「漫画ビジネス」を読んでwebtoonはまだまだ発展途上にあるなと改めて思いました
こんにちは。
フーモアの芝辻です。
最近のwebtoonに関する以下のようなニュースを見て、やっぱりwebtoonは市場が限界なんだ、とか失速しているという意見が出ていますが、
日本の横漫画の市場も、最初の最初は新聞の挿絵から始まり、赤本、雑誌、単行本、紙の衰退から電子書籍へ・・・、という流れがあり、常に右肩上がりで伸び続けてきたわけではありません。
私個人としては、今回そういったニュースも一時的にそうなっているだけで、来年や数年後は紆余曲折ありながら、webtoon市場は伸びていくんだと思っています。
そんな中、「マンガ業界Newsまとめ」の菊池さんから、漫画業界を改めて網羅して理解できる本が出たので買って読んでみました。
業界の方が日常的に会話をしている内容が書かれています。これから漫画業界に足を踏み入れようとする方のエントリー本としても良本だと思いました。
その本の中の冒頭に出てくる言葉、
裾野広ければ頂き高し
その業界の裾野から入った人が、その業界の頂点をみて「ああなりたい!」とチャレンジをする。そういう人が、頂点を超えたり、頂点は超えないまでも近づいたりします。
webtoon業界でいうと「俺だけレベルアップな件」が頂きで、この頂きがかつてないほど高かったからこそ、それを超えようとこの3年間で多くの裾野からチャレンジをして行っています。
まだまだ超える作品が出たとは言えないと思いますが、いくつかヒット作も出ています。その素地を作ったのは横漫画の方々であったり、comicoご出身の方であったり、他業種からの参入であったり(弊社フーモアもゲームイラスト制作系から始まった他業種からの参入)。
横漫画でも「漫画ビジネス」の本から参照すると、「鬼滅の刃」が頂きでしょうか。アニメ化を起点としたメディアミックスの大成功、巣ごもり需要による電子漫画市場の急速な拡大、OTT(NetflixやAmazonPrimeなどの動画配信サービス)による海外アニメ市場の拡大もあり、漫画がIPの源泉となり、多くのエンタメ企業が漫画市場へ参入を試みています。
webtoonもIPの源泉として考えることができ、メガヒットが生まれると、それが市場を牽引し、裾野が更に広がり、更に頂きが高くなっていくことでしょう。
フーモアとしてもメガヒットを作るべく、より多くの読者に楽しんでいただけるように、裾野から頂きに登り、市場を牽引していきたいと考えています。
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「漫画ビジネス」の本を読んで、改めて日本の漫画の市場の立ち上がり方と、韓国の市場の立ち上がり方をまとめてみました。
日本の漫画市場の立ち上がり方
新聞の挿絵から赤本(貸本)、雑誌、単行本、電子書籍~という流れは良く知られていると思いますが、元を辿ると、
日本の本の物流網の強力なシステムが漫画や紙の本を戦後のコンテンツを支えた
みたいなところから返本リスクを出版社がおえるようになり、書店も広がり、それが更に紙の単価も下げることになり全国民に普及するベースができました。
この流通の仕組みが秀逸すぎたんだと思います。
で、その中で漫画も生まれて、子供でも買える値段で200ページ300ページくらいの雑誌が200円でも流通できるようになりました。
日本の漫画文化の素地は、こういった強い物流システム(インフラと言ってもいい)があったからです。
政府が戦後に道路をバンバン作って、その物流システムをより強固にしていったのも拍車がかかったと言えます。
これが大陸的な大きな国だとそもそも物理的な距離もあり、パソコンやインターネットの普及するまでは、日本ほどの物流システムを作るのが難しかったと思います。
※なので大陸的な海外では漫画とかそういうのも普及しづらかったというのはあるかもしれません。アメコミは単価が高く、子供が気軽に変えず大人のオタクが読む読み物みたいなイメージでしょうか。
で、その物流システムのベース素地があった日本の状態があったため紙の漫画市場が確立され、ジャンプは一時期600万部を超えるほどまでになり漫画というコンテンツが日本で一般化して市場が急拡大しました。
電子書籍はそんな漫画というコンテンツがある状態で、インターネットの誕生とともに生まれ、1990年代くらいから、その紙の漫画をそのままスキャンしてPC上で読むというのができ始めました。
何度か電子書籍くるくるブームがあったのですが、同様にインターネットが全家庭に普及するまでは紙の漫画の市場と平行しながら市場ができるものの、紙が安すぎたため(物流システムが凄すぎたため)、インターネットで漫画が普及とはなりませんでした。
こんな感じを繰り返している中、2000年頃から、ガラケーが登場して、i-modeの発明により電子書籍がアダルトやBL中心にガラケーで読まれることになりました。
以下の図はスマホが普及前のガラケーの電子書籍市場です。コミックが大半で、最初は大手出版社もドラゴンボールなどの大作をガラケーの小さい画面で読むなんてのはありえん!ということで、アダルトとかBLとか主流じゃないコンテンツかつ、自分の布団とかに入っているプライベート空間でいつでも読めるという利便性から普及し、電子書籍市場の半分がアダルトマンガという時代がありました。
そして2009年に登場したスマホの普及が2011年頃に本格化。スマホが普及し、より電子書籍のプレイヤーが自由に参加できるようになり、画面も大きくなり、元々紙でもあったコンテンツがスキャンされてそのままスマホ上で見れるようになっていきました。並行して2011年は、ガラケーの電子書籍ビジネスが急速に落ち込んで行くことになります。
この辺の2013年から電子書籍市場がアダルト以外も増えて爆発的に市場が伸びていきました。
紙で漫画作品が生まれて、そのままスマホでも読めるというので、紙と電子コミックが共存しながら同じ横漫画というフォーマットで漫画は両方の市場で伸び続け、コロナの影響でのこもり需要で年20%近くで更に急成長するという特殊な市場となっていきました。
関わるクリエイターも幼い頃から横漫画を読み、横漫画の市場で鳥山明や尾田栄一郎のように活躍できる市場にチャレンジする人も増え
将来なりたい職業ランキングでは、漫画家イラストレーターが常に上位来るほどになりました。
日本はそういったユニークな漫画市場が作り手と出口とともに形成されていって、それが続いているというのが今です。
韓国webtoonの立ち上がり方
一方韓国ではそこまで強い物流システムができず(一度国が破綻しかけてIMFが助けた)
日本から輸入される漫画に制御をかけて、紙の市場がそこまでできない状態で、いきなりインターネットが来て~という流れがあります。
詳細は以下のブログにまとまっています。
いきなりインターネット上で漫画を表現するということになり、インターネット上の漫画は他のサイトやサービスがフルカラーということもあり、漫画に色が付き、縦にスクロールして読む記事やサイトがほとんどであるため縦にスクロールになったという経緯があります。
PC上で見るのに最適化されたフォーマットとしてwebtoonが誕生することになります。
その後、スマホが普及しますが、PC向けに作られたサイトもスマホでも同様に縦にスクロールして表示したこともあり、webtoonも少しスマホの縦長の表現に合わせる作品が増えたものの、そのままPC向けのwebtoonもスマホにフィットして行きました。
しかし、韓国では2013年まではwebtoonをユーザーがあまり課金をして読むという文化がなく、naverのポータルの集客用コンテンツとして(集客したユーザーをショッピングとかオークションとか広告にまわしてマネタイズする)使われていたため、市場はあまり大きくなかったのですが、2013年にlezhin comicsというベンチャーが「待てば無料」モデルでwebtoonのマネタイズに成功したのを皮切りに
※マニアックですがlezhin comicの創業のストーリーです。
スマホの普及と決済アカウントの概念と相性が良く、「待てば無料モデル」が韓国のwebtoon市場を大きく成長させることになりました。
※これは当時韓国でwebtoonのマネタイズに成功し始めた時の記事です。
その後naver webtoonも有料化、kakao talkのkakaoも後発でwebtoon市場に参入して韓国は過去最大のwebtoonの市場規模ができることになります。
さいごに
こう見るとやはり漫画市場、webtoon市場ともに紆余曲折ありながら成長をしているんですね。
繰り返しで恐縮ですが、フーモアとしてもメガヒットを作るべく、より多くの読者に楽しんでいただけるように、裾野から頂きに登り、市場を牽引していきたいと考えています。
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