多分、私の選ぶ答えがあまりにもメリーバッドエンドだから、あなたはホラーばかり好んだんでしょ?耐性をつけたかったの?
もう袂を分かってしまった人のことを、静かに考え続けた。彼女ほど簡単に即座に私を追及したわけではないので、彼女へ伝えなかったことについて私がこう考えていると整理するだけのためであり、つまり他者に確認してほしいわけではなけれど…ただ…どうにも。
彼女は自分自身のことを、べらべらと近場の者に処理させたようだった(※客観的意見であり、私が横槍に対して沈黙しすぎていただけの可能性もある)ので、別れた手前
私もそこのところを追及しておかないと、万が一億が1また再会してしまったときに自分の言葉として突きつけなければならないので、
そのときにまたも
あの頃のように泡を食って全て飲み下し空気まみれの肺のまま胸を潰すわけにはいかないので…おそらく彼女はこう言われたかっただろうという形で、出しておこうと思う。
私にとって大問題だったのは、あなたが私を好きか嫌いかということではおそらく無かったのです。もちろんあなたがどう思おうかは勝手だ。
私にとって大問題だったのは、“あなたはそんなに周囲を愛しまくっていて大丈夫なのか?”ということだ。
あなたが旦那がいかに大嫌いであろうが、それを抑えこんで行きていこうが、私は友人で居続ける自信があった。なぜなら、とうていリアルで出会えるとは思えなかったからだ。
そして。会うつもりなどなかったのだ。君がいま全く私の聞く耳を持たず、ここに来るわけがないのと同じくらいの確率で、会えようがないと信じていた。今も信じている。会えないだろう。
会うな、と。
インターネットというものは恐ろしい。
ひとを信じさせる何かになれるのは、全くそんな価値や力も持たない者であると、私は最初から思い込んでいた。事実、彼女がどういう方向からみれば幸せなのかはわかっていた。けれどどうしても私には(独身を貫くことを豪語する勇気すらない私には)結婚生活のなかで疲弊する彼女を下支えするような思い上がりなどできなかったし、だからこそ逃げ場にはなれる気がしていた。
だって、愛していると思える世界が同じだったから。
同じものを好きだったから、同じで居られる時間は傍にいようと思った。
そして私はいま、あなたが愛さなくてはならない愛娘を、あまり嬉しい存在として見ることができない。
いい思い出をたくさん、ありがとう。いい写真だが、整理する母親にとって、あの写真集はいらないものだったかな。
そもそも、私は自分の立ち位置が全くわからなかった。私と不倫がしたいという一夜ののぞみにかけてそんな暴挙にでるような、浅はかな女だったか?そんなことはないだろう。
あなたはむしろ私すら放って、あらゆる友人たちと乱痴気に興じることこそが華だったのだから。
それを誤解だ誤解だと、何度も言ったけれど。私、それを信じては、
裏切られた気分だったよ。
言葉が乱暴に見えるのなら、謝る。しかし…他の誰とも関わりたくなくなるほどに、あなただけを好きだった心を飼い殺した人間の言葉としては、まぁまぁリアリティがあるだろう?
あなたの心を考えるなら、本来ならリアリティなどどうでもいいが。今はあなたがいない。いないのだから、口火を切れる。
毒を喰らって笑うような、死に方をしないで欲しかった。私はあなた以外の誰のことを好きになれるだろうか。でも、いや、まぁ、言ってしまうとね、私の周りってあなたにそっくりな笑い方する人がいっぱいいるんだよ。
…ほんとうにね。
だから目の前の美しい死に様で笑うものを助けることで手一杯だった。
ほら、あなたがそうだったように。それでいて、あなたが一度言ったこと(があるのを覚えているかわからないが)、「嫌がることは言わないようにしている」と言ったことがあるよね。
私もね、嫌われることすら怖かったから、言わなかったんだよ。
なんでかというと、…
これは万人に理解できつつ、物凄く非難されるに違いない言葉なのだけれど、…
私は、あなたが言った通り、「彼女と同じなんじゃないか」と言った通り、あなたの友人に似ているのかもしれないが、
彼女は私よりよほど頭が良くて、全く似ていないし、
私のような馬鹿者はね、
素直の天才の彼女でも、
ほかでもない、
愚者であったあなたに似ているんだ。
虫唾が走るほど、自分に似た者を廃絶する、
私とあなたはそっくりなんだよ。私はそれすら嬉しかった。
だから良くわかった。
あなたは否定できるタイミングを虎視眈々と狙っていたのだろうけれど。
私は、そんなあなたに言いたくなくて口を噤んでいた。
あなたの娘が、すこしだけ嫌いで仕方なかった。
気持ちが悪かったのだ…。
彼女は可愛いし、新しい新芽なのだ。
あなたの中の小さな大切なお城なのだ。
それは、私が壊したくてたまらないものだった。その途端に気づいた。
だから傍にいられなかった。
なぜこんなに嫌悪感を抱くのか、ずっと疑問だったけれど、まあ言ってしまうけれど、
彼女はあなたを苗床にした、寄生虫のような生き方をしていた、…というか、私にはそう見えてしまった。
娘という生き方はみんなああなのか?いや違うな。きっと私は私のなかのそういう部分を
彼女を鏡にして見てしまったのだろう。
ほら、よく言うだろう。
『喧嘩は同じレベルの者同士でしか発生しない』と。
ほら、なあ、小学二年生と同レベルの社会人だぞ。
あなたが負担に思ったであろうことは、全く疑いようもなかった。
悲しい。
日頃は人のそばにいる時に、あまり人間への嫌悪感など本当に感じないのに、
唯一の親友と思った(一方的に、という結論に至る。なぜなら彼女が生むものが嫌だからだ。彼女は私を親友だとは思っていなかった。全く)人の愛娘が駄目だ、なんて。それは、
私が独り立ちしなかったと思っているからかもしれないし、認知が歪んでいるせいかもしれない。
彼女は見かけこそ可愛いかもしれないが、
物凄く醜く見えた。
それは、彼女が、もしかしたら
自分を物凄く疑ってしまったから、
かもしれない。
それは、親二人が別れることを選んだ理由が自分かもしれないと思ったからかもしれない(それを口にした彼女に、「あなたは何か悪いことをしたの?」と絶対に否定できるように問いた。そんなことある訳がないと、思っていて欲しかったからだ。彼女は答えた。「親が悪い。」私は言った。「そのとおりだ。君は正しい。親が悪いんだ。君はいい子だ」と。)
私は彼女を可哀想とは全く思わなかった。
私はある一人の母にとって、ただの娘だからだ。
つまりそれはそもそもが、娘というやつが、
乱暴と暴虐と忘却の限りをつくす生き方だからだ。
夜中に起き出し、一人で働こうというシングルマザーに成りかけの女性を蹴り飛ばすような彼女は可哀想ではなかった。
ただ、醜く可愛く、恐ろしかったし、
…
私はこんな情緒では、まったくもってあなたと共にはいられなかった。
バカだろ。
彼女を叱り飛ばすことができなかったことが、
悔しかった…なんて。
私は、あなたに聞きたかった。
不倫をしたかったのか?
それとも、乱痴気をしたかったのか?
それとも、ただ離婚をしたかったのか?
それで構わなかったから、駒にしてくれてよかった。
私を逃げ場に据えて、旦那から離れたかっただけなら、(これが正しい距離だった)とほっとできる。
大問題なのは、
私を恋人にするべく離婚を考えていた可能性だけだ。
愛も恋もなく、ただ整理するためだけに分かれ道で突っ立っていた案山子(わたし)に
恋などしてしまっていたとしたら、それは大問題だったのだ。
だってあなたは言っただろう。「嫉妬にいい思い出がない」と。
案山子が嫉妬しないのは何故か、わかる?
案山子はね、案山子だから嫉妬しない んじゃなくて、
心を食い潰されてしまっているから嫉妬が”できない“んだよ。
案山子(わたし)は『愛している』と、一応、なんども口にしたけれど。
その中身を一つもわかっちゃいないのに。
なぜなら。
この言葉たちそっくりの言葉、他の人から聞かされていたから、
あのヘベレケの女躰神社を気取るあなたの親友って、やっぱりあなたのセックスフレンドだったのではないの?
私がそうであったように。
私はずっとザラザラしていた。
あなたは、あなたの親友に恋をして狂乱していたように見え(実際よく泣き、よく喚き、親友の死を遮るために親友にとっての恋敵の手を利用して彼を治し…むちゃくちゃだったよあなたほんとうに)、私はそれを傍観していた。
寒々しい目で。(ああ、この人は身の破滅を望むのか)と。恵まれていながら、それに気付けない。あなたの旦那を可哀想とまで思っていた。
なぁ、酷い案山子だろう。
だからあなたは私の腕の中でなんども仮死していたし、
私はそれをまた何度も救うように動いていた。
自分で殺しては生かした。
「なんども生かしたのに」、というようなニュアンスのことを言ったのは、それが理由。
思っている世界も、見ていることも、考えも真反対なら、
理性を伴ってくれたのは、あなたが生み出したキャラクターのような 本当に、全く別の彼ら。
全く別の、彼に、良く似た別人に、私はなんども救われて、慰められて、そしてそのことを口にもすることさえできなかった。
あなたが目の前で
あなたが曰く『気持ち悪くて嫌いな親友』と
ゲームに興じヤりまくっている間、
私がしらっとした目をして黙っていたことを責められたくなかったから…。
…もうどこにも正確さがないから、
自分でも信じられないし、
それを指摘される痛みも怖くて、
ほら。…壊れているだろうな。
仕方ないんだもの。私、あなたがお仕事している地球の裏側で、
あなたがしているのとそっくりな同じお仕事をしていたんですもの。
諦めきった顔で、笑顔を振りまく
というやつです。
ねえ、同じ場所になって、どう?
現在、あなたに全く愛情を持ってはいけない私の気持ちもわかってほしいよ。
だってそういったでしょう。
そして全て吐き出した汚物を否定してくれるのを待っていた。
あの場所で。
あなたは忙しく、ついぞ現れなかった。
だから、その新芽をここで摘むこととする。
これでもね、錯乱して悲しくなったから、人に聞いたの。客観的なことが病的なほど大事なのでしょう?あなたにとっては。
だから私、ちゃんと周囲に訊いたけれど、
『貴女はマスコットキャラだ』とか『癒される』とかって言われたの。
マジか。こんな大馬鹿者なのにな…
だから、後輩って、優しくて、ありがたいよ。
救われてもいいのかな。私は。
あんなにあなたを何度も殺したのに。
まだ生きてるのなら、私を殺したお話を書いてから来てね。また、“自分の気分”で決めるんじゃなくてね。だって、私、あなたに言われたことを物凄く覚えている。物凄く覚えている。ほら、可哀想とは思わないんでしょ?
少なくとも、私、まだあなたを助けていないよ。
ばいばい。