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澤村サン、サンキュー!

「あいうえおnote」の「さ」は「澤村サン」。

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澤村サンとは、昨年から今年にかけて、巨人→ロッテ→レッドソックスと移籍の道を歩んだプロ野球選手、澤村拓一選手のことだ。

実は私、澤村サンにはとてつもなく感謝をしている。

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私の夫は、巨人ファンである。
シーズンに入ると、テレビでの巨人戦観戦が夫の楽しみのひとつだ。
一方私はというと、昨年の夏ごろまでは「ふ~~~ん」という程度。
まあ、観ているけどね、みたいな。

でも、あるときから私のプロ野球観戦が、がぜん面白いものになった。

ある日テレビで試合を観ていたら、夫が言った。
「おいおい、なんでここでこいつを出すかな。こいつが投げるなら台無しだ。もう観ていてもつまらないな。消そうかな」
その口調は、イライラ感に満ち溢れ。(でも消さずに観た笑)

私は思った。こいつって誰さ?
ん?サワムラ?知らん。
(当時は私、原監督くらいしか知らなかった。イケメンキャプテン坂本も、4番岡本選手も知らなかった)

「速けりゃいいってもんじゃない」(へぇ、そうなんだ)
「今日もノーコンだ」(ノーコンって、プロでもするの?)
「ほらまた歩かせた、最低最悪」(あぁ、フォアボールね)
「一人で試合をするなよな!」(うんうん、野球は団体競技だもんね)

夫、まじで怒る、怒る、怒る!!!
そして、その後の試合の展開は覚えていないが、巨人は負けた。
「あいつ大嫌い」夫は言った。(嫌いって言葉、夫の辞書にあったんだ)

でも、怒りを露わにする夫は、めちゃくちゃ楽しい。見ていて飽きない。
口調も言葉も態度も、私には超最高!
こんなにもプロ野球って面白いんだね!(え?)

次の日から私は、夫に次のように尋ねるようになった。
「今日、巨人戦ある? 澤村でる?」

かくして、私のプロ野球・巨人戦は開幕した!!!

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巨人戦が始まると私はワクワクする。どうか澤村出てきてくれ!と祈りながら試合を観るのだ。

そのうちに私は、おお!これがキャプテン坂本か。岡村ってそんなに打つの?丸さん、ホームラン打つと〇ってするんだね。亀井選手かっこいい!増田選手って、まじ足速くない?すげ~。
と大騒ぎをするようになり、間もなく、選手名鑑を買ってもらって画面と名鑑を交互に観るという勉強熱心さを身に着け、徐々に初心者から中級者へと劇的な変貌を遂げていった。

そして、澤村選手も着々と負の仕事を果たしてくれて、夫はますます怒り、私はますます笑う、という素晴らしい時間を過ごした。

そうそう、澤村サンの座右の銘が「猪突猛進」?!ということを夫が言ったのも忘れられないひとコマ。へえ、そういうひとなんだ~、と変に納得した私だった。

それにしても、当時の(といっても昨年の夏だけれど)澤村サンのお顔は情けない。ちっとも楽しそうでない。顔見ただけで、こりゃダメだよ、勝てる投げはできないよ、と私だってわかる。

左の原監督に怒られている写真は、確か5点か6点巨人がリードしていたときに交代して投げて、見事に逆転負けしてしまったとき。あれはひどかったよねぇ(笑)まさに正真正銘の「澤村劇場」だったよね。
「澤村出すときには、10点はリードしていないと勝てない」と夫は名言も残したし、
「監督の話を神妙に聞いているようで、多分なにも考えてない」とも言った。

その後、澤村サンは巨人三軍まで落ち、そのうちにロッテにトレードされてしまった。

私としては、いずれまた一軍にもどって登板し、また夫を怒らせてくれることを期待していたのに、なんと巨人からいなくなってしまったのだ。
がっかりだった。

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さてその後、ロッテに移籍してからの澤村サンは、再びなんとなんとなんと、澤村様と呼ぶにふさわしい活躍をされた!

え~~~~~💦(悲しい)
え~~~~~!!!(この活躍、嬉しい!)

そしてその後、巨人でなくてもロッテでこうやって活躍してくれて、素敵な表情を見せてくれたらいいよ澤村様、と思ったのも束の間、再三のなんとなんとなんと、メジャーデビューまで果たしてしまうなんて。

ロッテでの登板時の、この雄々しい雄たけびの姿。レッドソックスへの移籍後の華麗な表情。
最高の笑顔じゃないですか。澤村サン、かっこいいですよ。

ひとって、こんなにも変貌する。
環境の変化がひとにもたらすものは、偉大だ。
自信をもつって、すごいことだ。

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このようにして澤村サンは、とうとう日本にもいなくなってしまったけれど、彼の功績は私にとってとてつもなく大きい。

私は昨年、生まれて初めてプロ野球というものを生で観ることができた。
最初は対カープ戦、次は対ベイスターズ戦、どちらも東京ドーム。

残念ながら感染症対策で、ビールガールからビールを買っての(ちょっと憧れてた)観戦はできなかったけれど、巨人弁当も食べられたし、ウィーラー選手の試合前円陣も遠目だけれども見られたし、二試合とも菅野投手の先発だったし、ホームランも、逆転さよならホームランも見られたし!

今では、巨人の選手なら、遠目からのシルエットで誰なのかもわかるほどまでにもなった。どれもこれも、澤村サンがダメダメな投球をして、夫を怒らせたからの結果だ。

澤村サン、サンキュー!!!!!
大リーグでのご活躍を日本から祈ってます!
ますます素敵な笑顔を!

そして、そろそろ開幕しますね。
巨人頑張れ!!!
今年こそ、真のジャイアンツ根性でソフトバンクに勝ってほしい!
(あ、まずはセ・リーグ優勝しないとね笑)

     ・・・・・ end ・・・・・

タイトル画像:2020年の巨人応援グッズとチケット

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