コロナを乗り越えるための情報シェア③「たこ梅」様

ホワイト企業への道を進む皆さまにアンケートをご依頼し、このコロナ禍を乗り越えるために行われている様々な工夫をご紹介いただきました。

●会社概要
社名:有限会社たこ梅  https://takoume.jp/
ホワイト企業の受賞歴:学習する組織経営賞(第4回/2017年度)
業種:創業170年以上の日本で一番古い関東煮(おでん)屋で、関東煮(かんとだき/おでん)、たこ甘露煮、酒類を提供する飲食業を営んでいます。大阪で4店舗と通信販売での提供を行っています。
記入者:岡田 哲生氏/委員 米澤晋也

記入日:2020年4月21日

●お困りのこと
・3月は売上が前年の55%(45%ダウン)でした。
・5月7日以降も、当面は売上が前年比50%程度と想定した場合、人件費と家賃の負担が大きく、出血は止められないにしても、相当に減らさないと事業継続が困難だと考えています。
・ビジネスモデルの再構築、転換という考えもありますが、すぐには難しく、それを行うまでの時間的余裕があるかどうかが、当面、生き残るうえでのポイントになってくるでしょう。
・緊急事態宣言が明けても、時短営業を要請されると、実質、これまでの商売形態では売り上げが立たないだろうということです。

●気づいたこと、良かったこと
・通信販売はやっていましたが、正直、ほとんど放ったらかしで、週に2,3件もあれば多い方でした。ですが今回、今できることに取り組んでいこうと、全店舗を休業して通販のみの営業に切り替えました。Facebookでのつながりによって、日々10件前後の注文があります。「つながりって大事なんだなぁ、、、」と、感謝するとともに実感しています。

●工夫したこと(社員さんに対して)
・社員には、状況を正直に開示しています。店ごとにLINEグループを店長さんがつくり、休業中もお互いの状況がシェアできるようにしています。一人だと、しんどかったり、つらいときもありますからね。
「仲間がいるよ!」ってわかるだけでも、お互いちょっとは楽になるんじゃないでしょうか。 

「意思決定の優先順位は、まず社員の命を守ること。次に会社を存続させること」。
感染しても症状が出ない人がいて、そこから感染が広がる危険性があると推測したので、このことを3月の時点で決めていました。だから、4月6日夜の安倍首相の会見の翌日に休業を決めました。優先順位が明確になっているからこその素早い意思決定です。とは言っても、身を削る決断です。
口で言うのは簡単、でも本当にやるのは覚悟がいることです。

※聞き手のコメント:それができたのは、社員の幸せと働きがい、社会への貢献を大切にする企業という思いが偽物ではないからだと痛感しました。

●工夫したこと(取引先や顧客に対して)
住所のわかる既存顧客さんには、ハガキやメルマガで「一緒にがんばっていきましょう!」と声をかけています。おでんの通販をやっているので、「家にこもりがちの今、お店の味を楽しみたい」「家族が毎日家にいてご飯づくりに忙しいお母さんの息抜きに」と、お客様におでんのお取り寄せをお知らせします。
商売を支えてくれるのはお客様であり、お客様との関係性が大切。だから、休業のお知らせのメッセージには、自社の思いや考え方を載せました。「単に、お客さんが来ないからなんて理由だったら、そんなのお店を閉めときゃいいだけ。なぜそう決めたのか?を伝えることが大切」。
例えば「お客様、社員と家族と安心して生きていくために」と。それを伝えることで、信頼と共感が生まれ、ファン予備軍をつくることができると思います。商品、サービスが売れるのは買ってくださるお客様がいるからです。
通販での注文が来るのは、「たこ梅さんを応援したい」という気持ちの表れなのだとありがたく思っています。

●工夫したこと(資金面)
5月に入ったら4月の休業に対する助成金を申請します。

●工夫したこと(その他)
中長期的にはビジネスモデルの転換が必要で、いくつかのアイデアは出ています。例えば、出張おでん屋、グッズ販売などです。
短期的には、なかなか難しい面がありますが、お店からの「持ち帰り」は休業が終わったらやろうかと思っています。今は、通販などでしょうか。

●ホワイト企業大賞の活動へのご要望
お互いにどんな商品やサービスがあって、どういう部分で困っているとか、こんな商品、サービスをコロナ禍で始めたかがわかると、なにかしら、助け合えたり(単に買うだけでなく、紹介できたりとか)するのではないかと思います。そういう活動もやっていただけるとありがたいです。

ホワイト企業大賞企画委員より
コロナ禍の中、様々な企業が困難を乗り越えるために奮闘されています。私たち、ホワイト企業大賞では、ホワイト企業への道を進む仲間の皆さまにアンケートをご依頼し、現在、このコロナ禍を乗り越えるために行われている様々な工夫をご紹介いただきました。少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。また、今回、アンケートにご協力いただきました皆さまには心より御礼を申し上げます。
すべてのアンケート結果はこちらをご覧ください。


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