マジシャンが心得るべき『サーストンの三原則』って?/Vol.2/たぶん他の業界にも応用できる考え方
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前回の記事
前回の記事『マジシャンが心得るべき『サーストンの三原則』って!?【その1】』では、三原則の1番目、『これから起こる現象を、先に説明してはならない』という原則に関して書きました。
第二原則『同じマジックを繰り返し演じてはならない』
今回は2つ目の原則、
について考えてみましょう。
人前でマジックを演じて成功するようになると、必ず言われる言葉があります。
日常生活ではなかなか経験しないようなテンションでみんなから
とおねだりされるのは、悪い気分ではありません。
ちょっとしたヒーローになったような気がしてしまうものです。
思わずみんなの期待に応えるべく、
と言いたくなってしまいますが、絶対にダメ!!
という声が聞こえてきそうですが、
特にレパートリーが少ないうちは問答無用でダメです!
なぜかというと、1回目にあなたのマジックが大成功したとしても、2回目はあなたを取り巻く環境が1回目とは全然違うからです。
いいいえ、違うんです。
印象が決定的に変わってしまう理由
1回目の観客と2回目の観客はあなたの演技を見る視点が全然違うんです。
なぜなら、2回目に見るときはこれから起こる結果(オチ)を知っている上に、あなたが見せるモテジナのシナリオまで全部知っているからです。この点は前回の記事に書いた1つ目の法則をご確認ください。
既に意外性が失われているため、2回目からはどんなにスゴいマジックも、魔法ではなくパズルやクイズと同じで謎解きの姿勢で見られてしまうのです。
といった具合です。
現象を楽しむことから裏側を探る姿勢に変化してしまうと、仮に2回目も見事に成功したとしても、相手の頭に残る印象は変わってしまいます。
1回でやめておけば
という感想だったはずなのに、2回目をやってしまうと
くらいの印象に変わってしまうのです。
せっかくちょっとしたヒーローになりかけたのに、2回目をやってしまうことによってただの「器用な人」になってしまうのです。
上の例では2回目もかろうじて成功した場合です。実際には2回目はタネがバレてしまうリスクが相当高まりますので、初心者の方の場合はほぼ確実に残念な結果に終わってしまうと覚悟しておいてください。
どんなにせがまれてもキッパリと
と言ってしまいましょう。これはその人とまた会う機会をつくることにも繋がります。
また会う機会をつくる
2回目をやらなければ、あなたはまた会って見せてもらう価値があるちょっとしたヒーローのままでいられるのです。
あなたに関心を持ち続けてほしいのなら、1回でやめるというルールを胸に刻んでおいてください。
これは改めて書きますが、プライベートで人脈を広げる時にも当てはまります。やり過ぎてしまうと、次に繋がらないのです。
もちろん、あえて繰り返すことによってもっと不思議になるような演出の本格的なマジックもありますが、そういったものはごく一部の例外だと思ってください。
マジシャンでなくても同じ現象は起きている
マジシャンでない皆さんにはまったく無縁の話のようですが、実はそうでもありません。
似たような心理構造はいたるところに発生しています。一つだけ例をあげておきます。
というケース。
これは恋愛でも、ビジネスでもよくある話ですね。
人は誰でも自分の知らない世界に興味を持つものですが、何度も同じことを体験すると、慣れてしまうのです。
どんなに凄いことでも、慣れてしまえば日常の風景になってしまいます。特別なことは、日常の中に少しあるくらいがちょうど良いのです。少ししかないから、特別なんです。
さて、次回は3つ目の原則『種明かしをしてはならない』について書きたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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