ファフナーでリハビリを。

情熱を保てなくなって久しい。
漫画やアニメ、ライトノベルや小説たち。
たくさんの小さくて無限な世界たち。

昔はむさぼるように本を読んでいたのに。
やがて漫画に移行してアニメにはまって、
あんなに貢ぎまくっていたというのに。

今はスマホで隙間時間に無料漫画を読んだり、
家事をしながら配信アニメを流したり。
活字はリゼロのWEB原作しか追っていない。

たまに一念発起して本を買ってみるけど、
明らかに集中力が落ちている。
漫画すら、ワンピース一冊読むのさえ、
読み切る前に休憩をはさむようになった。

嘆かわしいことだ。

本を読むのに努力が必要なんて、昔の私は考えたこともなかった。
いわんやアニメをや。

なんでだろう、いつからだろう、と思い馳せると、
結婚してからだなぁと考え至る。

夫には出会った頃に「漫画やアニメが好き」と伝えていて、
そういう話で盛り上がってもいたはずなのだが、
どういう訳だか結婚後には、
「漫画やアニメなんかやめろ」と言われるようになった。

人をダメにするものらしい。

その割に自分もアニメを観るし、
青春時代にはまった漫画を私に買わせ、
早く読めと怒ったりもする。

当時の私は混乱したものだが、
赤子を抱えてワンオペ＋義実家の諸々＋夫のメンタルケア等々
けっこう忙しかったので、
自然とあの「創作世界に浸る崇高な時間」から遠のいていった。
時間的にも精神的にも余裕が無かった。

なお、夫からはその後
「趣味は無いの？趣味を作らないと人としてダメだよ」と言われた。
彼の頭の中はたまによく分からない。

とにかく、結婚後に忙しさにかまけて創作世界や活字から離れたせいで
あの素晴らしい世界へスムーズに入れなくなってしまっているようだ。

本を開いた瞬間、オープニングテーマを聴いた瞬間に没入する
あの幸福は、日々の鍛錬によって支えられていたのだ。

さみしい。

今期アニメは蒼穹のファフナーだけ追っている。
一話二話と絶望の渦に叩き落してくれた、期待を裏切らないアニメ。
相変わらず空がきれいで、苦悶が映える。
ファフナーはじっくり観ないとすぐ話が分からなくなるので、
ちゃんと時間をとるようにしている。

これがリハビリになって、
また創作世界へ存分に没入できるようになりますように。