タイへの交換派遣留学。英語でフォトグラフィーを学びタイ語で旅をした10か月
こんにちは,文学部4年のKentoです!
私はタイのタマサート大学ジャーナリズム&マスコミュニケーション学部に交換派遣留学し、2学期間,映像制作やメディアについて勉強していました。文学部での専修は心理学ですが,メディア業界にも関心があったのでタイではメディアを専門に勉強しました。
【タイを選んだ理由とタマサート大学の魅力】
タマサート大学はタイの名門大学で優秀な学生ばかりです。私が通っていたランシットキャンパスの敷地はかなり広く,敷地内に病院,デパート,サッカースタジアムなど色々な設備があって一つの街のようでした。留学生にはバディプログラムでタイ人学生が一人ついてくれるので,アパートの手続き,銀行口座開設なども苦労せずに済みました。友達作りもバディを通して自分のコース以外の友達もたくさんできました。
私がタイでの留学を選んだ理由は,タイ語を話せるようになりたかったからです。私の母はタイ人なのですが,小さい頃から母は日本語で私と話をしていたので私はタイ語が全く分かりませんでした。当時は母が分からない言葉を話しているということで少し怖かった記憶があります。高校生ぐらいからタイ語が話せないことがコンプレックスになり,いつかタイへ留学に行きたいと考えるようになりました。
大学内にあるスタジアム
【英語50%,タイ語50%の生活】
タイでは英語50%,タイ語50%の生活を送っていました。大学の中では英語で,大学の外ではタイ語で生活をしていました。
私が選んだコースは英語のみで授業が開講されており,クラスメイトは英語に不自由がない人たちが多かったです。しかしその中でも英語を使えるようになるためにあえて厳しいこのコースに来たという学生もいて,留学生の私は勇気をもらいました。英語コースということもあって帰国子女や外国籍の学生も多かったです。メディア系の学部なので自分で作品を発表している人,芸能活動している人もいて,多才で活発な学生がたくさんいました。このコースでは日本の高校のようなクラス制をとっており,4年間メンバーが一緒なのでみんな仲が良いです。留学生の僕は主に3,4年の授業をとりましたが,みんな受け入れてくれ,毎日近くのバーで飲んだり,クラス旅行にも一緒に行ったりして楽しく過ごせました。
【タイ語の勉強を独学で始めた】
授業は英語ですが,大学の外ではタイ語の生活でした。タイ語を勉強せずにタイに来たことを後悔しました。首都バンコク中心や観光客の多い場所では,買い物ぐらいであれば英語でも大丈夫なのですが,私の通っていたキャンパスがあるバンコク郊外や,観光名所以外の場所では,ほとんど英語が通じませんでした。最初はバディなしでは買い物もできない状態でした。さすがにまずいと感じ,タイ文字,文法を必死に勉強しました。
秋学期(タイでは秋学期スタート)は自分で本を買って,最初にタイ文字の勉強と並行して日常で必要な言葉をカタカナでメモ帳に書き込んで,毎日使っていました。それから文法を勉強して練習のために大学でも友達と話すときはタイ語も使うようにしました。
春学期からは工学部で開講されている外国人学生向けのタイ語の授業を履修しました。授業内容はタイ語の発音矯正や少し難しい文法を中心としたものでした。クラスメイトはカンボジア,ブータンの学生ばかりでした。カンボジア語とタイ語は似ているところが多いらしく,カンボジア人学生は上達がとても早かったです。その授業は英語で開講され,全員英語がとても流暢で,英語を勉強するモチベーションも上がりました。
秋学期に文字と日常会話をしっかり勉強したおかげで二学期目からは一人でタイ旅行に出かけられるようになりました。英語が母語でない国に行く人はその国の母語を勉強してから行くことを強くおすすめします。その国の言葉を話すだけでみんな喜んでくれるし,なにより生活のしやすさが全然違います。せっかくの機会なので第三外国語を習得しちゃいましょう!
学年旅行でのライブ
【専門科目で“Photography for communication”を履修】
語学留学と違い,交換留学では基本的に専門科目を受講することになります。僕はメディア関係については門外漢だったので授業についていくのにかなり苦労しました。また,実習の授業が多かったのでグループで活動することが多く,失敗しながらその場で学ぶということが多かったです。
“Photography for communication”という授業は特に思い出深いです。この授業ではカメラ、写真現像ソフト使い方を学びました。課題は単に写真を撮るだけでなく、このコンセプトやプロセスなども提案するというものでした。最初の課題ではクラス最低点をとってしまいましたが,先生にたくさん質問をしながら課題を仕上げることで成績は上がっていきました。写真家である先生に質問をしながら課題を仕上げていくことは学ぶことが多かったです。そのなかで強く印象に残っていることは写真も何かを伝えるコミュニケ―ションの手段だということでした。今まで写真は記録を残すためのものだけだと考えていた自分には複数の写真を作品として意味を持たせ,人に見せるという新しい体験になりました。この授業では単にテクニックだけでなく写真そのものに対する考え方も学ぶことができました。
【カメラを持って旅に出た】
“Photography for communication”の課題のために友達と色んな場所へ撮影旅行に出かけました。北はチェンマイ,南はプーケットまで行きました。一番良い写真を撮ることができたのは,ラオス国境付近に位置するサコンナコン県に訪れた時でした。タイとラオスの国境はメコン川という大きな川で区切られています。メコン川の撮影の帰りに森の中を車で走っていると,樹木が規則的に並んだ森に入りました。タイ人の友達曰く,そこはかつて王様主導の国家プロジェクトで植林された森だったそうで,人口的に造られた森でした。
タイの東北の端っこにも国家プロジェクトが関わっていることを知り,タイという国が想像していたよりも発展していると感じた瞬間でした。そこで私はその森を写真に残し,課題として提出しました。旅行を通して,メディアでは流れない今のタイを知ることができました。将来,留学に行かれる人には大学の勉強だけでなく,自分で足を運んで,実際に見て,触れることをお勧めします!
タイ東北部サコンナコンの森。これは課題の写真として使用しました。
タイ西部カンチャナブリにある,崖すれすれを走る列車。
タイ北部チェンマイのドイステープ寺院。
【英語とタイ語での生活の結果】
・英語 IELTS 5.5 → IELTS 6.5
IELTSスコアは留学前よりも上がりました。実感としてはリスニングとスピーキング能力が大幅に向上した感じがします。英語でニュースを聞いても内容が聞き取れるようになりました。毎日使ったことで,英語に慣れたのかなと思います。でも大切なことは,留学に行ったから英語が伸びたのではなく,毎日英語を勉強して,使い続けたから伸びたということだと思います。留学はあくまで英語を使う環境作りの一環だと感じました。
・タイ語 挨拶レベル→日常会話,簡単な読み書きが可能
タイに来た当初は空港から大学に行くだけで半日かかり,お腹が空いても一人では近所の屋台で買い物ができずバディにつきっきりで,怖くて一人で出歩けない有り様でしたが,最後のほうでは,一人で旅行に行き,ビザの申請にも一人で行けるようになりました(もちろん,スマホで調べながらですが…)。語学検定等は受けていませんが,帰国してから,母がタイ語で何を言っているのか分かるようになっていました。意外にも母のタイ語は日本語訛りがあるなと分かって感動しました。タイ語への恐怖と劣等感はいつしか消えていました。
【これからの私】
これからの私はメディア業界で働くのではなく,大学院に進学して人間の脳と心について研究します。留学先でビジネスの分野やアカデミックの分野で活躍する多くの日本人を知りました。彼らの多くは大学院をでて,修士や博士を持ち自分の専門分野を持っていました。「学位は世界共通の資格」留学先の日本人の教授と一緒に食事をさせていただいたときに言われた言葉でした。もともと海外で働きたいと考えていた私は,彼らをみて,言葉が話せるだけでは足りないのだと気づきました。自分が何の専門家になりたいかと考えた結果,日本で勉強している心理学の分野で大学院に行くことを決心しました。勉強だけでなく,次の進路を決める出会いもまた留学の魅力なのだと思います。
【終わりに】
読んでいただきありがとうございました!少しでもタイ留学について興味を持っていただけたなら嬉しいです。タイ留学は英語圏よりも留学費用が安くなるのでお金に不安があって…という人にはうってつけの場所だと思います。留学に興味はあるけど,もっと情報が欲しいという方はぜひ国際部へ!オンライン相談も可能です!
Kento(SAPA)