フラー 091


三分の一世紀にわたって、わたしは「思考」を人間の系統だった能力からはっきりと区別できるパターンに移しかえることができると確信してきた。思考から物質的な行動へと翻訳可能なそれらのパターンは、個人を超越した才能として、緊急時には、人間の総合的な環境を考慮しつつ、無意識のうちに、自動的に人間の相対的な利益に変化を与えはじめるものとなる。この知的な道具が新たなエコロジー的パターンをもたらし、その結果、人間にはっきりとその価値がわかるような利益を増大させること。それがわたしの広義の作業仮説における哲学的な必要条件である。わたしの経験では、個人を超越したこれらの道具は、概念化の過程で生じる誤りを排除する傾向にある。思考を実験的な物質的作用に移しかえることのなかった人々は、因習的な思考と、貴重な体験の誤った解釈により、互いにあざむきあってきた。人々は希望と愛を託して、その誤解を世代から世代へと継承してきたのである。

バックミンスターフラー『バックミンスター・フラーの宇宙学校』、訳金坂留美子、1987年、株式会社めるくまーる、17ページより引用


今の彼に取ってめちゃくちゃ大事。

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