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マジシャンの収入源、いろいろ。TVにいっさい出てないマジシャンって生きていけるの?

このマガジンを始めた理由はこちら(初回記事) ↓ 

前回の記事では『独立の一歩を踏み出すことで手に入るスゴい力/独立できる人とできない人の決定的な差』というテーマで書きました。

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前回まではマジシャンというより、独立して起業またはフリーランスでやっていくための大前提の話になっていましたが、今回はマジシャンという職業に限定した内容で書いてみました。

*この記事は数年前にコロナ前の世界を前提に書いたものなので、現在は少し様子が変わっています。

SNSを通して映像でプロモーションをして集まってきたファンの方を対象にワークショップやレクチャー、オンラインサロンなどで収益を得る新しいスタイルが目立ってきましたが、それ以外は変わらずといったところではないでしょうか?

下記のいずれの種類の仕事もコロナ前の世界に比べると社会からの需要は減っており、プロマジシャンとして生きていくことは厳しくなっているかと思います。


よく聞かれる質問


友人知人に始まり、顧客の皆様からもよくいただく質問に、

「TVに出ていないマジシャンって、生きていけるの?」

「マジシャンの収入源って、どんな種類があるの?」

というものがあります。

たしかに、日本においてはまだまだマジシャンはテレビで見るものという印象が強いのかもしれません。

TVに出ていないマジシャンって、生きていけるの?

まず最初の質問への答えですが、

「日本で活動しているプロマジシャンの中でテレビで日々見かける人というのは、ほんの一握りだけです。当然、ほとんどのプロマジシャンはTVに出なくてもちゃんと生活しています。」

逆にこちらから質問をさせていただきますね。

「テレビでよく見るマジシャンの名前を、できるだけたくさんあげてみてください。何人くらい名前が出てきましたか?」

10名あげられたら相当なもので、よほどマジック好きな方以外は3人くらいしか思い浮かばなかったのではないでしょうか?

基本的に、テレビに出ていないマジシャンのほうが圧倒的大多数なんです。

出たくても出られないマジシャンもたくさんいれば、あえてテレビに出たいと思っていないマジシャンもたくさんいます。

そして、もちろんテレビに出ないマジシャンたちも、人それぞれ差はありますが、ちゃんとマジックを通して収入を得て生活をしているわけです。

「え?ちょっと待って。テレビに出たくないマジシャンなんているの??」

そう思った方も多いかもしれませんが、それなりにいるんです。

その理由に関してはそれだけで長文になってしまいますので、別の機会に譲ることにしますね。


マジシャンの収入源いろいろ


さて、二つ目の質問、マジシャンの収入源に関してですが、これはみなさんが想像する以上に幅広い選択肢があります。

1:まず、みなさんが一番思いつくテレビへの出演料。

これはごく一部の方しか出演していないため、実はマジシャン全般にとってはかなりレアな収入源だったりします。

ちなみに特番を組まれるレベル=つまりその人が出ること自体が視聴率に直結するレベル と、バラエティ番組の1コーナーを埋めるためにちょろっと出るのでは出演料に雲泥の差があります。

簡単にいうと、前者はその人でなければいけない形での出演。つまり、

「あなたに出演していただきたいです!」

というオファーのされ方。

後者は、オブラートに包まず書いてしまうと、その人でなくてもあまり問題ない枠。つまり番組側としては

ギャラ安いけど出たら宣伝になるから、どう?
君がNOだったら他にいくらでも選択肢があるから別にいいんだけど。

というかたちでのオファー。もちろんバラエティ番組でもレギュラー出演の場合には、個性を見込まれての出演になりますので多少条件は変わってきます。

2:今はもしかしたら一番多いかも?マジックバーへの出演。

まだまだ都会がメインですが、マジックバーというものが前田知洋さんのブーム以降徐々にに増えてきました。

あくまでもぼくの認識ですが、今現在都会に住むマジシャンの収入源としては一番多いのではないでしょうか?(金額ではなく件数として)
(注)コロナ禍以降は多くのマジックバーが閉店に追い込まれ、マジックバーでの活躍の機会は昔に比べると減っていると聞きます。

マジシャンというのは、基本的に何もしなければ収入がありません。

ただ、マジックバーにレギューラ出演、もしくは不定期でもちょこちょこ出演することができると、そこそこ先の収入の見通しがたちます。

そのせいか、若いマジシャンたちは最初の目標としてどこかのマジックバーに出演できるようになることを目指すケースも多いようです。

曜日ごとに違うマジシャンが出演する形式もあれば、一人で経営してご本人だけがショーを行うスタイルまで様々です。

夜の仕事なのでチップもそこそこ出ることがあります。

3:企業からの依頼でパーティやイベントに出演。

いわゆる「営業」というやつです。お笑い芸人さんが「昨日地方営業でだだスベりしちゃってマジでまいったよ。。。」なんていう使い方をしているのを聞いたことがあるのではないでしょうか?

そういった芸人さんたちの「営業」と同じ位置付けにある仕事の形態です。

地方の温泉旅館の座敷で披露して2万円というような仕事から、企業主催のイベントで一般の方々にショーを行うようなもの、5つ星ホテルの大宴会場で開催されるクローズド(非公開)なパーティで著名人たちを相手に10分披露するだけで数十万〜100万円、披露する内容によっては数百万円というギャラをいただくマジシャンまでいろいろです。

4:夜のお店。つまりクラブ(踊る方ではない)やキャバクラへの出演。

銀座のクラブにはじまり、六本木のキャバクラ、各地の同様の業態のお店への出演。

こういう仕事もあります。

お酒の席、しかもお水な領域ですので、出演料そのものよりもチップによる収入がかなり期待できる仕事です。

ただし、現実的にはマジックの出来に対する報酬というよりも、綺麗どころの女性が揃っている手前、その場の空気そのものに対して礼儀としてチップが支払われている側面もあるので、その点を自分の力量と勘違いしてしまうマジシャンも多いのが諸刃の剣だったりします。この世界で日銭を稼いで自分の実力と勘違いしたまま歳をとると、厳しい現実が待ち受けています。

あ、最初に(踊る方ではない)と書きましたが、実は踊る方のクラブでも仕事はあります。クラブには著名な芸能人やお金をたくさん使ってくれる方だけが入れるVIPエリアというものがあるのですが、そこにいるお客様に披露するのです。

5:実は収入源にしているマジシャンが多い!?ウェディング関連の出演。

これも「営業」の一種といえば一種ですが、もはやひとつのジャンルとして確立されつつあるかもしれません。

ウェディング専門のマジシャンという方もいらっしゃるようです。

不景気の時代とはいえ、やはりおめでたい席ですので、ここぞとばかりに景気良くお金を使ってくださる方も多いシーン。

契約次第でマジシャンが受け取る額は大きく変わります。

個人的に依頼されるケースと、ウェディングプランナーさんやウェディングプロデュースの会社と提携して仕事をもらうケース、あるいはウェディング会場と専属契約を結んでいる方もいます。

どのように契約をするかで、同じ仕事量でも収入が大幅に変わってきます。

6:自主公演による興行収入

依頼されて出演料をいただくケースが多いですが、自主公演を開催し、そのチケット代による収入を得るケースもあります。

自主公演をコンスタントに開催して、黒字にするのは簡単ではないため、全体的は少数派かもしれません。

ちょっとしたイベントとして飲食店とコラボで開催したりするケースはお店からの集客も見込めるため、比較的多くのマジシャンが行なっています。

また、複数のマジシャンの連名でイベントを打ち、リスクを軽減するケースもあります。

いずれにしても、メディアへの露出が多く知名度のある方であれば比較的低リスクで集客が可能ですが、そうでない場合には実力があるか、人脈があるか、両方あるか、そこそこマジシャンとしての資質が問われる方法ではあります。

7:マジック教室やレクチャーでの指導料

カルチャーセンターからの依頼でクラスを持ったり、自分で主催して集客したり、もしくは企業からの依頼で1回限りのスポット教室を開催したり、様々なケースがあります。

また、マジック愛好家や若手マジシャン、向上心の強いプロマジシャン向けに業界内で名のあるプロマジシャンが教える「レクチャー」という形態もありますが、こちらは一般的には一切公開されていないのでマジック愛好家くらいまでしか情報は手に入らないかもしれません。

8:書籍の出版による印税

これは限られた人になってきますが、マジック関連の書籍を出版して印税を手にするマジシャンもいます。

とはいえ狭いジャンルの趣味/実用書籍なので一般的なベストセラーのような莫大な印税が入ることはまずありません。

9:個人指導による報酬

経営者の方から海外営業の方、保険の営業マン、芸能人などへの個人指導をしている方もいます。

マジック全般を教えるケースもあれば、1つだけ完璧に身に付けたいので1年かけて教えて欲しい、そんな要望まで幅広くあったりします。

これも1万円でたんまり教えてしまう方もいれば、10倍、20倍の契約金で取引をしている方まで、クライアント次第&マジシャンのブランディング次第でまちまちです。

10:舞台、CM、TVドラマ、映画などの演出、アドバイザー

舞台やドラマ、CM、映画などでマジシャン役に抜擢されたキャストの方へのマジック指導、演出、アドバイザーといった仕事もあります。

また、マジシャンっぽい立ち居振舞いの指導であったり、なんとなく美しいリップクリームの持ち方の演出。そんな依頼もあったりします。もしくはイベントで芸能人の方や企業の経営者が登場するシーンをマジックで演出することもあります。

11:マジシャンならではのエピソード、ノウハウなどに関する講演、セミナー

一般の方を対象に講演をするケースもあれば、学校に呼ばれて子供たちへの職業紹介の講演を依頼されるケース、企業の研修でマジシャンならではの心理術や対人スキルに関するノウハウをレクチャーするケース、各種イベントでの対談やトークショーへの出演などの仕事もあります。こういった領域に進出しているマジシャンはまだまだ少数派ですが、これから増えていくのではないかと思います。

12:雑誌の企画やネット動画コンテンツへの出演、アイデア提供

雑誌のマジック企画へのアイデア提供や監修、ネット動画でのマジック披露および簡単なマジックの種明かしなどもあります。

13:マジシャン向けに、アイデアやタネ、仕掛けを売る

これも全体からすると少数ですが、アイデアや仕掛けを考案する才能のあるマジシャンは、同業者向けにアイデアや仕掛けを売ることも仕事になります。

そんなに儲からなさそう、、、という声が聞こえてきそうですが、これはあなどれません。

インターネットが普及した現代社会においては、ひとたび大ヒットすれば世界中のマジシャンを相手にビジネスが成立します。

もちろん容易なことではありませんが、世界中のマジシャンが注目するような商品、もしくはレクチャー映像などを作ることができれば大金を手にすることも可能です。

14:その他、細かくみればまだまだ色々な仕事があります。さらに表舞台に一切出ない不思議な仕事もいろいろとあったりします。

いかがでしたか?

思ったよりいろんな仕事があるんだ!?

と思われた方が多いのではないのでしょうか?

もちろん、マジシャンのスキルやキャラクター、ルックス、性格などによりこの中のどこをメインにするかが変わってきます。

自分のキャラクターや思い描くビジョンと現実の仕事がズレてしまうと、ストレスにしかなりませんので、

若いうちにどれだけ理想のマジシャン像を思い描けるか、そこに向かって自分の仕事のスタイルをつくっていけるかが分かれ道になってきます。



次回は、「マジシャンが身につけるべきスキル」について考えてみたいと思います^^



本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました✋✨

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