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webtoon企画をする前に知るべきイロハの「イ」
はじめましての人もそうでない人もこんにちは。
フーモアのwebtoon事業部事業責任者の井本です。
コミックナタリーさんで、タテ読みマンガアワードが始まりました。
国内のwebtoon作品に注目が集まることは良いことですよね。
嬉しいことにフ-モアの作品も8作品ほど、ノミネートされています。
嬉しいです!
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フーモアのnoteを読んでいただいている方も、ぜひ投票に参加ください!
投票作品は、ぜひ皆さんが好きな作品を選んでください。
結果的に、それがフーモアの作品だと嬉しいです!
ただ…ただ、迷ってどうしても選べないって思った方は、私が現在制作進行とシナリオを担当しております「魔物喰らいの冒険者」という作品にご投票お願いいたします。
偶然ですが、12月7日(本日)にLINEマンガにて日替わり全話無料作品に選定いただきました。今なら無料話について一気読みが可能です!
投票サイトはコチラ
作品はコチラ
弊社の各担当も自身の作品を1人でも多くの人に読んでほしいと、SNSなどで呼びかけをしております。他のスタジオの方もきっと、自社の作品の告知をしているんじゃないかな?って思います。担当が自身のかかわった作品が、少しでも多くの人に読んでもらえるキッカケが作れるのであれば、全力で告知するのはとっても大事だと思います。僕もそんな気持ちで、noteの冒頭に告知を書かせていただいております。
ちょっとだけ、ちょっとだけ豆知識を。
例えば今回の投票サイトって、作品が一覧で羅列されていますよね?
そうすると自分の作品に投票してください!って告知してURLをはっても、リンクをふんでくれた人は、膨大な作品群から指定の作品が見つかるまでスクロールして探さないといけないです。これって、善意のアクションに対して軽めのストレスを与えてしまうので、最終の目的まで達成できない可能性があります。ここまで伝わってます?
そんな時に便利なのが「アンカータグ」というものです。
下記のURLの
https://tateyomi-award.natalie.mu/vote_domestic.html #121
最後にあります「#121」の部分が、「アンカータグ」というものです。
サイトのHTML内にかかれている「id」というユニークな指定文字列まで、ページを開いたときにスクロールしてくれます。アンカータグをつけなければ、全体のページが表示されますが、アンカータグをつければ自分の推している作品の位置までスクロールしてくれるので、投票までの導線がスムーズです。毎日、投票できるので、自分はこのURLをブックマークしているので投票のアクションは3秒で終わります!
そこで皆さんが気になる「id」というものの調べ方。
少しでもHTMLを勉強したことがある人だったら分かると思いますが、そこまでHTMLの読解は日常では行わないと思いますので、ドヤ顔で記載したいと思います。
たいがいのwebブラウザには「開発モード」というモードが用意されております。調べたいサイトを開いて「F12」キーをクリックしてください。
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画面の横か下に、なにやら賢そうなウィンドウが出てくると思います。
次に四角に矢印がついたアイコンをクリックしてください。
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その状態でサイト内に、カーソルを移動すると、なにやら賢そうな感じで、選択した部分が光ります。

そのまま自分の推している作品までカーソルを運びまして、光っている状態でクリックをします。

そうすると、右のウインドウで赤く囲った部分に、該当箇所のHTMLデータが表示されます。こちらにid=”XX”と記載があると思うので、そちらのXXをメモしましょう。

あとはURLの後ろの「#」をつけて「XX」と番号をつけるだけ。
作業は簡単です!
ちょっとの手間と知識で確実に効果のある施策なのでぜひ試してみてください。上記のキャプチャはchormeでの画面ですが、他のブラウザも大概は若干の差はありますが同じ感じです。
どうしても分からんって思ったら、ページで右クリックをして「ソースを開く」でHTMLのソース画面を開いて、「Ctrl+F」のページ内検索から作品名で検索、該当箇所のIDを調べるって形でもOKです。
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なぜこんなことを知っているかというと、私がもともとweb系エンジニア出身だったからです。決してカイトをフォローしているからではありません。
前置きが死ぬほど長くなりましたが、今日のテーマは「知っている」だけで得することっていっぱいあるよねって話をしたいと思います。
そのためだけにこれだけ長い前置きをさせていただきました。
今回は「知っている」ことが大事だよって話なので、そんなに難しい話はしません。web系エンジニアであれば「アンカータグ」を知ってて当然くらいのレベルなので軽い気持ちで読んで貰えると嬉しいです。
ここからが本題です!!!!!
1.話構成と課金タイミングについて
1話~3話は無料話、4話は「待てば無料」、5話が課金話の話構成の作品が多いです。こちらの構成については発信側で、カスタマイズができますので無料話を10話まで広げるなども可能です。
ただ、一般的にこの構成が多いです。読者の人もこの構成に慣れている人が多いので、例えば無料話を2話とかまで減らしてしまうと、読者の体験にストレスが発生してしまうのでおススメしません。増やす分には読者も幸せなので問題ないですが。
この構成が基本のため、それぞれの話の役割を理解して話の構成も考えることが大事です。
男性作品と女性作品で異なる部分が多いのですが説明しやすいので、男性作品のシナリオ構成に絞って簡単に説明します。
1話 作品紹介
この作品はこんな読者が好きなタイプの作品だよということを教えてあげる役割だと思います。「転生モノ」「ハイファンタジー?ローファンタジー?」みたいな大まかな作品の傾向を伝える話になります。その上で、作品のストロングポイントをしっかり伝えて読者の気持ちを掴みたいです。
2話、3話 世界観の説明と展開
1話で主人公を活躍させた上で2話、3話では世界観を補強。主人公が強い理由であったり、主人公の行動原理を読者に伝えましょう。主人公を虐げていた不要を倒すであったり、主人公を罠にはめた冒険者にリベンジするであったり、この主人公の行動原理を定着させて読者に共感してもらいましょう。
4話
ここまでが無料話です。
主人公の直近の課題を解決してあげましょう。解決までいかなくても、解決ができそうという部分まで4話で示しましょう。1話~3話までで溜めたストレスを、4話までには解消したいです。5話で確実に読者のストレスを解消してくれるであったり、4話で解消した上で物語が転換するキッカケを4話の最後にみせましょう。
5話
課金話です。
4話まで読んだ読者が課金をしてみてくれています。作家性を存分に出すのであれば、5話からだと思います。それほどまでに、4話(無料)から5話(有料)へ読者に行動させることは難しいです。
強いヒキを4話に作ることを意識しましょう。
2.売れ筋のトレンドを研究しよう
webtoonの展開が似通ったものが多いと言われることが多いです。
確かに近い展開のものが多いです。それは、話構成でも話をしたとおりで一定の読者の趣向を理解して作られた作品でないとなかなか評価をもらえないです。その理由を理解する必要があります。
現在のwebtoonのプラットフォームは、ほぼ毎日新作が公開されています。読者は暇ではありません。「面白い」と思わなければ1話の途中で余裕で離脱します。そのため、いきなりクライマックスくらいの展開のスピード感が大事になります。物語の序盤で最強性を出して、主人公を活躍させるフォーマットとして「転生」や「スキル進化」「追放系」が非常に向いているのです。
大事なのは、序盤にめちゃくちゃ強い盛り上がりを作ることなので「俺TUEEE」な展開でなくても作品は評価されます。「俺TUEEE」作品が評価を得ているというよりは、「俺TUEEE」作品の中で、序盤の展開スピードが早い作品が評価を得ています。
おススメとしては、売れているwebtoon作品を研究することは大事ですが、そうでない作品を研究することも大事です。webtoonの編集を行うなら、主要プラットフォームの新作は「全て」読むべきだと思います。すくなくとも「1話」だけでも読むべきです。
トレンドを知ったうえで、あえて外していくことは大事です。
3.webtoonの1話は70コマ?
webtoonの1話ってどれくらいのボリュームが標準であるかを知っておくことは大事です。色々なスタジオが情報を出しているので、知っている人は多いと思いますが「70コマ~80コマ」程度が多いです。
僕もwebtoonの事業部を立ち上げる時に、売れている作品のコマ数を数えまくって標準のコマ数を決めました。数えまくったのが、4年前くらいです。
webtoonの70コマって版面の漫画と比較して1話の情報量はどれくらいでしょうか?週刊誌の漫画の1話がだいたい20Pくらいです(扉絵込)。webtoonの1話70コマで表現きることは、だいたい週刊誌の作品の6割程度だと思います。ジャンプの1話の半分くらいが1話なので、読み心地として1話あたりで表現できることは少ないです。
ちなみに今週のHUNTER×HUNTERは136コマ、ワンピースは76コマ、カグラバチが87コマ。コマ数でいったら、あまり変わらないのですが、1コマで説明できる情報量やフキダシの数などで制限で伝えられることが少なくなっていると感じています。
伝えられる情報量が少ないですが、週刊誌よりも早い物語のテンポ感が求められます。シナリオ上でもそのことを意識していく必要が大事です。
そして、1話目について70コマの制限は存在しないと思った方がいいです。
4年前も1話目が100コマくらいのボリュームのケースもありましたが、最近は余裕で150コマ~200コマくらいの作品が増えています。
1話で主人公の活躍まで見せていくことが作品を評価してもらう上で必須になっていると思います。版面漫画も同様ですが、1話よりも読まれる2話は存在しません。1話の評価はとても大事なので、どこまで1話でみせるかについてはコマ数で決めるのではなく、作品の盛り上がり方に合わせて決めていくことが大事です。
4.これからのトレンド予測
これからのトレンド予測はありますが、無責任なことは言いにくいのでnoteには記載しません。お酒を飲む機会があればぜひこの話題したいです。
これからのことは分かりませんが、過去の作品をみていくと面白い傾向があることが分かります。4年前くらいまで「最強の転生」「ゲームの現実浸食」「スキルの覚醒」をベースにした「ローファンジー」しか評価を受けることが難しかったです。
・ローファンタジー … 現実世界を舞台としたファンタジー作品
・ハイファンタジー … 異世界を舞台としたファンタジー作品
ローファンタジー作品は、世界にゲートが現れることで世界が変わるといった世界観なので、読者が設定を理解しやすかったんだと思います。一方で、ハイファンタジーだと世界観の説明コストが高く、webtoonに向かないと言われていました。
直近、1年以内で評価の高いハイファンタジー作品増えております。読者の一定メタ認知があがり世界感を理解するコストが減っていったのかと思っています。ハイファンタジー作品が評価を受け始めてきたということは…今後のトレンドを考えると…。ここから先はお酒でも飲みながら無責任に話したいです。
昔は韓国のスタジオはkakaopageの売れたノベル作品をwebtoonにしている。kakaopageのノベルのトレンドが2年遅れてwebtoonのトレンドになるといった話をしていましたが、ちょっと状況は変わったかもしれません。webtoon独自の趣向性がでてきた感覚を持っています。
5.リリースは何話が理想?
ごめんなさい!答えは出ていません!
ただ、昔は25話リリースがベースだったのですが、14話~20話くらいのリリースが増えてきました。10話未満でも、初期ランキングで良い結果のものもありますが、課金話数がすくないので14話くらいはほしいかもしれません。
webtoonは初月が一番課金されます。リリースされたタイミングで、全話課金する人が多いです。リリースタイミングで全話買ったけど、翌週から課金しないといった経験をする人も多いのではないでしょうか?9話でリリースするのと14話でリリースするので、初月の売り上げが倍違うので、リリースは何話が良いのか悩む必要があると思います。
※倍違う理由
9話リリース 無料話5話(4話まで無料)
14話リリース 無料話10話(4話まで無料)
14話まで読んだ読者のほうが作品を好きになって、翌週も課金している可能性が高い気がします!誰かここも飲みながら議論したいです!
6.休載時の影響はどれくらい?
1週休載をすると読者のルーティンから外れてしまいます。
1週の休載で失った読者に戻ってきてもらうのに、だいたい1か月くらいかかると言われています。
長く作品を評価してもらうためには、休載はできるだけ避けたほうが無難です。ただ、多くの人が作品に関わっていることや、長期で作品を描き続けるためには作家さんに休みをとってもらう仕組みも必要だと思います。理想としては、アシスタントの方を増やすことで、1週間に1話ではなく、6日で1話のペースで作品を仕上げる組織づくりが理想です。
6日に1話の制作ペースをつくることで、2か月に1話ストックが増えるため、作家の方に定期的に休みを作れると持っています。
はい!まだフーモアでは出来ていません!
が、来年は進めたい課題だなと思っています。
7.フーモアも自社企画始めたらしい
フーモアは今まで、原作側に立たずに原作をいただいて制作をすることが、一番の特徴だと発信をし続けてきました。いただいた原作を最高のクオリティで仕上げることで、独自の立ち回りをしていますと。
4年目のフーモアのwebtoon事業部では、原作提供の形ではなく自社企画での作品作りを始めています。2025年に作品公開を予定しております。これだけ、トレンドに対して偉そうにnoteに書いたわけですから、ぜひ注目してください!メチャクチャ面白い作品企画が進んでおりますので楽しみにしてもらえると嬉しいです。
ただ、改めて自社で作品の企画開発をしていると、知らないことがいっぱいあるなと感じることも多いです。冒頭の「アンカータグ」ではないですが、知らないことすら知らないことも沢山あると感じております。
8.webtoon編集飲み会を開催します
知らないことを知らない状況を打破するためには、もっと多くの人と喋りたいということで、「中野編集会議」を主宰いたします。編集会議という名前の飲み会です。定期開催をしたいので、場所を「中野」にしました。店選びをするときに、土地勘がある場所だと嬉しいという理由です。
webtoonの編集者、プロデューサー、原作者の方、ぜひ飲みましょう!
おごりません!割り勘です!お互い勉強したいという方、面識なくても構いませんので、是非飲みに行きしょう。大人数だとワチャワチャしてしまうので、僕入れて限定4名の一番情報交換しやすい人数で予定しております。
中野編集会議のお知らせ
日時:12月23日(月) 19:30
場所:中野
定員:3名(先着)
※井本含めて4名
参加資格:webtoon編集者、原作者など
条件:1社1名まででお願いします
申し込みは下記から。先着順です。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScq5FTV0PuLn4utvIIRjVQlns_P36S71g2R38DZJoQIoXr0-w/viewform
これから目指したいんですといったステータスの方は、ちょっとご遠慮願いたいです。ただ、これから目指したくて、フーモアに就職したいという方は歓迎です。やる気と行動力を加味して、その場で一次面接します。
集まらなかったら1人で毎月飲みます!
よろしくおねがいいたします!!
最後に
最後に募集要項です!
今回の記事を読んで「一緒に働いてみたい!」という方がいらっしゃいましたら下記よりご連絡くださいませ!
心よりお待ちしております!
■募集職種
◎制作スタッフ
各工程における制作業務になります。
・ネーム(絵コンテ)担当
・背景線画担当
・着彩担当
・メイン線画担当
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◎アートディレクター(作画監修)
Webtoonのクオリティ管理と作画監修業務になります。
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◎ディレクター
Webtoonの制作進行管理と品質管理になります。
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株式会社フーモア 担当:井本洋平
TEL/03-6228-4310 MAIL/info@whomor.com