プラスチックがCO2排出のダークホースである訳

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以前の記事で、気温上昇を1.5℃に抑えるためのcarbon budgetの話をして、実は許容されるCO2の排出量はあまり残っていないことを説明した。

CO2排出に関わる要因として、最も大きいのはエネルギー部門だが、産業部門もその次に位置する。

産業部門の中でも、実はプラスチックがCO2排出のダークホースであることを、この記事で紹介したい。プラスチックと言えば、海洋プラスチックなどの問題に目が行きがちで、CO2のことはあまり考えられていない? ような気がするので取り上げてみた。

元ソースはCIEL(国際環境法センター)の約100ページに上る詳細なレポート(Plastic and Climate : The Hidden Costs of a Plastic Planet)より。

プラスチックは国の発展とともに消費量が増える。今後は、東南アジア、アフリカなどが著しい伸びを示すので、使用量増加が予測されている(Fig6)。2022年現状 3.5億トン程度の消費が、2050年には7.5億トン、2100年には13億トン程度の消費と予測されており、実は倍以上に増えていくペースなのだ。

また、おおよそ、プラスチック1kgを作って消費する際、CO2がざっくり約2kg出るらしいので、それで計算すると、現状1年約7億トンの排出量だ。1.5℃上昇のCarbon budgetが4200-5700億トンなので、全然まだじゃんと思うかもしれないが、30年後で計算すると、累積210億トン、プラスチックの消費の伸びとか考えると、累積300-400億トンぐらいとなり、プラスチックだけで、Carbon budget1割使っちゃう っという話になるわけだ。実は馬鹿にならない量なのだ。

このレポートの結論としては、「プラスチック使用をソッコー減らせ!!」 っていうメッセージだが、それってできたら苦労しないよねーという話。他にも、いろんな解決策が示されている。バイオプラスチックやリサイクルもその1つ。現状、ほんとに効果があるの? っていうところが示されておらず、このレポートでも False Solutionとされているが、ポテンシャルは高く、技術発展が著しい。また、今後、noteにも最新動向などを記載していきたい。

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