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webtoon事業部はどう成長しているの?

初めましての人もそうでない人もこんにちは。
フーモアwebtoon事業部の事業責任者の井本です。

今日、娘を保育園に送っている最中に、「パンを食べたからお腹パンパン」って娘が自慢気に話してました。3歳でこんなに可愛いのに、ユーモアのセンスまであるって天才!
思わずママに報告しました。

フーモアのwebtoon事業部は僕が育児休暇をもらっている最中に生まれた事業部です。娘と同い年。娘はオギャってからドンドン成長していますが、フーモアwebtoon事業部はどう成長しているのでしょうか?

最近、webtoon事業部では新規作品を自社で企画し、オリジナル作品に力を入れ始めています。色々なところから、ちょこちょこ聞かれるのでフーモアの成長について紹介記事を書きたいと思います。


1.webtoon事業部 構築期

フーモアのwebtoon事業部が生まれたキッカケは、韓国原作ホルダーからの問い合わせからでした。韓国で流行っているwebtoonの制作を相談したい。その当時、フーモアにはwebtoon事業部は存在しておらず、「広告漫画」「コミカライズ」を手がける漫画事業部という部署で、韓国原作のwebtoonをつくる運びとなりました。

いざ、制作を始めると求めるクオリティの高さに、既存の制作体制では難しく困難を極めました。従来の体制での制作を諦め、ゲームのイラストを担当するイラスト事業部に協力をあおぎ韓国の原作ホルダーから納得をいただくクオリティを出すことができました。

そんな中、国内でも「俺だけレベルアップな件」が爆発的に売れ始め、webtoonの制作需要が高まります。

フーモアでは、「漫画事業部」からwebtoonを作る事業部を独立させ「webtoon事業部」が爆誕いたしました。

初期の事業計画は、オリジナル作品を自社で作ることはせず「シナリオ提供」いただけるクライアントとタッグを組み、ネーム以降の作業を引き受ける方針で事業推進をいたしました。韓国からの依頼は、「ネーム」までを用意いただき、線画以降の作業を任せていただくといった形だったこともあり、「原作開発」については、自社で行わない戦略で動いていました。

理由としては2つ。

1.原作開発の能力不足

会社として、原作開発を行ったことがほぼ無く、自社でつくる原作に投資する根拠が乏しかった。当時webtoonの原作を作ったことがある原作者はほぼいなかったため、選択と集中の考えから「高いクオリティでクリエイティブを創れるスタジオ」というポジションを狙いました。

2.高品質な原作の提供

今だとちょっとズレていたなと思うのですが、原作開発から作品作りをしてしまうと、「既存の出版社のライバルになってしまう」と思っておりました。出版社を一緒に組むパートナーと捉えて、原作を提供いただき「高いクオリティでクリエイティブを創れるスタジオ」ということを価値として提供したいと考えていました。

作家の採用活動や教育などに邁進して、韓国原作、国内原作と20作ほどの制作進行を行っていました。

このころ、ピッコマやLINEマンガから発表されるwebtoonの新作は週に1作品ほどだったため、読者の新作に対しての注目度は基本高く、今でも人気のヒット作が多く生まれていました。

2.webtoon事業部 成長期

出版社にとって「作画作家」のポジションとして多くの作品に関わらせていただきました。
企画から作品公開まで約1年ほどの歳月がかかっており、webtoon事業部としても多くのノウハウを溜めることができました。

制作ラインを「ネーム」「背景」「人物線画」「アシスト線画」「着色下塗り」「着色影入れ」「着色仕上げ」「写植」といった8工程とすることで、スムーズな週刊連載を実現することができました。

立ち上げ当初は、着色を1工程として1週間で終わらすスケジュールで考えており、どう頑張っても制作が安定せず、工程を増やすことで安定化させました。週刊連載をはじめて行う作家も多かったので、作家さんごとに体制を組み替えることで負荷を下げていったのも成長期の特徴です。

作品をリリースするころには、主要プラットフォームでは毎日新規作品が公開されはじめました。発表される作品数が増えることによって、読者から評価される作品とそうでない作品の差が開き始めました。そのため、より「トレンド」というものを意識した作品作りが重要視されました。

本当に関わった企業様や作家様のおかげで、主要プラットフォームでよい結果を残すことができました。当初の計画だと、3年以内にプラットフォームのランキングで1位を目指すと考えていましたが、想定よりだいぶ早く結果を残すことが出来ました。関わってくれた多くの方には感謝をしてもしきれません。

3.webtoon事業部 脚本期

多くの作品を提供させていく中で、多くの生のデータを入手することができました。
韓国のスタジオとの交流や、同業スタジオとの交流の中で、「異世界大喜利」といった言葉がちょこちょこと聞こえ始めました。

webtoonの特性上、1話~4話までが無料で5話から課金話になることが多いです。
毎日新作が公開される状況において、短い話数で読者に「面白い」と思ってもらい、安心して読み続けてもらえる構成として「チート」「なりあがり」「最強」ジャンルは適したフォーマットであることが要素として大きいと思っています。
「悪役令嬢」「復讐」などにも言える序盤の急展開で読者の心を掴む作品は、webtoonのプラットフォームで指示を受けやすく「トレンド」の研究が重要になってきます。

多くの作品に関わらせていただいたことで、「トレンド」の研究が進んだ結果、「原作選定」や「原作の脚本」を担当させていただく機会が増えてきました。原作の構成を変更し、よりプラットフォームの読者に刺さりやすい展開に変更をします。

例えば、ストレスを高めたり、女性の性格を受動的な性格から能動的なものに変更するなど、場合によっては「回帰」の設定を追加することで、主人公が気持ちよくふるまう様子を追加するなどの提案を行っています。

脚本を担当させていただいた作品が市場で評価を得ていくことで、フーモアとしての成功体験が増えていきます。そして日本のラノベをwebtoon用に脚本調整を行う場合に、大手術になることが増えていきました。韓国のkakaopageのノベルは、話課金を基本としているため毎話のクリフハンガーがしっかり設定をしています。そのため、kakaopage原作のノベルはwebtoonの原作として向いていると思います。
一方で、国内のノベルプラットフォームは基本無料で読むことができるため、「1巻」を通じて作品の面白さを伝える構成が多いです。そのため、展開を大幅調整しないと1話~4話の間でユーザーの心を捕まえることが難しい場合が多いです。もちろん、全てではなくその要素が多いと思っています。

あわせてこの時期に「成長期」で公開された作品について、連載が継続できるものと完結するものが出始めます。リリースで総合1位をとった作品も、半年ほどで継続が難しくなることも多分にあります。データを分析すると、初期で評価をもらっていた作品も話数を重ねることで読者は減っていきますが、「全話無料」などのキャンペーンのタイミングで新規の読者を捕まえることができる作品と、そうでない作品で数字に大きな差がつくことが分かります。

初期の展開力は当然必要なのですが、中盤の展開力は更に作品にとって重要であることを認識します。極端な例えですが、ずっとフルスイングをし続ける作品でないと読者を引き留めることができないことを痛感し、編集者の重要性を感じました。

webtoonは「マーケットイン」と「個性(作家性)」が大事と、仲良くさせていただいるスタジオの社長さんが言っていましたが、本当にこれにつきると思います。
トレンドを理解することで序盤でファンをつけ、その上で個性を発揮できる作品作りが重要になります。

webtoonトレンドについて、昔はローファンタジーしか市場で受けなかったですが、最近はハイファンタジーのヒットが増えてきています。マーケットインで、国内のノベル作家さんがwebtoonに合わせて今後色々活躍していきそうな気がしています。

4.webtoon事業部 企画期

様々な作品に関わらせていただいた2024年9月のフーモアは、原作を預かって進行を行う従来の取り組みではなく、フーモアで企画から行う作品作りが少しずつ増えています。
企画の作り方としては、公募で作品企画を募集する形や、編集者が自ら企画を作る形など様々です。

現在フーモアで35作品ほどの制作進行を行っていますが、そのうちの6作品が原作がないオリジナル企画になります。公開は来年になります。めちゃくちゃ面白い作品群になりますので、ぜひ期待していただければ幸いです!

フーモアでは、従来の原作を預かり脚本から制作を行う取り組みはもちろん継続いたしますが、企画から提案させていただく作品作りも注力してまいります。

構築期や成長期に会話をさせていただきました企業の皆様。
その節は、原作を持っている会社との取り組みしかしていないと言っておりましたが、現在のフーモアは1から企画提案が可能です。お気軽にお問い合わせください。

株式会社フーモア
webtoon事業部 事業部長 執行役員
井本 洋平
TEL  : 03-6228-4310
Mail  : yohei.imoto@whomor.com

構築期や成長期に会話をさせていただきました求職者の皆様。
その節は、フーモアでは企画からはやらないので、預かった原作を最高のクオリティに仕上げるといったことにモチベーションを出せる人が相性が良いといってごめんなさい。
現在のフーモアは、企画からの制作に力を入れています。
ぜひお気軽に採用応募についてもご連絡ください。

DMからでも受け付けています。

https://twitter.com/yoheimoto

5.おまけ

最近、企画を作っていたけど途中で諦めた作品を供養させてください。
ざっくり企画の内容についてテキストで記載します。

タイトル:初見殺しは2回討つ(仮)

あらすじ(冒頭):

相手に触れることで空間を削り取る「初見殺し」スキルを持っている主人公。魔物の肉体を無条件で削るため、防御力無視の一撃必殺。初見殺しのスキルのため、冒険者の間ではその能力は秘匿とされていた。

ある日、パーティの裏切りにあった主人公はピンチに陥る。絶対絶命の状況で、殺され弄られるくらいならと、主人公が自分に対して空間を削り取る能力を発動し自分を消す。

気づくとそこは悪魔の胃袋の中。実は空間を削る能力ではなく、空間ごと悪魔の胃袋に対象を収納させるスキルだった。
胃袋に送りこんだ魔物の「能力」を悪魔は吸収する。悪魔と契約をすることで、悪魔が吸収した「能力」を活用することができるようになる。

裏切った勇者に対して、復讐を誓う。
勇者は「初見殺し」と舐めてかかるが、新しく手に入れた能力を使って復讐を果たす。

イベント:

・勇者へのリベンジ
・王都に襲撃してきた魔物対峙
・他の悪魔との対峙
・破滅を目論む結社との対峙

主人公のパワーアップまでロジックに大喜利性があり、魔物の能力を奪うことで強化される人気ジャンル。「初見殺し」というテーマで、2発目の攻撃という矛盾した設定を楽しみたかった。勇者リベンジまでの流れを4話まで、5話でしっかり復讐を果たす流れ。

といった感じで深掘っていましたがボツにしました。
ちょっと説明が分かりにくく、納得感を出しにくい。悪魔の胃袋に入った主人公を地上に戻す流れに気持よさを作れなかった。悪魔が主人公に協力する理由付けが無理やりな設定しか考え出せずに諦めました。

企画を考えて形にしていく流れは、本当に楽しいですし完成したときの興奮は最高です。それがリリースされて市場で評価された日には、これ以上ない幸福感を感じることができる、めちゃくちゃ面白い仕事です。

ディレクター職を絶賛募集しておりますので、
ぜひ興味がある方はお気軽にご連絡いただけますと幸いです。

そのほか職種でも仲間を募集しています!
是非ご応募ください。
いつでもお待ちしております!

◎制作アシスタント
各工程における制作アシスタント業務になります。
 ・ネーム(絵コンテ)担当
 ・背景線画担当
 ・着彩担当
 ご応募はこちら

◎アートディレクター(作画監修)
Webtoonのクオリティ管理と作画監修業務になります。
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◎ディレクター
Webtoonの制作進行管理と品質管理になります。
ご応募はこちら

■問い合わせはこちら
株式会社フーモア
担当:井本洋平
TEL/03-6228-4310 MAIL/info@whomor.com

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