10/25(金)は雨の予報:「大気の状態が不安定」という表現について
台風21号の西側にある低気圧ですが、これに「暖かく湿った空気」と「上空の寒気」が流れ込むことで大雨となるようです。以下、気象庁発表の気象情報からの抜粋です。
[気圧配置など]
低気圧に向かって南から暖かく湿った空気が流れ込むとともに、台風第21号周辺の湿った空気も低気圧に向かって流れ込むでしょう。また、上空には寒気が流れ込むため、25日にかけて西日本と東日本の太平洋側を中心に大気の状態が非常に不安定となるでしょう。
[防災事項]
<大雨・雷・突風>
西日本の太平洋側では、局地的に雷を伴った激しい雨や非常に激しい雨が降っています。
西日本では25日朝にかけて、東日本では25日未明から夜にかけて、東北太平洋側では25日昼過ぎから26日朝にかけて、雷を伴った猛烈な雨や非常に激しい雨が降り、大雨となる所がある見込みです。
熱帯側の海に温められた暖気が下層にあり、北側からの寒気が上層にある構造です。ざっくり言うと暖気は寒気より軽いので、低気圧がこれらを巻き込む際に「軽いもの(暖気)は上に乗り上げ、重いもの(寒気)は下に潜り込む」という入れ替わりが発生します。この動きが起きやすい状況を指して「大気の状態が不安定」と表現しています。そして、この暖気が上空へ乗り上げる、あるいは寒気に持ち上げられる過程で暖気の気温が下がり、水蒸気が凝結して雨雲になる訳です。
※明確に低気圧が無い状況でも、「空気の上下の入れ替わり(=対流活動)」が起こりやすい状態を指して「大気の状態が不安定」と表現されます。例えば真夏の夕立は、高気圧の勢力下であってもこの対流活動(特に下層から上層への上昇気流)が局地的に生じることで起こります。
また、防災事項の内容は下記の通り続いています。
土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒してください。台風第19号で河川堤防等が損傷を受けた地域では、普段より少ない雨量でも土砂災害や洪水の危険度が高まるおそれがあります。
また、落雷や竜巻などの激しい突風にも注意が必要です。発達した積乱雲の近づく兆しがある場合には、建物内に移動するなど、安全確保に努めてください。
※全文は下記ページです(気象庁ホームページ、2019/10/24 23:57参照)。
昨日の投稿でも書きましたが、台風19号で被災した地域の復旧作業の妨げ・遅延などの悪影響が心配です。何事も無ければ良いのですが…。
なお、気象庁は個別に資料を作成して、注意喚起をしています。県ごとの警戒すべき時間帯や週間天気予報、天気図の概説などが載っています。
また、各種情報(天気や河川の概況、避難情報など)については、先日の投稿が参考になればと思います。
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ところで、気象庁は天気予報などで使用する用語を特定の観点に基づいて選択しています(下記サイト参照)。ただ、個人的には「大気の状態が不安定」という表現をもっと分かりやすく出来ないかなあ?と感じています…。何というか、「不安定ってどういうこと?」という質問が出来てしまうんですよね。だとしたら、その質問の答えにあたる言葉や表現を使った方が良いんじゃないか?と思ってしまいます。
じゃあどんな表現が良いか?と考えてみると、例えば、「強い雨雲が急に発生しやすい状態」などでしょうか。これだとやや冗長ですかね。それはそれでなかなか良い表現や言葉が見つからず、難しいです。もしかしたら、気象庁の中の人も数十年のレベルで悩み続けているのかもしれません。
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