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"サプライズ・ツアー"(番外編)

南魚沼産のコシヒカリに炙りのどぐろと新潟和牛ステーキをのせた丼ぶり物ー。奥さんと義母さんのお供で参加した日帰りバスツアーで食べたランチだ。見た目もキレイだったし、味も悪くない。さらに、ボリュームもあり、かなり満足したのだが、どこか狐につままれた気がしてならない。

関連リンク:「"サプライズ・ツアー"」「何を今さら」「ま、いっか」「それはそれであり

2種類のランチ

このツアーでは、2種類のランチを選べる仕組みだった。ツアー主催者のパンフレットによると、うに醤油で食べる極上海鮮丼と海老藻塩で食べる炙りのどぐろと新潟和牛ステーキ丼。ともに魅力的で甲乙つけがたい。

苦渋の末、炙りのどぐろと新潟和牛ステーキ丼を選ぶ。他方、奥さんと義母さんは極上海鮮丼。直前になって義母さんが「私ものどぐろとステーキの丼ぶりにしようかしら」と言い、奥さんが一喝していた。

目前に置かれたランチはとても華やかだった。重箱にのどぐろの白、和牛の赤。それが整然と並び、隅っこに盛り付けられたわさびの緑、レモンのスライスの黄。実に食欲をそそる。茶碗蒸しと海老汁も付いていた。

コシヒカリのおかげ

のどぐろ、和牛ともに美味い。その下に敷かれている南魚沼産のコシヒカリもモチモチで、食べ終わるころにはほぼ満腹だった。ただ、どこか違和感がある。満足したのは事実だが、どうにも物足りなさが拭えない。

しばし考え、あることに気付く。のどぐろと和牛があまりに薄く、食べた気がしない。まるで、ふぐ刺しを食べている気分だ。満腹になった理由は、のどぐろと和牛の下に敷かれたコシヒカリ。これですべてに合点が行った。

奥さんの極上海鮮丼もそうだったらしい。ただ、わずかながらも新鮮な刺身を楽しみ、お腹いっぱいになったことで心が満たされたらしい。そのせいで疑問を感じながらもクレームを付ける気も起こらなかったようだ。

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"SNS映え”最強説

この2種類のランチには共通点がある。ともに真上から撮影すると、所狭しと具が並ぶ。厚さが分からないため、実に豪勢に見える。"ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)映え”抜群である。

"SNS映え”すれば何でも許されそうで恐ろしい。(おわり)

(写真〈上から順に〉:海老藻塩で食べる炙りのどぐろと新潟和牛ステーキ丼=りす撮影、うに醤油で食べる極上海鮮丼=奥さん撮影)

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りす=ハードボイルド
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