に余ることとなりました。
そのまま捨ててしまうには大変忍びないほど高・・・上質な紙だったので、なんとか活用したいと考え、whooオリジナルノートと紙クリップを作ることにしました。
せっかくなので、余らせてしまった紙で作ったノートの作り方をご紹介します!
前提として・・・なぜ大量に購入したのか?
なぜ大量に購入したのか?という点については印刷会社が用紙を発注する仕組みを理解しないといけないのですが、私がそれを知らなかったことつきます汗
通常、名刺やチラシの注文が入った場合には用紙を発注(定番商品はストックしてます)し、印刷工程に進むのですが、用紙の発注は一枚単位ではなく包み(束)単位が基本です。テスト印刷したいだけ、といった場合には枚単位での購入も可能ではあるのですが、その分割高になるため注意が必要です。
恐ろしいことに今回は5色の色でテストしたため、印刷できない5種類の紙がA3で400枚くらい、つまり2000枚くらい余ることになったのです。しかもコピー用紙などと違ってしっかりとした高級紙です。値段はちょっと言えません…。
枚数だけでなく、用紙サイズもポイントです。もしかすると他の印刷機では印刷できる可能性もあったのですが、その場合、A3ではなくもっと大きいサイズでないと機械に入れることができません。
こんな経緯があり、お題としては「印刷できないA3の紙2000枚を使った何かを作る」ということでした。色々考えた結果、コシがありしっかりした紙であるという点、また色がとてもステキだという紙の良さを活かして、ノートにたどり着きました。
ノートを作るステップ
大体以下のような流れで製作しました。
【1】どんなノートにするかを考える
【2】表紙裏表紙のデザインを考える
【3】試作
【4】部数を決めて見積もり
【5】本製作&納品
今回のように用紙の持ち込みでの製作は、適性がわからなかったり手間がかかるためNGな会社も多いです。どうしてもこだわりの用紙で作りたい場合には、製作する会社にしっかり問い合わせることをおすすめします。
どんなノートにするか?
サイズは?ページ数は?綴じ方は?中の紙は?表紙のデザインは?などなど。ノートといっても世の中には本当にたくさんの種類があるので、どんなノートにするかを決めるのは重要です。
表紙には「CUSTOM DESIGN NOTES」の文字を、裏表紙にはシンプルに「whoo」のロゴタイプみを入れました。
今回はスリムサイズで薄めのノートにすることに。気軽に使えて持ち運びも楽!ノベルティとしても活躍しそう!
中の紙に使用したのは「フールス紙」という、ノートによく使われている紙にしました。「フールス紙」も種類があり、紙の厚みや色などを選びました。
また用紙への印刷はできませんが箔押しはできる!ということで表紙裏表紙にどのようなデザインの箔押しをするか?箔の色は?などを考えました。
箔の色も本当にたくさんの種類があるので、サンプルなどを見ながらイメージしてみましょう。
箔は3種類で試した中から「ツヤなし銀」を選びました。whooのパッケージにも使用している色になります。
製作は神楽坂の望月製本所さん
相談させていただいたのはwhooのオフィスの近所にある株式会社望月製本所さん。「製本」という名前の通り、本やノートなど綴じものが得意で、変わった製本や凝った加工のものを数多く手がけていらっしゃいます。難しい内容でも一緒にやり方を考えてくれたり、小ロットから製作もでき、何より仕上がりがキレイと評判なので、とても頼りになる会社です。
社長の江本昭司さん。みんなから「ショウジさん」と呼ばれているので苗字が「ショウジさん」かと思っていたら下の名前でした。
最初に持ち込んだ用紙の適性をチェックしていただきました。紙の厚みや「紙の目」と言われる繊維の方向を見ていただき、ノートを試作していただきました。
ジーパンで作ったノートなど、チャレンジングな試みもされているようです。
5種類の用紙には実は2つの厚みがあり、厚い方はノートにしたときに反発が強すぎて開いてしまうということがわかったので、薄い方の用紙、緑・青・黄色の3種類で作ることにしました。
製作の手順
今回特別に、ノートが作られている工程を見学させていただきました!
製作は以下のような流れで行われていました。
・A3の用紙をA4にカット
・A4の用紙に箔押しを2回 ※1回で1冊分
・筋入れ ※折り目をつくる工程
・大裁ち(おおだち) ※大きめにカットする工程
・製本機で製本
・角丸 ※4つ角を丸くする工程
簡単そうに見えるノートでも、様々な工程を経て作られているのです。
小部数でも手軽に筋入れができる機械を使いました。
表紙と裏表紙になる部分ができました。
製本機に中の紙と一緒に入れます。
パネルでピっ。
機械から製本されたノートが出てくる光景がよかったです。ずっと見ていられる。
大体できました。このままでもいいのですが、今回は角を丸くするのでもうひと息。角丸の大きは7Rというサイズです。
ノートの角を丸くする機械。数冊重ねて並べます。一回につき一つの角しか丸くできないので、4箇所だと計4回作業が必要です。
今回使用した用紙には厚みがあり、紙の反りが起きやすいものでした。なので製本した際に重しを置いて反りをなくす工夫をしたのがポイントだそうです。
ダンベルみたいな機械がノートの上をコロコロ。
まとめ
ノートを作る際に決めたことメモ。
【形状】サイズ/綴じ方/角丸有無&角丸サイズ
【表紙裏表紙】使用する紙の種類/デザイン(文字のレイアウト・フォント・サイズetc)/箔の色
【中身】ページ数/中の紙の種類(厚み・色味・線の有無etc)
【その他】部数/使用用途
今回は表紙に使う紙は決まっていましたが、通常であればここもイチから考えるパートです。
感想
小さなノートを製作するまでには本当にたくさんの工程があり、考えたり、選択をする必要がありました。モノづくりの奥深さを改めて実感した次第です。でも実際に出来上がったノートを手にとった瞬間は本当にうれしかったので、たくさんの方々に手にとってほしいなと思いました。そして何よりもご協力いただいた望月製本さん、本当にありがとうございました!
実はまだ9割くらいwの用紙が余っているので今後も別の活用方法を考えていきたいと思っています。
近々セットで販売もしたいと思っていますがまだ準備ができていません!
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