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札幌から小樽まで37キロ徒歩の旅をしてみた

前々からやってみたいことが一つあって、それが、僕が住んでいる札幌から小樽までを徒歩で横断することです。

元々、散歩するのが好きで、特に、今まで歩いたことがない場所を歩くのが大好き。

ある時、ふと、今まで歩いたことがない長距離の道のりを歩いてみたくなり、どこに行こうか考えてたどり着いた行き先が「小樽」です。

正確には小樽市ではなく小樽駅まで。

北海道民以外でも、海沿いに面している小樽は、新鮮な海鮮が食べられる有名な観光地として知られていますが、そこへ札幌から徒歩で行ってみようと考えたわけです。

ちなみに、JRなら札幌駅から小樽駅までは50分くらいであっという間に行くことができます。

グーグルマップで僕の家がある札幌から小樽駅までの距離を調べてみたら、距離37キロで、徒歩で8時間33分かかるとのこと。

途中、休憩をはさんだとしても10時間もあれば到着できそうなので、早朝から出発すれば夕方前には小樽駅に着く予定と、目的地としてはちょうどいい感じで、長距離徒歩の旅にはふさわしそうな小樽駅に決定。

小樽駅までは徒歩で行き、帰りは電車で帰ってくる算段。

行く日取りはとくに決めないで、良さそな日があったら行こうと考えていたんですが、先週、気温も高すぎず、うっすら曇り空で日差しもきつくなさそうな、長距離徒歩の旅に最適な日があったので、早朝の6時に決行しようと準備に取り掛かり、妻に小樽駅まで歩いてくることを告げて、リュックを背負い、6時半に家を出発しました。

いよいよ札幌から小樽駅まで徒歩の旅(37キロ)の始まりです。

歩き始めて15分くらいで札幌駅に到着。

札幌駅にはこれから仕事へ向かうであろう人がいましたが、みんなは僕がこれから徒歩で小樽駅まで行こうとしている人とは、絶対に思わないだろうなぁと考えつつ、札幌駅を通り過ぎ北上。

札幌駅から30分もしないくらいで、札幌競馬場の前を横切りましたが、何気に札幌に住んで20年以上経っているけど、札幌競馬場に来たのは初めてかもと思いつつ、競馬場を通り過ぎる。

札幌駅からはずっと電車が走っている線路の高架沿いを歩いていて、しばらくはビルやマンションや、住宅や工場なんかが多いエリアが続きます。

3時間くらい歩いたあたりにある手稲駅というところを過ぎたくらいから、原っぱなどの緑が少しずつ増え始め、自然が好きな僕は一層楽しく歩ける状況になっていきます。

途中、住宅の庭から歩道へヒメリンゴの木が飛び出していて、まだ青い実が沢山実っているのを見て、そいういえば僕が子供の頃、実家の庭に小さいヒメリンゴの木があって、毎年その実が赤くなっては、酸っぱい実をよく食べてたなぁ、と幼少期の思い出がよみがえります。

歩いている道中は薄曇り空で日差しも強くなく、気温も20~24度くらいと過ごしやすいとはいえ、じんわりと汗は書くため、1時間くらいごとにコンビニによっては水を買い、しっかり水分補給をしながら歩いていました。

汗と一緒に塩分も流れ出るので、塩分補給も必要だなと、普段水しか飲まない僕ですが、塩入の水「うめソルティ」を飲んだところ、体も塩分を欲していたのか、体全体に染みわたる感じで本当に美味しかった。

歩き旅にうめソルティは最高。

電車が横切り、小樽駅からの帰りは使わせていただきますと思いつつ眺める。

なんかカッコいい名前の橋を発見。

名前の雰囲気的にアイヌ語かな?と調べてみたら、アイヌ語で「イトウ魚のいる処」ということらしい。

出発してから4時間くらいで、小樽市の看板を発見。

小樽市に入ったとはいえ、小樽は広いので、ここから小樽駅までは徒歩5時間くらい距離があり、まだまだ遠い。

小樽市に入ってからはあたりは山が多く自然豊かになるので、自然と生き物が大好きな僕としてはますますテンションも上がり、足腰に多少の疲れはあるもののすこぶる順調で楽しい徒歩の旅。

こういったすぐ横が木々だったりすると、外気温がグッと下がり、そのエリアだけ涼しくなります。

地球温暖化が加速していますが、自然減少もその要因の一つであることが肌で感じとれます。

目の前の歩道に小さいクワガタを発見。

おそらくスジクワガタのメスかなと思いつつ、こんな歩道のど真ん中にいたら、人がほとんど歩いていないとはいえ、万が一踏まれる可能性もあるので、近くの木に移動させておきました。

歩道沿いに、すすきなんかもあり、夏の終わりを感じます。

ここまで水分補給だけで食事をしておらず、少しお腹がすいてきたところ、食事ができる小さい店などが何店舗か固まっている、ちょっとした観光スポット的な場所?があり、面白そうなので立ち寄り、そこにあった大福屋さんで、クルミ餅と、食べたことがない珍しいお赤飯大福を買ってベンチで食事休憩。

本州ではお赤飯は小豆が一般的ですが、北海道では大きい甘納豆が入っているのが一般的で、タップリと甘納豆が入っていたお赤飯大福はおいしかったです。

別のお店の前には、大きいスイカが訳ありスイカとして1個500円で売られていた。

スイカ好きな僕としては、買いたい気持ちはあるものの、さすがに徒歩の旅では、こんな重そうなスイカをリュックに入れて旅を続けるなんてことは到底無理なので、泣く泣く断念。

お腹も満たされて、意気揚々と小樽駅を目指し再度歩き続けます。

(この辺りからある出来事がおき、旅の写真を撮る余裕がなく文字だけになります)

当初は、ここから少し遠回りにはなりますが、銭函駅(ぜにばこえき)という、海沿いにある駅に寄り道をして、海を見ながら食事ができるお店に立ち寄る予定でしたが、お腹も満たされたので、駅には向かわず、最短の山沿いのルートを歩き続けることに。

次の朝里町(あさりちょう)という町を目指し歩き続けていたんですが、銭函から朝里町まで、この旅一番の難所があり、それは建物や民家がほぼないような山道を2時間近く歩かなければいけません。

とはいえ、僕は自然も昆虫も大好きなので、一般的な徒歩としては難所ではあるものの、僕的には一番楽しみにしていた箇所でもあります。

もちろんその間はコンビニもないので、山道に入る手前のコンビニで、トイレや飲み物の補充など、山越えの準備は必要。

そのコンビニを目指し歩いていたんですが、この辺から少しだけ左膝に痛みがあることに気が付きます。

まぁ、歩くのに支障が出るほどの痛みではなかったし、特に気にせず歩いていましたが、これがのちに大変なことになるとは、この時は思いもしません。

1時間くらい歩き続け、目的のコンビニが見え、手前の横断歩道が青から赤に変わりそうだったため、慌てて小走りで渡ろうとしたところ、ここでこの旅を左右することとなる事件が。

走り出した瞬間、左膝に激痛が走ったんです。

痛みにびっくりしつつ、とりあえず横断歩道を渡り、痛みに耐えながらもコンビニに入り、トイレ休憩と飲み物を買い、外に出て座りながら膝のマッサージなどをして休憩をしていました。

座っている状態で膝を押したり曲げたりしても特に痛みはないので、大丈夫かな?と少し歩き出すと、やっぱり左膝に激しい痛みが出て、歩き続けるのがかなりきつい状態に。

それまでは、ふくらはぎやお尻周りの筋肉に疲労が出ていたとはいえ、目的地の小樽駅までは歩くことができるくらいの疲労で、これらの疲労は出発前には想定していましたが、膝が痛み出すのは想定外。

距離的に残り3分の1(ゴールの小樽駅まで徒歩3時間くらい)までは来ていたので、とりあえず左足に負担をかけないように、右足でかばいながら歩きだしてみたものの、10分も歩くと痛みに耐えかねてしゃがんでは休むことを繰り返す状態で、進むスピードが激減しました。

さらには、本格的に山道へ突入する場所まで来ていたので、この膝の状態で山越えができるのか?もし、途中で歩けなくなったらどうしよう?など、かなり恐怖が襲ってきてどうするか相当悩みました。

中断するにしても、一番近い駅までは通り過ぎた銭函駅でも1時間はかかる距離で、かといって山道を抜けて朝里駅まで頑張るにしても2時間はかかってしまう。

タクシーを呼ぼうかとも、あらゆることを考えつつ、頭の整理ができないままで歩き続きていたら、ちょうど屋根付きのバス停があったので、ベンチに座って足のマッサージをしながら今後について考えていたところ、ふと外に目をやると小雨が降っていることに気が付きました。

「えっ!?」とびっくりし、天気アプリで雨雲レーダーを調べると、1時間後くらいから小樽全域に本格的な雨が降る予報になっています。

もちろん、小樽の天気については出発前に調べていましたが、その時は雨予報なんてありません。

傘も持ってきていないし、この膝の状態では1時間で山越えなんて到底無理で、さすがにここで心が折れて、今回の札幌から小樽駅まで徒歩の旅を断念する決断をしました。

悔しいけど仕方がありません。

とはいえ、ここからどうやって家まで帰ろうかと思いましたが、幸いここはバス停なので、バスを使って帰ることに決めました。

利用者も少ないせいか、バスの時刻表を見たら2時間に一本しか通っていない状態で、結構待つことになるなと現在時刻から次のバスの到着時刻を確認すると、まさかの5分後に小樽駅行きのバスが到着予定。

これも「無理をするな」とお導きなのかなぁと思いつつ、5分後に到着した誰も乗っていないバスに乗り込み、順調だったら歩いていたであろう道を空しく眺めつつ、次の朝里町で降り、そこから痛い左膝をかばいながらなんとか朝里駅へ向かい、JRを乗り継ぎ無事に家まで帰宅することができました。

家に着いたときは、心の中でなんとか帰ってこれた安ど感と、旅が未達成で終了した悔しさで複雑な気持ちでした。

他人から見たら今回の旅は、途中で断念する結果となり、膝も痛め(旅から2週間以上経っても完全に治っていない)、やらないほうがよかったんじゃない?と思われるかもしれない。

それでも僕は旅をしたことに後悔しているかといえば、まったく逆で本当にやってよかったです。

道中は色んな景色を見たり、知らないお店の発見だったり、生き物との触れ合いなど、本当に楽しい経験をすることができた。

なにより、自分がやってみたいと思ったことをやってみることこそ、充実した人生が送れるというものではないでしょうか?

結果がどうとか、人からどう言われるとか関係ありません。

自分が気持ちいいと思うことをやる。ただそれだけです。

それに、絶対にまたリベンジしてやろう!という目標ができたのも大きいですね。

というか、一度断念したからこそ、いつか「徒歩での札幌から小樽の旅」が達成したときは、今回の悔しさもプラスされ、うれしさ倍増間違いなしです。

早く膝が完全に治ってリベンジしたいなぁ!できれば年内にはやりたいですね!

リベンジしたときは、またnoteで報告します。

何歳になっても挑戦は面白い。


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