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「ネコノミクス」と変わらぬ日常
ふとした拍子に「ネコノミクス」という言葉を思い出した。大きな経済波及効果が期待できるトレンドとして、平成以降の猫ブームと安倍晋三政権の金融施策「アベノミクス」を掛け合わせた造語だ。今や、あまり見聞きすることがなくなったが、あらためて使ってみると、どこか聞き心地がいい。実にうまく言ったものだ。
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経済効果2兆円超
ネコノミクスは依然、経済効果が期待されている。そこは賛否両論が激しくぶつかり合うアベノミクスと異なる。関西大学の宮本勝浩名誉教授によると、ネコ関連の市場は広く、2015年時点で年間2兆3100億円と、2兆円の大台を超える効果が見込まれるという。
政府が推計した25年の大阪万博がもたらす経済効果2兆円規模と肩を並べる水準。しかも、17年時点でペットとしてのネコの数がイヌの数を上回り、18年以降もその差を広げている状況を踏まえた場合、効果はさらに拡大する見通しだ。ネコノミクス、恐るべし。
意地っ張りの主張
このところ、個人的にネコ動画をよく見るようになった。だが、それがネコノミクスに乗っかったと受け取られるのは心外で、どこか腑に落ちない。別に、周囲がネコ動画を見るようになったことで、自分がよく見るようになったわけではないからだ。
とはいえ、ネコノミクスがなければ、ユーチューブ(YouTube)にネコ動画が溢れかえることもなく、それを目にする機会が今に比べてずっと少なかっただろう。だから、影響そのものは否定できない。ミーハーに思われたくない意地っ張りの主張にしか見えず、それがどうにも悔しい。
そう思いながら、今日もネコ動画を視聴する。変わらない日常。
(写真〈上から順に〉:ネコノミクスの火付け役となった和歌山電鉄貴志駅のたま駅長=スポニチ、2014年のニューヨーク・タイムズに掲載された安倍晋三首相と安倍政権の金融施策「アベノミクス」を揶揄する風刺画=j-iwasaki.xsrv.jp)
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