『「身体を売る彼女たち」の事情』の裏事情【第3話】
本書の第二章 「風俗嬢」はこうして生まれる は、ソーシャルワークの視点から、性風俗で働く女性たちの背後にある社会課題を構造化して描き出した章になります。
このイラストの場面が出てくるのも、第二章です。
今年3月に公開されたリディラバジャーナルさんの性風俗特集を、風テラスの相談現場=一次情報ベースでバージョンアップしたようなイメージで捉えて頂ければと。
生活困窮者自立支援、ホームレス支援や若者支援などの現場に関わっておられる方には、スッと理解して頂ける構成になっていると思います。
もちろん、そうした予備知識の無い方でも分かりやすく読み進められるように作っておりますので、ご安心ください。大学の教科書になればと思って書いたので、学生や教員の方々にはぜひ読んでほしい箇所です。
風俗で働く女性の全てが貧困だとか生活困窮者だとかいうつもりは全くありませんが、ソーシャルワークの視点で分析すると、この世界の構造が非常によく理解できるのは紛れもない事実だと思います。
私も15年、この業界に関わっていますが、風俗の現場で起こっていることを社会に翻訳して伝える上で、最も効果的な言葉は、良くも悪くも「福祉」なのでは、と考えています。
そもそも対象を福祉の視点で描く、ということは「貧困」という一面的なレッテルを貼って分かったような気になることとは、全くの別物です。福祉的な視点が悪いというよりは、むしろ福祉的な視点が不十分だったのかなと。
デリヘルで働くことが、多重化した課題を一刀両断する「快刀」(解答)になりうる。しかし、その快刀(解答)は諸刃の剣である・・・という問題は、第四章で取り扱います。
(担当:坂爪真吾)
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