2/11「AI時代の『バーテンダーの価値』を考える」

かつて、「知識がある」ことは大きな価値だった。しかし、今はどうだろうか。

「バーに行く理由は?」「お酒に詳しくなれるから」と答える人は今も少なくない。博識なバーテンダーが知識を持ち、気軽に質問できるからだ。だが、検索エンジンの発達でその価値は揺らいでいる。今ではスマホで調べればほとんどの情報が手に入る。「あれ?バーに行かなくてもよくね?」と考える人も増えた。

実際、YouTubeやX、ブログを見ながら自宅で飲む人は多い。AIに酒の質問をすれば即レスが返ってくるし、人生相談までできてしまう。もはや、バーテンダーが担っていた『知識の提供』『話し相手』の役割が奪われつつある。

では、バーテンダーの価値とは一体なんなのか?

「うまい酒を飲みに行く」というのは理由の一つだが、正直、今の時代、それも疑わしい。酒は自分で買えるし、カクテルだってDIY的に作れる時代。実際に「自宅バー」を楽しむ人が増えている。この業界は、その流れに大きく遅れをとっているように感じ、明確な危機感を覚える。

私は「ウイスキー藤村」として7年活動してきたが、その視点から見ても、業界のデジタル化は遅れている。データ収集や研究は進んでいるのに、情報発信が極端に弱い。対面の接客は得意でも、インターネットには不器用。そんな中、AIが加わり、さらに競争が激化している。

では、バーテンダーに残された価値とは何だろうか?

私が思うのは、「その人に会うしか得られないもの」 にある。それは、

① 「あまりに局所的なオタク的研究」(ネットにも載っていないディープな知識)
② 「対面による人当たりの良さ・明るさ・愛嬌」(その人の存在そのもの)

先に上げた「『知識の提供』」『話し相手』の役割が奪われつつある』という話とは矛盾のようだが、この二つはにおいて、死ぬ気で尖り切るしかない。バーテンダーは知識だけではなく、とにかく「その人だから会いたい」と思われる存在である必要がある。バーであれば『体験』にフォーカスを当てる必要があるだろう。多少ダサくても。

とはいえ、私はバー文化やバーテンダーという生き方に悲観はしていない。酒を愛する限り、私の周りにも酒を愛し、バーを楽しむ人がいる。だが、「忘れられないために、今、何ができるのか?」それを考え、実践し続けることが大切だ。

「バーテンダーの価値とは何か?」

時代が変わっても、この問いを持ち続けながら、わたしはバーカウンターに立ってみたりなどしている。


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