「近距離移動の課題を解決する」一貫したテーマを軸に、入社10年目の挑戦!ロボットの足場を支える電動モビリティプラットフォーム事業を立ち上げた堀出が目指す「移動」のありたき姿とは
まえがき
WHILL株式会社(以下「WHILL社」)ではかねてより、モビリティ販売事業の一部として、研究開発モデル「WHILL Model CR」シリーズを、主に大学や企業の研究機関に展開し、ロボットの移動制御や自動運転技術の開発などに役立ててもらう取り組みを進めています。
2023年4月、改正道路交通法が施行され、ロボットの公道走行が可能となりました。これを機に、歩行領域をカバーする「移動」への注目度が一層高まり、社会ごと化されるきっかけとなります。
時を同じく、WHILL社内に目を向けると、大学時代から歩行空間を走るパーソナルモビリティ(一人用の乗り物、近距離モビリティ)にずっと情熱を注ぎ続けてきた人間がいます。
堀出にとってこの法改正は1つの転機になったのか、入社10年目にしてWHILL電動モビリティプラットフォーム事業を立ち上げました。
歩行領域のパーソナルモビリティに「一途」だった彼女が、なぜ歩行領域のロボットに軸足を移したのか?
創業前からWHILL社を支える堀出の原体験も交えながら、ストーリーを紐解きます。
WHILL社に入るまで
学生時代から「近距離モビリティ」に興味を持ち、大学の卒論のテーマも「近距離モビリティが歩行空間を自動で走行する際の回避行動について」でした。
そもそも、学生時代からこうした分野に興味を持ったきっかけは、病気で徐々に歩くことや身体を動かすこと自体が困難になっていく親戚の存在。その人に東大に合格したことを伝えると、涙を流して喜んでくれたんです。
その様子を見て、身体状況にかかわらず誰もが自由に生活できる世界の実現に貢献したいと強く思いました。
人の手を借りずに、自分でしたいことができる、行きたいところに行ける環境をつくることは日々の生活に彩りを与えることにもつながります。何気なく普段歩いていると、歩けることや移動ができることが身近すぎて当たり前になり、そのありがたみに気づきにくいもの。
だからイノベーションも起こらず、いざ歩くことがしんどくなって初めて、近距離の移動の大切さに身をもって感じたりします。そこをなんとかしたいとずっと思っていました。
WHILL社のミッション「すべての人の移動を楽しくスマートにする」とぴったり同じで、大学院卒業後に帰国した時に杉江さんと出会えたのは運命ですね。笑 すぐに意気投合し、創業直前の2012年4月から半年ほどインターンとして、製品コンセプトの検討やユーザー調査などを行いました。
WHILL社に戻ってきたきっかけ
新卒では、WHILL社ではなくコンサル会社や大手自動車メーカーを選びました。
創業当初はとにかく会社にお金がなくて、インターンとはいいつつも、対価はお昼に天下一品のラーメンをおごってもらったくらい。笑
私個人としても大学院まで進学し留学もして、これ以上親のすねをかじり続けるわけにはいかないですし、お金もなかったのでとにかく稼がなきゃと思ってはいましたね。
内藤(WHILL社のCDO)からも当時「社会人経験がこれからの堀出さんにリスクは負わせられない」という言葉をもらっていて、「WHILL社に雇ってもらえるようになったら戻ってきますね~」と、一般の企業に入社しました。
その後、資金も調達でき、会社として給与を支払える体制になったと聞き2015年1月に正式にジョイン。多少社会人経験を積んで貢献できることもあるかもしれないとも思ったんです。
この頃のWHILL社は、初号機Model Aの設計を完了し、量産を開始するタイミング。
私はエンジニアリングのバックグラウンドがあって英語もできたので、アメリカでの医療機器の認可(FDA)取得に関する業務を担いました。
WHILL社でのこれまで
入社当初は海外展開のための法規制や認証、2017年の発表に向けてModel Cの企画に携わりました。1度目の産休・育休から復帰後は品質本部の本部長として、お客さまが毎日ウィルに安心して乗って快適に近距離を移動できるよう日々取り組んできました。
プロダクトマネジメント室の立ち上げを経て、2021年から2022年にかけて2度目の産休・育休を取得。若い企業ながらライフステージに変化があっても働き続けられるような環境があるのはありがたいですし、復帰後もやりがいや裁量権のある業務に携われるのは頑張りがいもあります!
2度目の産休・育休復帰後は約1年間、新しいプロダクトやサービスの企画、プロジェクトマネジメントなどを担当しました。その後、2023年4月の道路交通法改正でロボットの公道走行解禁などを機に、「WHILL電動モビリティプラットフォーム」の事業化を決断。責任者として今に至ります。
一途にやり続けてきた近距離の乗り物からロボットを10年目でやるワケ
学生時代から数えると、15年間一筋に近距離のモビリティをやってきました。一途ですホントに。笑
それがなぜ入社10年目にして、ロボットの足場を支える電動モビリティプラットフォームを事業化しようと決めたのか、理由はさまざまにあるのですが、主には2つの軸です。
1、生活者(ユーザー)視点
まず、ヒトの移動とモノの移動は表裏一体です。たとえば、買い物は何か欲しいモノを自分の元へ手に入れるためにする行為ですが、その目的を達成するにはモノが移動できるのであれば、必ずしも人が移動する必要はない。
状況や置かれている環境によっては移動にもリスク(事故や転倒など)が伴います。楽しい移動は近距離モビリティを活用してお出かけをしてほしい一方で、危険をはらんでまで、頑張ってまで楽しくない移動をする必要もないと考えています。
そこを歩行領域を走行できる安全な自動配送ロボットがいれば、担ってくれます。
もう1つは、警備や清掃、倉庫管理など仕事で長時間その施設内を隅々まで歩く方もいて、中にはご高齢の方が従事しているケースもあります。人生100年時代において高齢世代などの活躍の幅を広げたり、業務効率化を上げたりする狙いで、ウィルに乗って業務にあたるという選択ももちろん大歓迎です!実際試験的にウィルを取り入れる企業も出てきていますし。
とはいえ、人口減や、物流業界などでの人材不足や働き方改革(2024年4月に法改正)が加速していることを背景に、ロボット化/DX化が推進されており、今後そうしたロボットの「足」のニーズが一層高まるだろうと考えています。
2、開発者視点
私自身も開発者の一端を担ってきた中で、見えてきたものもありました。
ロボットの「本体」は載っている機能(例えば、警備ロボットであれば警備システム、配送ロボットであればロッカーなど)であり、基盤となる足回りはあくまでもそれを運ぶ台車です。
そうであるにもかかわらず、実は足回りの設計はとても難しいんです。安全で振動が少なく、制御しやすい足回りを開発するには、幾度となく試行錯誤を繰り返し、そのノウハウの積み重ねを経てようやく実装につながっていきます。
WHILL社も経験してきたからわかるのですが、ロボットメーカーが足回りの開発にリソースを取られたり、足回りの品質に苦しめられたりするのはもったいないと思うんです。
時代の流れとしても、2023年4月の法改正でロボットの公道走行が解禁されましたが、まだまだ黎明期。ロボットの量産も限定的となるケースが多く、ゆえに調達や品質も安定させづらいし、コストも高くなりがちです。WHILL社としても通ってきた道ですので、その大変さや苦しさは痛いほど良くわかります。
内藤もよく言いますが、私たちと同じような苦労をする開発者を減らしたいんですよね。
このハードルを乗り越え、ウィルは量産できるようになり、今では世界中のユーザーに安心快適な移動体験をお届けしています。
世界中に出荷している実績のある信頼性の高い足回りを、部品コストはもちろん開発にかかるコストも抑えた上で提供することができますし、台車部分は完成した状態でお渡し可能です。
せっかくあるならそれを活用し、「本体」の機能開発や改善に限りある資源を費やして、もっと良い社会にするために使ってほしいなと切に願っています。
新しい価値を生み出しながら軸はブレずに「近距離移動の課題を解決する」
結論、私のやり遂げたいことである「近距離移動の課題解決」は一貫していて、人を乗せる領域から、機能/本体を載せるロボットの足場の領域に広がったイメージです。
さまざまな機能を持つ歩道を走るロボットがまちなかに普及することで、人が乗るモビリティとしてのウィルだけではカバーしきれないエンドユーザーや働く人の「近距離移動」の課題を解決できると考えています。
これまで一貫して近距離移動の領域で培ってきたWHILL社の技術力を、多くの方/事業者の皆様に有効活用していただくことで、きっと世の中の近距離移動のトレンドはもっと「楽しくスマート」になり、素敵な世界になることでしょう。
私自身の思いとしても、これまでの10年を振り返るとミッション実現に向けて、必要なことにがむしゃらに取り組んできたなとしみじみ・・・。
近距離移動という市場を作り、世の中に新しい価値を生み出してきたと手応えを感じています。また1つ新しいトレンドや価値を、WHILL社の事業活動を通じて世の中に届けていたいと思っており、そうした裁量権や「やりたい気持ち」を応援してくれるWHILL社の環境はありがたいです。
WHILL電動モビリティプラットフォームは、ロボットの足やパーソナルモビリティの研究開発に活用
既に全国3,000カ所(自動車ディーラーに限ると1,500店舗)で販売チャネルを構築し、一時的にウィルを借りられる/利用できるWHILL SPOTの施設が全国約50カ所に広がっている実績を誇るWHILL社の近距離モビリティ。
実績やノウハウに裏打ちされた研究開発用の高性能モビリティや電動モビリティプラットフォームをうまく活用し、独自の研究に役立てたい、新しい技術を試してみたい、そんな思いに応えます。
幅広い用途で活用できるよう、4つのラインアップをご用意。すべての製品が、購入後のハードウェア改造は自由かつ、外部からの入力による制御が可能です!
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WHILL社では現在、日本における近距離モビリティ市場の社会浸透に向けて一緒に取り組んでいただける新しい仲間も積極募集中です!
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