会社を辞めた元社会人が修士課程2年目を迎えたので、これまでにかかったお金とこれからかかるお金について考える(人文系編)

世の中に転がってる会社を辞めて院進した系の記事の大半が理系、IT系、医療系、文系であっても社会学系であったり心理学系であったりと、人文系はやはりここでも見事な不人気

ということで特に実家も太くない、教員免許も取ってない、古文漢文不要論がダイレクトヒットする今年で中国思想系の修士2年目になった元社会人これまでにかかったお金これからかかるお金についてぐだぐだと連ねたいと思います。

元手のお金

会社を辞める前、入学金を払い込んだ時の残高が400万無いくらいだったのを覚えています。その後、関東圏から関西圏に引っ越したので、たぶん実際は350万くらいでしょうか。

学費関係 ~入学金とか授業料とか~

ここら辺は各大学のHPにも掲載されている部分のため詳細は割愛します。

実際、自分が院進するにあたってググっていた時に、やたらここら辺は詳しいくせにあとの社会保険料やら何やらがすごいふわっとしていて、いや、そっちの方が知りたいんだけど!?????と思った記憶。

国立の場合、ざっくり入学金が30万、授業料が年額50万です。修士で130万、博士で180万、合計310万さえあれば学費は足りると。つまるところ、入学金を払い込んだ時点の私の皮算用はそんなところでした。

肝心なのはここから

住民税、年金、健康保険

とはいえ自分は若干特殊ルートなので書いておいて参考になるかが微妙で申し訳ないのですが、頭のおかしい職場で身心ボロボロ、健康的な睡眠生活が大爆発したため1年ほど休職を挟みました。

これが本当の入院(大学院)って奴ですね!

おかげで(?)修士1年目の総所得は200万ほどになり、修士2年目の住民税は年で4万ほどになり衝撃でした。安っ!別に安くはなってないよ、収入が落ちてんだよ。

とはいえいくらその年の収入が下がっても奨学金や学費減免の申請は前年の所得を参照するので、修士1年目前期の時点ではダメもとで申し込んだもろもろは弾かれました。

なお、私自身は6月ごろから休職していたため、修士1年目の後期になってから給与0円の給与明細3か月分(だったと思うけどややうろ覚え)を携えて奨学金1種に申し込んだところ、有難いことに申請が通り、2年目になってから申請した学費減免も通りました。おいしい。

日本奨学生機構の奨学金の申請チャンスは春と秋あるので…!(重要)
あと前年参照とは書きましたが前年と今年に収入の変動があれば、その年の見込みで収入要件を審査してくれたりもするので、ちゃんとパンフを見つつ、各々今後の人生を鑑みつつ借りるなりしてください。

余談ですが、院生は生活保護の対象外ですので、いざという時にどうなるかは本当に分かりません。気が気じゃないワクワクですね。学務との相談次第で減免や休学などの救済措置があるのかもしれませんが、個々のケースすぎて、なってみないことには分かりません。なりたくはないですが。

大っぴらにできない事情も多分にあるとは思うのですが、学生目線からするとここら辺の不透明さは院進に踏み切るハードルをただただ上げているように思います。

年金

学生特例にしています。
老後二千万?そんな余裕ないよ!

ついでに学部時代に借りた奨学金の返済が百万ほどあります(返済一時停止の申請済)。死ぬまでに返済できりゃいいですね!

国民健康保険

年収が下がるなら国保一択でしょう。

元はITけんぽでしたが、継続利用ではなくとっととこちらに切り替えました。

役所に申請にいったところ、収入が減ったことを証明できるなら減免措置がありますよと教えてもらい、申請。電子申請もできたのですが、まあやっぱりこういうのがあるだろうなと思ったので対面で申し込んで良かったです。

収入が下がっていたこともあり、90%減免。それでも月額1万円は貧乏にはちょっと辛いところですが頑張ります。

ちなみに

役所のお姉さん「収入が変化したらまた申請し直さなきゃいけないので気を付けてくださいねー」
私「ちなみに大体の目安ってありますか?」
お姉さん「うーん…。これより下は全免なので…収入が0になるか倍になるかですね!
私「分かりました~!(すごい極端だ!)」

失業手当・再就職手当

院生だと失業手当がもらえないという記事を複数見かけたので、であればバイトについたということで再就職手当をもらえばいいのでは?とハロワで相談してみたところ、

「まず失業認定が先ですからね?」
「アッすみません…」

とちょいちょい注意されつつ、条件はいけそうですね~という感じだったのですが、最後の質問

週20時間以上働く意思があるか、どうか
(週20時間以上働ける職を紹介された時に受ける意思があるか)

で、「いやあ~ないですね~」「じゃあダメですね~」「ですよね~」という感じでした。

「一応、1年以内なら請求できるので、もし20時間以上働く気になったら来てね~」
「はーい!」

で終わりです。ハロワのおじちゃん、丁寧に説明してくれてありがとうございます。最初ちょっと怖いな…と思って申し訳ない。優しかった。

失業手当についても同じように20時間以上働く意思があるかどうか、が条件になるかと思うのですが大体この手の記事って「院生だともらえなかった~」みたいなのが多く、そうなんだ~と思っていたのですが、

逆にこれもらったって言ってる人は働く気はないけど「20時間以上働けます!」と言ってもらってるってこと…なんですかね?

まあ事情は人それぞれなので分かりませんが。払ってきた雇用保険が惜しい気持ちも分かるし、少しでも学費の足しに、所得税のかからないお金が欲しいという気持ちも非常に分かるので。

生活費

奨学金1種を8万、2種を5万、ただし連帯保証人を立てず、機関保証を利用しているため、ここから保証料を引かれた13万よりやや少ない金額を借りて生計を立てています。

プラス、週3のバイトと週1のバイト(どちらも1日3時間)の掛け持ちで月4万ほどの収入。

毎月の収入は合計17万前後、支出は大体いつも12、3万ほどです。支出だけ見れば生活保護の申請ができるラインに差しかかってきますね。

2種を借りなくてもギリギリ生活できる設計にしてはいるのですが、何があるか分からないという保険で借りています。2種は利子有りなので借りるかは迷ったのですが、バイトなんてシフト減らされたりそもそも仕事がなくなったりとかもありますし。

やはり収入が減ったり不安定になると未来のお金より手持ちの現金を重視せざるを得ないですね。

まとめ的な何か

ここまで書いて改めて思ったのですが、博士課程でも上記の生活を続ける、かつ何の免除も通らなかった場合、ざっと博士課程修了までに借りる総額は700万ほど+まだ返していない奨学金が100万で800万ですね!笑う。

奨学金の返済免除や学振が通る、フェローシップが通る等々あればもう少し楽になるのは分かるのですが、でもそれらの支援が確定しているわけではないということが院生生活により不安スリルを添えてくれます。

ましてや就職率も悪いとなれば、そりゃ人文系の大学院生なんていなくなるのではないでしょうか。

というか実際、私が学部を卒業した時に諦めた理由が「自分で学費を用意できない」「就職率の悪さ」「実家を出たかった」でしたし、ぶっちゃけ職場で精神的に追い詰められた挙句「畜生!!!私の人生なんだぞ!!!!!死ぬまでに一回は好きなことしてやらあ!!!!!」と吹っ切れなければ踏み切ってなかっただろうなとも思います。

そのくらい外から見た時の人文系大学院への進学は、それこそ「清水の舞台から飛び降りる」並みのリスクを要求してくる割に、飛び降りた後どうなるかよく分からないというとんでもない道に見えました。今もわりとそう見えてはいますが。

そりゃサラリーマンだってずっと安泰ってわけでは全然ないので比べるのは難しいのですが、それ以上に色々と不透明すぎて…。今はもう生きてりゃなんとかなるだろと開き直ってますが、これをまだ自分が生きていくのにかかる支出や自分の稼げる収入の感覚が掴めていないだろう現役大学生に要求するのは結構、酷だなあと思います。まず親御さんが心配しますよね。

まあ別に私だってそんなはっきり掴めているってわけでもないですが。仮に卒業後、年収300万の仕事に就職できたとして、大体手取りが240万。今の私の生活費を鑑みると1年160万ほどで済むので貯金が差額80万、これを10年で800万は作れると思うので、死ぬまでには返済が終わるのではないでしょうか。実際は20年とかもっと長いスパンでの返済になるかと思いますが、どうなることやら。そんな塩梅です。まあ月々の減額返還とかもできたりしますしね。気長に、死なない程度に付き合っていくしかないでしょう。

どちらかと言えば卒業した後、奨学金ブーストが無くなった時の生活費の工面の方が心配ですがあんまり先のことを考えても仕方ない。今は良い修論を仕上げる方に思考を優先したいと思います。そのくらいに構えていないとやってられないですね!ホント!

今日も元気だ、勉強が楽しい!


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