中学生、Beetles後期の曲を好きになりたかった
今日、デビットフィンチャー監督の有名作”ソーシャルネットワーク”を見終わった。GWに観ようと楽しみにしていたものの一つ。映画の内容は僕のFilmarksに記すことにして、ここではエンディングで流されたBGMであるBeetles ”Baby, You’re A Rich Man”について思ったことを書く。
この曲はビートルズ解散の三年前である1967年にリリースされたアルバム,Magical mystery tourに収録された10曲目の曲である。初めて僕がこのアルバムをTSUTAYAで借りた時、ミステリーツアーって言葉をそもそも知らなくて、なんだかダサい名前だなと感じたのが第一印象だった。ミステリーツアーとは出発前までか、もしくは目的地到着まで行き先を伏せて遂行される旅行企画のこと。確かこのアルバムのコンセプトは文字通りまるで目隠しでつれてかれるかの如く行き先不透明で摩訶不可思議な曲達といった意味だった気がする。そもそもジャケ写がごちゃっとしてて嫌いだった。
そういうわけでこのアルバムはビートルズアルバムの中でも癖がつよいランキングおそらく1番か、ホワイトアルバム(1968)に続く2番目に位置する。初めてカッコつけてTSUTAYAで赤盤を借りて家のラジカセで聴いて、それで少しハマり出したまだまだアマチュアだった僕にはこのアルバムはおろか、青盤に入っているベスト曲も好きになれなかった。
ここでいう赤盤、青盤というのはビートルズの有名なベストアルバムのことで、例えるならミスチルのmacroとmicroみたいなもので、それぞれビートルズの初期と後期で分けた名曲が含まれているもののこと。
それでも面白いことに、今僕は大学4年で聴き始めたのが中1だから、大体十数年たって
、なんだかこのアルバムや、ホワイトアルバム、アビーロードなど後期の曲の魅力に惹かれつつある。
後期の曲は僕の好きな映画の挿入曲になりやすいということが最も大きいことだろう。これはアビーロード収録曲だけれど同じビートルズ後期の曲として、Becauseという曲がケビンスペイシーのアメリカンビューティーのラストに挿入されている。初めてこの映画を見て、最後にこの曲が流れ出した時、本当に鳥肌がたったことを覚えている。
今日鑑賞した”ソーシャルネットワーク”のエンディングでは、ザッカバーグが金や名声、成功を手にしつつも人間関係や何か大事なものを忘れ、その結果やはり彼の原点である好きだった彼女を振り返るに至る。一見このくらい展開がフィンチャー監督により少しポップに、柔らかく描かれている。ここで”Baby, You’re A Rich Man”を挿入するフィンチャーはやはり音楽オタクなのだろう。
暗いトピックをコメディー調やポップに描くことはおそらく腕の見せ所で、ファイトクラブ同様フィンチャーはそれが得意なのかも知れない。