自分をとりもどすための時間
昨年の四月、ひと月だけ一人暮らしをしていた。
姉が私の希望を叶えてくれて、家族とも会いたくないから家賃を払うという条件で、一人暮らしの家を貸してくれたのだ。
姉は、私の仕事への情熱や境遇、ここに至るまでの紆余曲折も知っていたので到底放っておけなかったようだ。
ありがたい。
こんなに家族に救いを感じたことはなかった。
悲しみや絶望は日ぐすりだというけれど涙もでない毎日は出口が見当たらず、転職サイトをみてもピンとこなかった。
そんな時、Netflixを契約していることを思い出した。
そうだ、韓国ドラマだ。
あんなにエネルギッシュになれるエンターテインメントはないじゃないか。
韓国ドラマについては、かつて韓国語を勉強していた時代(2010年)があり7年間で40本以上のドラマを見た過去がある。
色々な偏見を受けることがあるが、韓国ドラマって漫画みたいに中身が濃くて(濃すぎて荒唐無稽な部分ある)少し消耗したりもするけれど中毒性もまたすごい。
何年も遠ざかっていた私だったが、ふたたびまたその荒唐無稽な世界に引きこまれた。
誰かに会いたいのに誰にも会えない。
正確に言えば会いたくない。
不思議な気持ちで過ごした時間だった。