持続するには工夫と調整が不可欠

どんなものも例外なく、そのままの形を維持するためには、付加的なエネルギーや秩序が必要だということだ。そのことは、有名な熱力学の第2法則、つまり万物は徐々に壊れ去っていくという形で抽象的には知っていた。これに気づいたのは、年を取った悲哀からではない。ずっと昔から、石や、鉄の柱、銅のバイプ、砂利道、紙といった最も無機質な物でも、注意して直したり、新たな秩序を加えたりしてやらないと長くはもたないことは学んでいた。存在するということは、主にメンテナンスをするということなのだ。
最近になって驚いたことは、無形のものでさえ不安定だということだ。ウェブサイトやソフトウェアのプログラムをずっと運用することは、ヨットをきちんと走行させるようなものだ。

ケヴィン・ケリー 『〈インターネット〉の次に来るもの　未来を決める１２の法則』

無形のものでさえそうなのだから、有形のものはさらになのかもしれない。

〈インターネット〉の次に来るもの　未来を決める１２の法則

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