プラスチックを食べる微生物と分解酵素の世界①

解説動画はこちら

PETを食べる微生物が見つかったのは、大阪の堺のリサイクル施設。その微生物はその地にちなんで、イデオネラ・サカイエンシスと名付けられた。

2016年にScienceの記事となって、有名になった。

https://www.science.org/doi/10.1126/science.aad6359

しかもこの菌は、バイオプラであるPHBも作るとのこと。PETを食べて、別の生分解性プラスチックを作るとのことで、素晴らしいリサイクル方法だ。

こういったPETを食べる菌は、我々でいう唾液や胃液のように、分解酵素を有している。微生物だけに食べさせるなら、時間がかかるが、この分解酵素を大量に作って、大量のPETを分解させる こういうことができれば画期的じゃね?ってなことで、これらの酵素が研究されている。

しかし、そもそもなんで、微生物がプラスチックを食べれるのか?その動機は何か?

もともと、植物にかかる病原体が葉の中に侵入しようとしたとき、葉の防御壁であるクチクラ層を溶かす必要がある。それを溶かすのがクチナーゼだ。そのクチクラ層の化学構造と、PETの化学構造が似ているので、PETも分解できるというわけだ。

じゃあ、これで、PETボトルも分解されて、問題ないよねー?

とは、いかないようだ(続きは次回)。





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