生食ホワイトデー
ーチョコのお礼に刺身盛り
「えっ、自分向けにはなし!?」ー。驚いて奥さんに尋ねた。ないよと、さも当然そうに首肯する奥さん。3月14日のホワイトデー。バレンタインデー(2月14日)に身内からもらったチョコレートのお返しを、奥さんに買ってきてもらえるよう頼んだところ、実家の母親向けには買ったものの、自分向けには買っていないという。聞いてパニクる。
不運の連続
チョコをくれた当人、つまり奥さんに自分へのお返しを買ってきてと頼むというのは確かに失礼な話だ。ただ、勝手な言い分かもしれないが、どうせ母の分を買ったのであれば、ついでに自分の分を買ってくれば良いのに。そうも思う。その方が好きなスイーツを買えるメリットもある。
「気に入ったスイーツをどれでも買って良いから」と頼んだ。スイーツに一家言ある奥さんだ。一体どんなものを買ってくるんだろうと勝手に期待していたところもある。だから、この日の晩、頼み事の顛末を聞いて肩透かしを喰らった気分。期待は裏切られるためにある。うん、これ真理。
このままもらいっぱなしというやり方もあったが、たとえ身内でもそれは厚かましくて気が引ける。休日に外出予定を拵え、そこで奥さんにランチをご馳走しようと企んだ。そして、いざ外出当日。目を付けていた天ぷら屋、台湾料理屋はともにお休み。何てこった、とんだ不運の連続だ。
猛反発の可能性
やむなく、以前、奥さんと一緒に行った評判の定食屋で、ブリ、マグロ、ホタテの刺身3種が楽しめる定食を食べる。残念なことに、ブリはもはや旬が過ぎているが、それでも脂が乗ったやや厚めの刺身は美味い。食後、満足そうな奥さんの表情に、どうにかひと安心。チョコのお返しに刺身。生食ホワイトデー。場合によっては猛反発を喰らうこともありそう。
それでも構わない。美味いは正義。
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