見出し画像

餃子三昧2000円

ー週末街ブラ5.0km(4)

片道5.0kmも歩けば、さすがに小腹が空く。こんなとき、何を腹に入れるか。夫婦で意見が分かれる。焼き鳥とビールなど、割とガッツリ行きたいこちら。一方、ケーキなどスイーツを楽しんで心身を癒やしたい奧さん。ときには意見がぶつかることも。ただ、この日はスムーズに決まる。西武池袋線江古田駅に程近い餃子屋「ぎょうざのブッタ(江古田店)」、この店の「ハッピーアワー」が掲げる破格の安さに反論などなかった。

連載「週末街ブラ5.0km」シリーズ:「(1)美容室の憂鬱」「(2)富士塚の願い」「(3)クレープの誓い

庶民の味方

この店は毎日、14時から17時30分までハッピーアワーを設けていて、この時間帯に限り、10個入りの焼餃子を何と250円で提供している。ハイボールやレモンサワー、ビールも通常に比べて安くしている。物価高の中にあって、この価格はありがたい。庶民の味方だ。

一悶着もなく奧さんと店内へ。意見がぶつかることなく店に足を踏み込めたのは、単価の安さもさることながら、奧さんが大の餃子好きというところが大きい。「夕飯が食べられなくなる」という奧さんの常套句も、このときばかりは封印したようで、思わずにやり。

焼餃子は小ぶりの羽根つきだ。夫婦それぞれ20個ずつ、計40個オーダーする。たとえ1個が小さくても、20個食べればそこそこお腹が膨れる。餃子とアルコールの相性が抜群なのは言わずもがなで酒も進む。結果、わずか2000円で小腹を満たす以上の満足感を得る。餃子三昧。至福の極み。

入店時、満席だったお客。ハッピーアワーが終わりに近づくと、会計に立つ姿が相次いだ。「やっぱり、この時間帯狙いのお客が多かったんだね」と、夫婦揃って同じ感想を言葉にする。どこか店に申し訳ない気がして、おしぼりで机の周りをきれいに拭いてから店を出た。

「まあまあ」

昼過ぎに出かけた週末の街ブラ。帰ることにはすっかり日が暮れていた。冷たい夜の風がほろ酔い加減の頬に当たって心地良い。実家からわずか5km圏内の散策だったが、新たな気付きがあったり刺激があったりで、有意義な時間を過ごした。休日にしっかり睡眠を取って身体を休めることも大切だが、やはりお出かけは楽しい。奧さんに、今回のルートの感想を尋ねると、「まあまあ、楽しかったかな」。まあまあって何だ!?

ただ、そこは敢えて掘らない。そのままにしていた方が良いこともある。(この項、終わり)

(トップ写真:連載『週末街ブラ5.0km(4)』カット=りす作成)

連載リンク:

いいなと思ったら応援しよう!

りす=ハードボイルド
よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!