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ROTTENGRAFFTY "It's Alright Tour 2023" 1/6 太陽と虎 ライブレポート
2023年1月6日
神戸三宮、電車が忙しく走る高架下のライブハウスに人集りが出来ていた
太陽と虎、ここは全国のライブハウスの中でも知名度が高い箱の一つであろう
そしてここで育ち鍛えられた特に思い入れの強いバンドが今日新年1発目のライブを敢行しようとしていた
ROTTENGRAFFTY
京都で結成された彼らの第二のホーム、故郷と言っても過言では無いこのライブハウス
当然ファンもそのストーリーを熟知しているので、チケットは瞬く間にsold out
そしてこのライブから一貫して制限してきた声出しを解禁するとの発表があった
メンバースタッフ全員のGOサインが出るまでは、他のアーティスト・盟友のバンドがどうしようと自分達は耐える選択をしていたが、いよいよ踏み切る決断をした
勿論リスクがないわけでも無い、そして来場者が受け入れてくれるのか
それに対応したライブができるのか
様々な想いはあるだろうが、それ以上に会場内はライブスタート前から期待と喜びで充満していた
BGMが一瞬大きくなるとフェードアウト、それに合わせて暗転すると拍手だけで無く声援が聞こえる
もうそれだけで胸が熱くなる
610行進曲に合わせてクラップしながらメンバーを迎えると
「あけましておめでとォォォ‼︎新年1発目‼︎心晴れやかに‼︎」
凶悪かつキャッチーなギターが一気に最高潮へとブチ上げるハレルヤでライブはスタート
ロットンメンバーの気迫もさながらファンも流石の対応力
「良し」の合図が出たならば躊躇わずソレソレソレとレスポンスを返す
これだこれ、これぞライブだと多幸感に包まれる
更に秋桜、相殺微量サイレンスとニューアルバムの収録曲を連投
先程までの寒さはどこへ行ったのか
僅か15分足らずで汗が流れるほどヒートアップしていた
「久しぶりのこの感じ‼︎最高っすね‼︎ 休まさんぞ‼︎長らく耐え忍んだ分、熟成された声を、今日は存分に聴かせてくれやァァァァ‼︎」
短いMCのすぐ後はバンザーイ!と両手を高らかに上げさせ激しいクラップから怒涛の展開を魅せる永遠と影で追撃
かと思えば本当に休む間もなくサビで曲のタイトルをシンガロングする夕映え雨アガレでまだまだ加速
「聞くまでもないがお前ら‼︎ライブハウスは好きかァァァァ⁉︎さぁ‼︎もう遠慮はいらん‼︎溜まりに溜まったモンを声で返してくれェェェ‼︎」
響く都では今まで拍手で代用していたコール&レスポンスが遂に声を出して復活した
夕映え雨アガレもそうだが今まで発狂気味に行っていた行為が今日は全て涙を誘う
普段は攻撃的かつ挑発的なライブをするロットンだが今日は笑顔を抑えれずなんともピースフルなシーンが多い
やはりファンに協力をお願いしていた彼ら自身が1番望んでいた空間なのだろう
「半年前からずっと言うてる、この漢がいなかったらロットンどうなってたか分からへん‼︎スーパースペシャルサポートアナーキーストギタリスト‼︎」
昨年6月10日からロットンのサポートギタリストと言う超重圧を伴う使命を全うし続けているMASAHIKOの紹介に今日1番の声援が
「お前らめっちゃ声出すやんw」と思わずメンバーが笑う程のボリュームに当人は照れくさそうにしていた
賛否両論あったかもしれないが、ファンに受け入れられ愛されている証拠だ
「え〜…………我々、昨年フルアルバムをリリースしまして…………買った人ォォォォォォ⁉︎🙌 オイ⁉︎💢手ぇ上げてへん奴‼︎💢www PCぶっ壊すぞ‼︎💢www こんな便利な時代だからこそ、アナログでこだわって創りましたんで是非買って下さい! そのアルバムの中から1曲」
アルバム収録曲からハロー、ハロー
数あるロットンの曲の中でもある意味かなり攻めた、穏やかで心地よいロックバラードだ
耳に残るメロディーに寄り添うように歌うボーカルの2人
ロットンの新境地を感じるような1曲だ
そこからロットンのライブには外せない定番曲のD.A.N.C.E.
流石にモッシュまでとはいかないが、多少ぶつかるくらいなんのその
お約束の全員座ってからのジャンプ、そして踊りながら各々の位置へ前へ詰めながら戻る様は懐かしさすら感じる
「殺す気でかかって来い‼︎」と気合を入れ直してのTHIS WORLDは300人近くの人間が一つの塊となってヘッドバンキング
さぞかしステージから見る景色は壮観だっただろう
誰も躊躇せずに頭を振り、拳を上げ、声出し………と言うかジャンル的には最早叫んでるのだ
「最高だなァァァァ‼︎ありがとう!最後までよろしくお願いします!」
再びMCへ
各メンバーが正月休みを語る
と言っても年末にもフェスへ出演していたメンバーにとってはライブも僅か1週間ぶり
さほど正月気分でもなかったらしいが笑
「新潟(地元)で蟹を食べていました………以上ですw」
おもんな!と辛辣なリアクションを飛ばされてしまうHIROSHI
「10-FEETナオキと他数人で新年会してました、1年前の肉ですき焼きを………」
いやそれ大丈夫なん⁉︎とやや引かれていた侑威地
「冷凍してたから大丈夫w 多分w」
「毎年恒例のボーリング大会やりましたね、えぇ………待ってやばい俺もおもんなwww」
「1回も誘われたことないねんけど?w」
「いや‼︎w なんでわざわざ正月休みまでメンバー誘うねんw どうせすぐ会うやろが‼︎w」
トーク力でおもんなくはならなかったN∀OKI
「もうこれで2度と誰とも口ききませんw母親ともw」とあまりに過酷な謎縛りからMASAHIKO
「地元の3つ上の輩な先輩拉致されて新年会しましたね………」
「あーおるよな、地元のローカルヤンキーみたいなやつな」
「その先輩にアレこれ連れ回s
「いやそれNOBUYAやろ‼︎www」
「俺、なんか怒られてたらしいwww ヘッドロックされてたってwww」
「朝起きたら記憶飛んでて………これは何かあったぞってスマホ見たら………夜中3時くらいに10-FEETのTAKUMAにLINEで通話7.8分くらい通話した形跡があってw ごめんなって連絡したら………『いや、嬉しかったよ、熱かったで』って返ってきてw これいい方の熱かったならええけどいらん事喋ってたらどないしようってw 今は彼からの連絡が怖いですwww」
そのまま1番笑いを取ったNOBUYA
そんな和気藹々としたMCを挟んで本日初演奏となったニューアルバムからIt's Alright
そのままベストアルバム人気投票TOP5入りを果たした名曲Familiarizeへ
新旧の心揺さぶる楽曲に目頭が熱くなっていると不穏なイントロに歓声が上がる
「神戸!踊れー!」
銀色スターリーでラストスパートと言わんばかりの熱狂が充満するとライブはいよいよクライマックスへ
「もう説明いらんな⁉︎待ち望んだお前たちの声‼︎聴かせてくれぇ」
あの歌を遂に会場にいる全員で歌う
今まで「耐えよう」と発信し続けていたNOBUYAがハッキリ「任せた!」とマイクをこちらに向けるものだから気を抜いたら歌うどころか嗚咽に変わりそうだった
「やる事は変わらん‼︎シンプルに輝き狂え‼︎」
やはりこの日最高の一体感を産み出すは金色グラフティーだった
歌い、飛び跳ね、拳を突き上げる事ができる
たったそれだけでここ数年とは比較にならないほどの輝きを感じた
まだダイブやモッシュは完全に解禁とはなっていないが、もうそれが解禁される未来も本当にすぐそこまで来ていると実感してしまうような
大きな大きな進歩を感じた
正に今日1日のライブを象徴するようなニューアルバム収録曲、さらけだせばで本編をバシッと締めると大歓声(もちろんルール内での)と拍手で見送られた
そしてもちろんこれで大人しく帰るファンな訳がない
すぐさま拍手や歓声はロットンへのアンコールに変わった
ロットン!グラフティー!と言った呼びかけも数年ぶりに復活
今までルールをしっかり守って来た人間達が、GOの合図でここまで世界を元通りにできるのだからついつい感心してしまう
アンコールに応えて再びステージに登場したメンバー達は
「ツアーもうちょい続くねんけど、あー、今日エッグブレインが観に来てくれてて、えー、彼らが出てくれるライブだけチケット余ってます‼︎w チケット売れないのはアイツらのせいちゃうか⁉︎w」
と愛のあるイジリを交えた宣伝を挟む
「岡山なんかチャリで行けるからw あと3月、Zeppツアーもやるんでそちらもよろしゅう頼んます‼︎」
アンコールはお年玉だと3曲から1番リアクションの大きかった曲をやると懐かしの名曲(暴イズDE∀D・DESTROCKER'S REVOLUTION!!!!!・毒学PO.P革新犯)を提案
やるつもりのない悪巧みを選択肢に入れてファンやメンバーをかく乱しながらアンケートを取るとNOBUYAがメンバーに1人ずつ何やら耳打ち
「それじゃあアンコール‼︎懐かしの‼︎」
選ばれたのはDESTROCKER'S REVOLUTION!!!!!
ズンズンと内臓を揺らす轟音とクセになる掛け合いでまた会場内の温度が上昇すると
「毒を以て毒を制する‼︎」と毒学PO.P革新犯 へ
おそらく先程予定を変更して昨年演奏回数の少なかった2曲をどちらもやる事にしたのだろう
所謂ロットングラフティー表記の時代の楽曲が立て続けに演奏されるのはファンにとってこれ以上ない最高のお年玉だ
シンプルに「やばい!」「嬉しい!」みたいなリアクションも声を出して表現できるのも本当に久しぶり
コーラスはもちろんフロアに一任
懐かしい曲でも一体感が凄まじい
「これが正真正銘最後‼︎俺たちの始まりの歌‼︎」
アンコールラストもロットングラフティー表記時代からの名曲、切り札
ブルースハーブの音色に載せてこの数年間耐え忍んで来た日々がフラッシュバックして涙が流れた
一瞬で全てを取り上げられ
規制下のステージとフロアの温度差に悩み
KAZUOMIの戦線離脱と言う史上最大の危機に直面し
それでも、今日まで生き残りようやく取り戻した世界がここに在った
「声出し解禁、最初がお前達で良かった‼︎」
そうNOBUYAが叫ぶほど最高の2023年1発目、そして悲願の声出し解禁ライブ
誰一人傷付かず、メンバーもファンも今日この日に求めていた満場一致のやり取りを終始行っていたように思える
そこにお互いの信頼度と絆を強く感じたライブとなった
2023年
古都の溝鼠達は更に輝きを増し
どこまでも走り咲く
00.610行進曲(SE)
01.ハレルヤ
02.秋桜
03.相殺微量サイレンス
04.永遠と影
05.夕映え雨アガレ
06.響く都
07.ハロー、ハロー
08.D.A.N.C.E.
09.THIS WORLD
10.It's Alright
11.Familiarize
12.銀色スターリー
13.金色グラフティー
14.さらけだせば
en1.DESTROCKER'S REVOLUTION!!!!!
en2.毒学PO.P革新犯
en3.切り札