Temuって何者? from NPR Planet Money
NPRのポッドキャスト「プラネット・マネー」は、低価格とゲーミフィケーションを取り入れたショッピング体験で米国に波及している中国のeコマース企業、Temu(テームー)を取り上げている。
2022年秋のデビュー以来、人気急上昇中のTemu。2024年2月には世界中で2960万回以上ダウンロードされ、アマゾンやウォルマートのアプリを上回る人気となっているという。
Temuの急成長理由
プラネット・マネーによると、Temuが既存ECサイトとアメリカ市場で競合し、急成長している理由は単に幅広い商品を低価格・送料無料で提供し、バリュー志向の消費者にアピールしているだけではなく、以下のような点が注目される。
マーケティング戦略: 複数のプラットフォームにまたがる戦略的なマーケティング活動により、知名度を高め、多くのユーザーを迅速に獲得。
ゲーミフィケーション: ゲーム性を持つユニークなショッピング体験。
まとめ買いでの低価格化: コロナ禍に食品のオンライン販売で急成長した親会社である拼多多(PDD、ピンドゥオドゥオ)と提携し、ソーシャルショッピングやまとめ買い割引を活用。
サプライチェーン戦略: メーカーと消費者を直接結びつけ、中間業者を最小限に抑え、需要に応じたリアルタイム生産を活用。
「デミニミスの抜け穴」: 最近の基準では800ドル以下の輸入品であれば、関税の支払いや詳細な税関検査をスキップできるという米国の税関政策を利用し、消費者へ直接発送している(参考: 米関税制度の「抜け穴」、安い中国製品の流入続く)。
2024年のスーパーボウル広告では、「"十"億万長者のようにショッピングしよう(Shop like a billionaire)」というコピーでアプリを宣伝していた。
https://youtu.be/6dK4txrV6Ds?si=ODB8A3ukuAmYyvjz
日本製品の海外販売プラットフォームの革新は?
この拡大を支えているとも言えるTemuの安全性軽視や偽造品取り締まりのゆるさにつながる関税の抜け穴の利用は褒められたものではない。しかし、日本製品の海外販売プラットフォームにおいて、メーカーから消費者への直接販売(D2C)とジャストインタイム生産(JIT)を通じてコスト効率を高めるというアプローチを取って認知度を高めているケースはまだない。
観光客やオンラインでの文化の広まりに伴って、漫画、キャラクターグッズ、工芸品、化粧品、食品など日本製品の海外での人気は高まり続けているが、海外からそれらを簡単、確実、安心して購入できるプラットフォームを知っている人がいったいどのくらいいるのだろうか。Rakuten ブランドは海外では認知度が低く、買収したBuy.comのサイトも現在ではリベートショッピングのサイトになっているようだ。