YouTube参考資料)ベトナム語基礎講座⑫ 完了形は相手への配慮 全否定せず、将来の可能性に含み
フーおじさんのベトナム語基礎講座をご視聴いただき、ありがとうございます。前回の投稿から2週間空いてしまいました。サボっていた訳ではなく、投稿頻度を上げ過ぎると塩梅が悪い大人の事情がございまして、少しペースを落とそうと考えた次第です。大変申し訳ありません。
さて今回は完了、経験を尋ねる文法について説明します。ベトナム語では普通の疑問文よりも完了形で尋ねる疑問文の方が多いのではないか、と思えるほど使用頻度が高いです。その理由は①相手の現在の状況を気遣っている、②「〜しない」でなく、「まだ〜していない」と言うことで将来に可能性を残すーーがあると筆者は考えます。
文構造は普通の疑問文と同じ
文の構造は普通の疑問文と同じでシンプルです。có⏩đã、không⏩chưaに変わっただけです。この2種類の疑問文は明確に使い分けますので、よく覚えておいてください。
動詞の前に置けば否定文にも
chưaは単独で「まだ〜していない」という答えにもなるほか、動詞の前に置けば否定文が作れます。他にもchưaを使った便利な熟語がたくさんあるので一気に覚えてしまいましょう。
なお、chưaを発音するときは「チュア」と発音してはいけません。口を横にしっかりと開き、イを発音する口の形でウを発音してください。これができると通じる確率が格段に高まります。
経験を聞くときはđã từng
完了形の疑問文は文脈によって、動作の完了を聞いているのか、経験を聞いているのか、判別します。過去に経験があるのかないのか、をはっきりと聞きたいときはđãの後ろにtừngを付け加えます。これは英語のeverと同じ意味です。
答え方は上で説明したようにRồi / Chưaで答えても構いません。ただ、「2回行ったことがある」と言うように回数をいうケースが多いので、その言い回しを覚えましょう。「数字+lần」です。1=một、2=hai、3=ba、4=bốn、5=năm、6=sáu、7=bảy、8=tám、9=chín、10=mừoiです。何回もだったら「Nhiều lần(英語のMany times)」です。数字はとりあえずこの10個を覚えましょう。発音はGoogle翻訳で耳から学んでください。
完了形は将来への含みを残す思いやり表現
ベトナム語は日本語や英語と比べて完了形の表現が多いように感じます。その動作が完了したか否か、経験があるか否かを問うことによって、相手の現状を理解すると同時に、「今は〜していないけれども、将来は〜する」と言う将来への含みを残す狙いがあると思われます。
結婚しているか、子供がいるか、家を持っているか、といった質問をベトナム語でされて答えがNOだった場合、ほとんどの場合「chưa(まだ〜していない)」と答えると思います。日本語や英語ならば質問時点におけるYes、Noしか眼中にないのに対し、ベトナム語では将来の可能性も視野に入れています。そうすることによって相手の未来の可能性を尊重してあげることができます。
ベトナム語学習者が最初に耳にする完了形の表現は「Ăn cơm chưa?(ご飯食べた?)」だと思います。本来の意味とは離れて、How are you?の意味でも使われます。相手がご飯をちゃんと食べているのかに気を配り、もし食べていなければご飯を作ってあげたいな、という気持ちが込められた挨拶です。ベトナムの人たちの優しい気持ちが完了形の文章に凝縮されているように思えます。
*フーおじさんのベトナム語基礎講座⑫完了形は相手への配慮 全否定せず、将来の可能性に含み