国の補正予算について(1)

11月29日に国が令和6年度補正予算案を閣議決定しました。石破首相が衆院選で「昨年度を上回る補正予算を成立させたい」と訴えて、令和5年度補正予算の13兆1992億円を上回り、一般会計の歳出総額の補正による増は13兆9433億円としています。ちなみに、令和6年度当初予算では、112兆5717億円。
毎年度、秋から冬にかけて報道されているように思いますが、いつも釈然としないので少し思うところを整理したいと思います。

補正予算とは

そもそも国の補正予算とは何なのでしょうか。以下のように財政法で規定されています。要するに、「法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補う」というのも当初予算に対する不足でしょうから、当初予算作成「後」に生じた事由に基づき特に必要な場合に作成するものとされています。

第二十九条 内閣は、次に掲げる場合に限り、予算作成の手続に準じ、補正予算を作成し、これを国会に提出することができる。
一 法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となつた経費の支出(当該年度において国庫内の移換えにとどまるものを含む。)又は債務の負担を行なうため必要な予算の追加を行なう場合
二 予算作成後に生じた事由に基づいて、予算に追加以外の変更を加える場合

財政法(昭和二十二年法律第三十四号)

それでは、今回の補正予算を作成する事由は何かという経済対策のようです。

 政府としては、この経済対策をできるだけ早くお届けできるよう、速やかに補正予算を国会に提出いたします。そして、国会での御審議をいただき、早期の成立を目指します。

第二百十六回国会における石破内閣総理大臣所信表明演説

では、その経済対策は何かというと、以下のページに「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策~全ての世代の現在・将来の賃金・所得を増やす~」(令和6年11月22日)が掲載されています。

大きく3点を経済の現状・課題とした上で、

  • 600兆円の名目GDP、33年ぶりの高水準の賃上げが実現するなど、成長と分配の好循環は、動き始めている。

  • 国民一人一人が、こうした前向きな動きを賃金・所得の増加という形で実感できるよう、更に政策を前進させる必要。

  • 賃金上昇が物価上昇を安定的に上回る経済の実現、「賃上げと投資が牽引する成長型経済」への移行を確実なものとする。

3つの柱で整理されています。

第1の柱:日本経済・地方経済の成長
 ~全ての世代の現在・将来の賃金・所得を増やす~
第2の柱:物価高の克服
 ~誰一人取り残されない成長型経済への移行に道筋をつける~
第3の柱:国民の安心・安全の確保
 ~成長型経済への移行の礎を築く~

これらは、昨年も言われていたことのように思いますが、今年度に入ってから生じた事由なんでしょうか。

上記内閣府のページを見ると、今年度の経済対策の下に、昨年度以前の経済対策が掲載されています。昨年度は5つの柱でまとめていたようです。

第1の柱:物価高から国民生活を守る
第2の柱:地方・中堅・中小企業を含めた持続的賃上げ、所得向上と地方
の成長を実現する
第3の柱:成長力の強化・高度化に資する国内投資を促進する
第4の柱:人口減少を乗り越え、変化を力にする社会変革を起動・推進す

第5の柱:国土強靱化、防災・減災など国民の安全・安心を確保する

・・・ほとんど一緒では。。。

事実の確認で、時間がかかってしまいましたが、この辺りで、一旦小休止させてください。(続きはいつ書けるのやら。)

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