ウイスキー小噺 第002回:キーモルト
第001回で、シングルモルトウイスキーとブレンデッドウイスキーの違いをお話しました。
ブレンデッドウイスキーについてネットで調べていると、「キーモルト」という言葉に遭遇することがあります。ここでは「キーモルト」について解説します。
第001回のおさらい
モルトウイスキーは、「モルトのみを原料にしたウイスキー」であり、豊かな個性を持ちます。1つの蒸留所のみで作られたモルトウイスキーは、「シングルモルト」と呼ばれます。
グレーンウイスキーとは、「モルト以外の穀物を原材料にしたウイスキー」であり、個性は穏やかです。
モルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜたものが、「ブレンデッドウイスキー」でした。
キーモルトとは、ブレンデッドウイスキーの味の中核
おさらいした通り、ブレンデッドウイスキーは「モルト+グレーン」ですが、モルトウイスキーは豊かな風味を持ち、ブレンデッドウイスキーの風味への影響が大きいのはモルトウイスキーの方です。
ブレンデッドウイスキーの場合、複数の蒸留所から取り寄せたモルトウイスキーを用いることが一般的ですが、その中でも特に味の決め手となっている重要なモルトウイスキーのことを、「キーモルト」と呼びます。
英語で書くと「key malt」。味の「鍵を握る」といった意味でしょうか。
具体例:シーバスリーガルアルティス20年
下のリンクには、シーバスリーガルアルティス20年を構成するすべての蒸留所の記載があります。
そこには、「ストラスアイラ」が「全てのシーバスリーガルのブレンドの核」とありますので、このボトルのキーモルトは「ストラスアイラ」になるでしょう。なお、キーモルトは1つとは限らず、複数を指す場合もあります。
このように、有名ブレンデッドウイスキーであればネット上にキーモルトの情報が出ています。とりあえず、お手元のブレンデッドウイスキーのキーモルトを調べてみてください。キーモルトが分かったら、ぜひそのシングルモルトも飲んで、ブレンデッドウイスキーとの共通点を探してみましょう。
次に飲むウイスキーを何にするか手当たり次第に探すのも大変です。こんな風に関連付けて探してみるのもいいやり方です。