ショートショートの「添削」で見えたこと。
テキスト投稿は、連続のショートショート「タツナミソウ」話題。
前回は「朗読」をしていただいた件、今回は「添削」をしていただいた件。
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ピリカ文庫にショートショートを書かれたすーさんが、みょーさんに添削をしていただいたという投稿を拝読した私。
このような機会をもてるなんてすごい、素晴らしい、と思った。
自分が書いたものの添削なんて、恐らく小学校での国語の授業以来経験がない。
逆に、大学受験を控えた高校生の小論文添削の仕事の経験はある。
ひとさまの書いた文章を添削するということは、なかなかの重責だ。
それらを踏まえると、今の自分から湧き出て文字にしたものを「添削」していただけるなんて夢のよう!
この機会を逃したら、もうないかも。
ということで、勇気を振り絞ってみょーさんの企画に参加させていただきたい!と決意した。
そのとき、私はまだみょーさんをあまり存じ上げておらず、従ってフォローもさせていただいていなかった。それなのに私の申し出を、快く承諾してくださったこと、本当にありがたかった。
その後、少しばかりみょーさんとやりとりをした後、思った以上に素早く「タツナミソウ」の添削は完成。さすがである。
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まずは、みょーさんの添削をぜひご一読願いたい。
今までに私の「タツナミソウ」を読まれたことのある方なら、おお!だよねだよね、って思うところが満載と思う。
以下、私のみょーさん添削についての私の感想等を述べる。
みょーさんへのお答えも兼ねているので、みょーさんのご指摘の時系列に従っていく。
① 深く読み込んでくださったことに、まず感謝。
前回の投稿で、私の「タツナミソウ」を朗読してくださったピリカさんが、何度も何度も読み込み、自分の中に落としてくださった。
それと同じように、みょーさんも当然のことながら、ひとつひとつの言葉を丁寧に拾いつつ深く読み込み、またわかりやすく全文を記述してくださった。
普通の状況であったら、絶対にできないこの工程は、私にとって非常に貴重なことである。
心から、ありがとうだ。
➁ 真面目で丁寧、ということ。
冒頭から約1/4ほどの本文記述のところで、みょーさんは、私のことを「真面目で丁寧」との印象と。
これ、私の長所だと思うのだけれども、同時に「やばいところ」でもある。
後に「削れるところ」でみょーさんに見事に指摘された『真面目で丁寧な人が陥る罠』!
これ、顔から火が出るほど「そこだよ、私の弱点のひとつ!」。わかってるよぉ、でも見破られてしまったよぉ。というか、もっと正直に言えば「こんなに的確に指摘されたことない!」
こういうことって、対面だと言うの避けるじゃないですか。
そうなの、私の「タツナミソウ」は真面目過ぎるのよ。
③ 父さん、浮気はしてない、絶対に!(笑)
みょーさんが「浮気してたなら許さん。」と!
ここは私も非常に拘った。万が一でもそう取られるのはいやだ。ということで「僕の誕生日の5年ほどまえ」を入れた。
④ 「何で親父の手紙読まんねん息子ォ!」に対する言い訳(笑)
そう僕は、ずっと、手紙を開く勇気がなかったんだ。
この一文の前までは、息子が手紙を読んだか否かには全く触れていないので、ここで、なぜ読まんねん!と思われたのだろうが、この一文は同時に「何で開く勇気がなかった?」と思わせつつの次の一文
丁寧に三つ折りされたニ枚綴りの便箋には、淑やかな文字が並び、そして色あせ千切れそうな小さな花が、ひと房挟まっていた。
に気持ちをもっていきたかった。だってこの文だと、あれ?女性から?そうか、もしやラブレターだったん?と思うでしょ?
そこまで引っ張りたかったの。しかも、次を引き立たせたかった。
そして「立浪草の花言葉をあなたに」という不思議な一文で結ばれていた。
だって、息子としては、父親から手紙受け取ったときに、裏は見ただろうし、見たら住所は潮岬で、女性からの手紙ってわかる。だから「手紙を開く勇気がなかった」わけで。そこは書かないからの、おお!ラブレター!まじか!しかも、この意味深な結びの一文!となる(期待)。
なので当然、削られた物語のなかにも、この件にまつわる内容はなかった。
まあ「見る勇気のなかった」という真面目というか気弱というか、父親をある程度美化していたという、かなり良い子で、ちょっとカッコ悪い息子になったけど。(そこがまた、私の真面目が悪さしてる)
➄ 『真面目で丁寧な人が陥る罠』💦の削除について。
紀勢線特急「くろしお」に乗り換える。
を入れることに拘ったのは、私自身が「タツナミソウ」に出会ったのが「潮岬」を実際に訪れたときで、その際に使った列車だったから。
でも、こんな拘りは捨てていいのよね、今ならわかるわ~。ちょっと臨場感出したかったわけ。真面目だよね(そこ笑)
そして「ちょうど50字削れた」という添削後の文章は、あっぱれ! みょーさんさすがだ。絶対に添削後の方がいい。
こんな感じに書けるようになりたい!って本気で思った。
⑥ 釣り人さんにはこの世界から消えてもらいましょう、に納得。
直前に「潮岬」を表記しているのだから、確かに釣り人は消えちゃってもいい。そいういう「わかることは省略できる、しよう」は俳句にも通じることだった、と思い出した。
これも、私にとって非常に意味深いご指摘だった。
➆ 文字数を稼ぐ方法
* 手紙の日付 ⇒ 消印
* 5年ほど前 ⇒ 約5年前
* 思い ⇒ 想い
* 「母さんと家族を何よりも大切に」⇒「家庭を優先した」
(「家族想い」は想いが重なるので不向きかと)
どれも、納得!
というか「ここ気づけよ私、俳句少しはやってんだから」と反省。
「雰囲気は変化しますので、最後の手段くらいに思って」にも激しく納得。
⑧ お題についてには、一言。
言いたいことが(笑)
私、妙に真面目なもので「括りがあるほうが楽・括りがきつい方が好きかもな(どM?)」傾向にある。自由~~~♪ だとかえって発想が乏しくなったりも。(だって私、制服好きだから笑)
⑨ タツナミソウから離れる、俳句の『発想を飛ばす』ってやつ。
これ!!! 超難関だ、今の私には。(真面目だし、丁寧だし)
でも、これを提案できるみょーさん、すごい。
だから、魅力的な文章書けるんですよ、みょーさんは。
➉ 最後に、への返答。
「もう一度出来る限り情報を削り、本来書きたかった主人公の心情や父の過去についてという部分が厚くなった状態。
文字数に限界を決めずに「なるべく短くしよう」ってくらいの心意気で、もう一度『完全版』として書いてみてはいかがでしょう。」
このみょーさんのご提案は、お受けしようと思う。
きっとまた悩むと思うけれど、せっかくこれほどの添削をしていただいたのだから、自分のこれからのためにもやりたい。
本文へのコメントに、つる・るるるさんが「お母さんも薄々事情を察していそうなところ」と書かれたことが、私のなかで膨らんでいる。
そう、母さんはどうなの? 知らなかったの? 気づいてたの?
父さんは、最後までこの恋文を持っていて、それって間接的に家族を裏切っていたの?
恋文の女性ってどんなひと? 父さんにとってどんな存在?
その辺は、読んでくださる方の想像を掻き立てようと、800字の制限はあったものの最初から謎のままにしようとも思っていた。
でも、その辺をもう少し解明したものを書きたいと今は思っている。
⑪ 添削をしていただいて見えたこと。
それは何度も触れているけれど「私のバカ真面目さ」である。
そして、私は今、そのバカ真面目を打ち破る努力をしようと決心した。
この年齢になっての挑戦だ。(これもまたバカ真面目からきてるかな)
みょーさん、新しい世界への扉を開けてくださってありがとう!
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さて、これほどまでの添削をしてくださったみょーさんの代表作3作品を、私も丁寧に読んでみた。
どれも本当に名作ぞろい。
こんな文章を書いてみたい、と心から思った。
みょーさん、今回は本当にありがとうございました!
少しだけ感想を書きました。
慣れ慣れしくてすみません。
オジサン先生がまだもし生きていらしたら、この投稿を読まれたら、きっと「みょー、おまえ”わりことし”に拍車がかかったな」って笑ってくださるのに、って思って目頭が熱くなっちゃったよ。
みょーさん、もう決して三流の詐欺師なんかじゃない!そんなことあり得ない。
そして、みょーさんは、今回の添削で「私に魔法をかけてくださったよ!」
私は、うわっと驚き、思いっきりの笑顔になったよ!
みょーさん、最高だよ!
こんなにイケてる文章と超絶ナイスな落書きを描けるみょーさん、「あなたは、誰ですか?」「何者ですか?」
もし、私が同級生だったら、何が何でも見つけ出したのに!
(年齢きっかり30歳違うけど爆笑)
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タイトル画像:道々に咲いている紫陽花。