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頭蓋骨
ーりすの独り言
別の歯医者に通っている奥さん。先日、治療の一環でレントゲン撮影したそうだ。その写真を嬉しそうに見せてくれた。頭蓋骨の下半分が写っている。上顎と下顎にフォーカスされ、歯の根っこまでよく分かる。この画像を基に、どの部分をどう治療するかについて歯科医師から説明を受けたらしい。「分かりやすかった」と奥さん。安心して今後の治療に臨めるという。
レントゲン写真
奥さんが見せてくれたのは、レントゲン写真をさらにスマートフォンで撮った画像だ。鼻腔の部分に穴が2つポッカリ空いて、どうにも間抜けだ。人差し指と中指で"指ズボ"したくなる。その場面を想像し、クスッとなる。
同時に普段、目に見えない部分を見て、不思議な気持ちになる。頭蓋骨だけ見て、これが奥さんとは到底思えない。だが目の前で減らず口を叩いている奥さんの頭の中には、これが紛れもなく存在している。
頭では分かっていても、心が追い付かない。「考えるな、感じろ」ー。映画『燃えよドラゴン』で主演のブルース・リーが言った台詞をふと思い出した。それを実践。頭蓋骨を透視するかのように奥さんをジッと見る。
事の顛末。不審がられただけで、何の解決にもつながらなかった。
(写真:レントゲン写真を見ながら今後の治療について説明する奥さん=フリー素材などを基にりす作成)
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