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セックスワークサミット2020オンライン『新型コロナと夜の世界 ~その時、支援団体はどう動いたか~』開催レポート(2020年9月5日)

2020年9月5日(土)13時~16時、セックスワークサミット2020オンライン『新型コロナと夜の世界 ~その時、支援団体はどう動いたか~』を開催いたしました。

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今回のサミットでは、ハピママメーカープロジェクトGAP風テラスと、コロナ禍で夜の世界で働く人たちの支援のために動いた支援団体が一堂に介し、これまでの活動を報告・共有した上で、これからも一人でも多くの人に支援を届けるため、そして社会に現場の声を届けていくために必要なソーシャルアクションの在り方を議論しました。

第1部の「その時、支援団体はどう動いたか」では、それぞれの団体がコロナ禍で行った活動を発表。

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第2部「これからの支援に必要なもの」では、ハピママの石川菜摘さん・GAP柳田さん・坂爪の3名でディスカッションを行いました。

●コロナ禍の支援で大変だったこと、印象に残っていること

「コロナ感染拡大で、当事者も支援者も大打撃」「LINE対応がとにかく大変だった」「SNS相談のガイドラインが必要」(GAP柳田さん)

「一年分の相談件数が一か月で殺到。早朝から深夜まで、ひたすらLINEやメールを返信し続けても、一向に終わらない修羅場が何日も続いた」「『風が止まった世界』=風俗が消えた世界がどうなるか、身をもって分かった」(風テラス坂爪)

「食材を届けるだけでなく、つながりをつくること」「コロナ禍でもこども達がほっと楽しめる場所づくりをしたい」(ハピママ石川さん)

●日々の支援活動やソーシャルアクションを妨げる、夜の世界に対する根強い偏見・差別とどう向き合うか

「まずは知ってもらうこと」「仕事として考えてもらいたい」(GAP柳田さん)

「支援団体の中でも、『夜の世界の人はちょっと…』と言われることがある。昼の世界の支援者にも偏見がある」「人を属性で見ない。『どんな職業で働いているか』『どんなニーズや困りごとを抱えているか』で考える」(ハピママ石川さん)

・夜の世界特有の課題と対処法

「活動の中では、『夜の世界の人のために』ではなく『全ての困っている人のために』という切り口が有効な場合も」「公的支援の届きにくい夜職の女性たちに対し、自助ネットワークを構築し、公的機関とのパイプ役となる」(ハピママ石川さん)

「GAPは、困ったことがあったら、いつでも気軽に連絡できるような、職場と家庭以外の『第三の場所』でありたい」(GAP柳田さん)

「昼の世界の人たちに夜の世界のことを知ってもらうことも重要だが、夜の世界の人たちに、もっと昼の世界のことを知ってもらことも重要」(ハピママ石川さん)

・当事者との距離感

「支援者/被支援者の2分的ではない関係性づくり」「『当事者』には色々な感情、立場があることを理解し、ひとくくりにして捉えないこと、丁寧に個々に思いを寄せることを欠かさない」(ハピママ石川さん)

「風テラスは意識的に専門職で固めている。当事者の立場に立つことは言うまでもなく重要だが、性風俗の世界において、当事者は全く一枚岩ではないし、そもそも当事者意識を持たない・持てない・持ちたくない人も多い。そうした中で『当事者性』に過度にこだわると、支援が誤った方向に行ってしまうリスクもある」(風テラス坂爪)

・メディア対応

「事前に性風俗の世界のことをきちんと勉強してきてくださった方に対しては、取材に応じるようにしている。GAPの活動内容に関心がなく、ただ当事者を紹介してほしい、というだけの依頼には応じない」(GAP柳田さん)

「当事者を紹介してほしい、という依頼は日常茶飯事。基本的に断るようにしているが、記者の方の熱意や取材のテーマ、当事者の女性や業界にとって意義のあるテーマの場合は、検討する」(風テラス坂爪)

・今後のビジョン

「こどもにとって大切な保護者の笑顔を守ること」「託児の場においてできることがないか模索中」(ハピママ石川さん)

「オンラインを含めた、新しい支援体制の構築」「性風俗産業を無視しない社会」「夜の世界の可視化を進めていきたい」(GAP柳田さん)

「組織体制と財務基盤の強化」「昼の世界と夜の世界に橋を架けていきたい。お互いの世界を行き交う人が増えれば、差別や偏見はある程度緩和できるはず」(風テラス坂爪)

<参加者からの質問>

・お店と連携する上で、どうやって理解を得ているのか

・可視化によって失われるものはないのか。そもそも女性たちは可視化を望んでいるのか?

・メディアによって、夜の世界の問題の扱いに差はあるのか。オールドメディアとウェブメディアの間に違いはあるのか?

・外国籍の女性に支援を届けるにはどうすればいいのか?

・性風俗従事者への支援に否定的なソーシャルワーカーの発言が話題だが、理解を広めるにはどうすればいいのか?

・・・などなど、鋭い質問が寄せられました。

メディアの取材も入り、あっという間の3時間でした。

それぞれ異なる角度から夜の世界で働く人たちを支援している3つの団体が現状と課題を報告・共有し合う中で、これからの夜の世界における支援とソーシャルアクションの方向性が見えてきた、とても有意義な時間になったと思います。

ゲストの石川菜摘さん、GAP柳田さん、メディア関係者の皆様、そしてご参加くださった支援者の皆様、ありがとうございました!

クラウドファンディング「夜の世界で孤立している女性・1万人に支援を届けるプロジェクト」、残り1か月で目標を達成できるよう、頑張ります!!



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