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【WHC Project】30分の座っている時間を軽い運動に置き換えると寿命が延びるらしい…
1.コロナ禍と運動習慣
コロナ禍では自宅で仕事をこなす働き方の多様化や, そもそもの外出する機会が段々と減り, それにともなって運動するという人も少なくなってしまったのではないでしょうか?
(実際, アメリカの大学では全人類で33%ほど身体活動量が減少したのではないかという研究もあります。)
やはりそうなると椅子に座っている時間というのも増えてしまいますが, 実は椅子に長く座っている人の方が座っていない人よりも糖尿病や心臓病のみならず, がんの発症リスクや死亡リスクまでも高いという研究もあります。
何となく運動が必要と感じる私たちからすれば自然とわかりそうなこの点ですが, 私たちは同時に座る時間が運動する時間に置き換わった際に生じるメリットについて知りません。
そんな私たちにぴったりの論文が『デマ情報にもう負けない! おもしろ医学論文イッキ読み』で紹介されているので見ていきます!
2.〈本編〉30分程度の運動でも健康にいいの?
この論文は45歳以上のアメリカ人7,999人(平均年齢63.5歳, 男性は全体の45.9%)を対象に実験がなされました。被験者には活動量計を装着してもらい, 座っている時間が計測されました。(統計は過去に脳卒中や心臓病を経験しているかなど結果に影響を与えうる要因を分析したうえでの結果です。)
中央値にして5.5年に追跡調査を経て, 座位時間30分を軽度の運動30分で置き換えることでそう死亡リスクを17%, 中度の運動30分で置き換えることで35%低下することがわかりました。
3.まとめ
普段座っている時間の30分を軽い運動に置き換えるだけで死亡リスクが軽減されるなんて人間の体の興味深さには驚かされますね。やはり, コロナ禍という環境だからこそ一層健康な体を目指して, 普段から意識的に「座る」という動作を控えてみるとある種コロナ対策になるかもしれません。
◇引用参考文献
・デマ情報にもう負けない! おもしろ医学論文イッキ読み 著:青島 周一