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<No.1>思いの丈

こんにちは。私はある私立高校に通う高校2年生です。初投稿ですが、ここに私の思いの丈を綴らせてください。

一般的には人生の岐路に差し掛かるであろう高校2年生の今、私は文化祭の実行委員長を務めていました。文化祭自体はすでに終了し、未来へ向けた引継ぎを書かなければという焦燥感に駆られている今、どうしても私には引っかかることがあります。

私が全力をかけて、魂を込めて、そして青春を振り切って作り上げたこの文化祭は、果たして本当に「私が作りたかったもの」なのか?ということです。委員長としてこの数か月間、いや、この文化祭に携わるようになって早5年。ただ脇目もふらず、全力で駆け抜けてきました。その終着点にたどり着いて"しまった"今、私の心に残ったのは達成感だけではありませんでした。

綺麗事を並べるとするならば、「文化祭とは生徒一人ひとりの力が結集し、何百人もの人が一丸となって作り上げるものだ」ということを強く感じています。それぞれの場所で、それぞれの人が自ら考え、判断し、行動する。時に笑い合い、時にぶつかり合いながらも、その場所で力を尽くしあう同級生を始めとした彼らの表情は、とても輝いていたし、それに何度も感動し、心動かされ、何度涙ぐみそうになったことか。その一つ一つの過程に確かにかけがえのない思い出はあったし、当日たくさんの人の笑顔を見ることができたのは何よりの喜びでした。
私の心が折れそうになった時には、ともに頑張ってきた実行委員が励ましてくれた。その一つ一つにある意味で「生きがい」を感じていたし、言葉で表せないほどの「青春」に包まれていた気がします。

しかし、私自身の理想やビジョンは、果たしてどれだけ形になったのでしょうか。どこかで妥協し、どこかで自分を見失い、それでも焦りと責任感に覆われた私は何とか「形」にするために突き進んだ日々。その中で、私は委員長という檻に閉じ込められ、本当に大切な「自分の想い」を届けられていたのか、後悔が残っています。

世界はいつも、決定的瞬間だ。」私が尊敬する写真家の森山大道さんは、この言葉を残しました。
私がこの文化祭という大きな舞台を通して生徒や来校者、その他私に関わってくださった「他者」に見せたかったのは、この「決定的瞬間」であふれる文化祭でした。本当はもっと無邪気に笑い合い、夢中で何かに取り組み、時に喧嘩して、時に泣いて。青春を全力で謳歌して、友達との話に花を咲かせ、恋愛にも全力で。そんな「高校生らしさ」あふれる文化祭にしたかった。もっと「人間らしい瞬間」であふれた時間にしたかった。でも、現実はそうではなくて。スケジュール通りに進めること、役割を全うすること。臨機応変には対応せず、「マニュアル通り」に進めること。僕自身、効率や秩序、伝統に固執しすぎてどこか「無感情人間」になってしまったのかもしれません。この捨てきれない思いが私の心の中を痛く駆け巡り、そして何知らぬ顔で過ぎ去っていくのです。もう、過去には戻れないから。

もちろん、文化祭は無事成功のうちに終わり、ひとまずは胸を張れる部分もあります。少し前述しましたが、仲間たちの眩しいほどの真剣なまなざしと、来場された子どもたちの純粋な笑顔。その一つ一つが私の中に刻まれていることは確かです。でも、心の中で「もっとこうすればよかった」と思わずにはいられません。もっと自由に、もっと無邪気に、もっと「高校生らしく」ありたかった。あの瞬間、僕たちは本当に「生きて」いたのだろうかと。

私が通う高校では高3学年の文化祭参加は任意なので、役割を全うすることはもうありません。つまり、私自身の「最後の文化祭」はすでに終了し、私が思い描く夢物語のような未来への道へと歩みを進めるカウントダウンがもう、始まっているのです。でも、私はこの苦悩から抜け出すことができない。もう、過去には戻れない。でも、戻りたい。もういっそのこと、すべてを忘れたい、そう思うんです。

そんな「病んでるのか?」ともいわれかねないような状況の中ですが、未来へ向けた話をしようと思います。これから文化祭や、その他かけがえのない瞬間を送る人たちはどうか、「決定的瞬間」を逃さずにつかんでほしい。マニュアル通りの機械ではなく、心からの自分自身で、そして仲間たちと生きる時間を作ってほしい。そう願ってやみません。

最後に。僕たちの青春は、まだ終わっていません(多分笑)。この苦悩があるからこそ、もう一度自分自身を見つめなおし、そして社会を見つめなおして新しい未来への一歩を踏み出せる、そう私は私を信じています。この最後の段落は完全に自分へ向けたセルフコンパッションな文章になっていますが、私はもう一度「本当の意味での決定的瞬間」を探しに行きたいと思います。それがいくら遠い場所にあっても、いくら小さかったとしても。

ありがとうございました。
ではまた。

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