一九二七年、三二歳のときに、ビジネスの世界では自分は「使い捨て」にすぎないことに気づき、自分自身を生涯にわたる実験用の「モルモット」(もっとも客観的に考えられる実験 「材料」として使おうと努めた。その実験とは 、体格も経験も能力も人並みで、 養わなければならない妻と生まれたばかりの子どもがいる健康な若い男が、資本やこれといった財産、貯金、富、信用もなく学位もない状態から始めて、宇宙船地球号に乗船しているすべての人から不本意な抑圧を取り除き、そして同時に、誰もがみんな納得のいく生き方ができるようにしながら全人類の生活の物質的保護と支えを永続的に増進するために、国や大企業にはできないことで、一体何が効果的に行えるのか、ということを発見するために計画したものだった。