10/25の大雨:24時間雨量の激しさを、いかに伝えるか
先日の低気圧の影響で、またも河川の氾濫が発生しました。加えて土砂崩れが千葉県を中心に発生して、犠牲となった方々もおられます。亡くなった方々のご冥福をお祈りすると共に、今年は自然災害による犠牲者・被災者がこれ以上増えないことを切に願います。
先日に投稿したテキストを作成している時に、気象庁発表の気象情報(下記、一部抜粋)を見て少し気になった部分がありました。
西日本の太平洋側では、局地的に雷を伴った激しい雨や非常に激しい雨が降っています。
西日本では25日朝にかけて、東日本では25日未明から夜にかけて、東北太平洋側では25日昼過ぎから26日朝にかけて、雷を伴った猛烈な雨や非常に激しい雨が降り、大雨となる所がある見込みです。
25日18時にかけて予想される24時間雨量は、多い所で
東海地方 300ミリ
近畿地方、四国地方 250ミリ
関東地方 200ミリ
伊豆諸島 180ミリ
甲信地方 150ミリ
東北地方 100ミリ
その後、26日18時にかけて予想される24時間降水量は、多い所で
東北地方、関東地方 50から100ミリ
です。
この24時間雨量、具体的にはどれ位の大雨なんだろう?数字からはなかなかイメージしにくいな…と感じたのです。
「1時間あたり雨量」、つまり「1時間に○ミリの雨」に関しては気象庁でも下記のような表を作成していて、定性的な表現を使っています。「バケツを引っくり返したような雨」はよく使われているかと思います。
じゃあ、24時間あたり雨量を24で割って1時間あたり雨量で考えて、上記の表現を使えば良いのか?というと、そうでもありません。台風や低気圧が接近・通過するケースでは極端に強い雨が数時間に集中することがあるからです。
24時間あたり雨量でも上記の表のようなモノがあればよいのですが…予報の確度・精度が高まって、1時間あたりの予想最大雨量が推定出来れば上記の表現が使えるかとは思いますが、予報と実際の雨との時間差(リードタイム)があまり長くない=予報が直前になる可能性もあります。
定性的なものでなくても、過去に災害をもたらした大雨の時の24時間あたり雨量を比較として持ち出すのもひとつの策かもしれません。ただし、その比較材料よりも今回の方が弱いケースだと、情報の受け手に油断を誘発してしまう懸念もあります。かと言って今回の方が強くなるように比較材料を持ってくるのも恣意的な運用ですし…
と、悶々と考えていたら、NHKでは下記の見出しで上手く表現していました。
半日の雨量に関してではありますが、比較材料として「1ヶ月雨量」を持ち出しています。これなら「一ヶ月分の雨がわずか半日で降った」ということで、いかに集中した大雨だったか?を情報の受け手が実感しやすいでしょうね。「1ヶ月雨量のどの程度に相当するか」、例え5割程であっても、それが半日~数日間で降るとなればかなりの強い雨が集中的に降ることがイメージ出来るかと思います。個人的には具体的な指標として参考にしておきたいです。
状況がイメージしやすいように情報を伝える…大切なことであると同時に、その難しさも考えさせられました。
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参照・引用元:気象庁ホームページより。
○大雨と雷及び突風に関する全般気象情報 第2号 ※2019/10/27 0:05閲覧
○気象庁|予報用語 雨の強さと降り方 ※2019/10/27 0:05閲覧
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