夢と夢

階段で中学生の男の子が怒られていた 
将来歌手になりたいらしい

向かえに立っている男の人は先生だろう

先生の怒る意味もわかる 先生として その子を進学させたいし 歌手で食べていくなんてほんのわずかな人だけだから

盗み聞きをするつもりは無かった

ただ 真剣な目な男の子を助けたかった
大きい声の大人のせいで 自分の夢を殺す姿を見ていられなかった

飛び出した

「私は安定が偉いと思わない」

先生もカッとなってしまったのだろう

「歌手になったってどうせいいものは作れないんだから」

その瞬間 男の子が涙を浮かべながら声を荒らげた

「歌手だっていいものを作れる」


私は 嬉しかった

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