[番外]ピアノコンピングのLesson初級編① 2音ボイシング
twitterやnoteで募集した質問についての回答記事になります。
今回はピアノコンピングについて、雑多に書き留めます。
レベルの高い質問だったため、アイマスに絡めて解説できる自信ないです。
つまり、サムネイルは詐欺です。真面目な解説が続きます。
(初心者向けに解説する気がないのでみーちゃんに出てきてもらいました)
Lesson①で二音ボイシングを
Lesson②でリズムを
Lesson③で3音ボイシングや①と②を組み合わせた実践編します。
ピアノは和音が自由に出る代わりにリズムで死にやすい楽器です。
楽器の王様とも呼ばれるピアノですが、意外とバチクソ偏った性能を
しているので、出来ること出来ないことが極端に分かれます。
それがピアノです。あきらめて受け入れて弾くしかありません。
1.ピアノの特徴その1 アタックが強いも早くない
もう字面だけで欠点ですが、ピアノは打鍵楽器なので打った瞬間が
一番強く音がでます。奏法を工夫したところでアタックは遅くなりません。
これは、グルーブの弱い伴奏をするのが苦手、ということです。
例えば、ジャズのベースソロに対するコンピングでは、ソロのリズムを
意識して演奏しないと気を付けないと相当邪魔になります。
また、減衰がかなり強く、ダンパーペダル(サステインペダル)を踏まないと相当すぐに音が消えてしまいます。かといって、歯切れがよいほどリリースが早くもないので、独特の時間間隔が必要です。
また、アタックは強いんですが、若干音の立ち上がりが遅いです。
打ち込みでは十分なんですが、ソロピアノでファンクを演奏する際は
この点を意識しないとタイトな感じが出ません。
2.ピアノの特徴その2 12平均律外の音が出ない
ソロリードのキーボード、および鍵盤ハーモニカ以外の鍵盤楽器は
正確なピッチの音しかでません。
つまり、スライドやチョーキング、ベンドの表現がないので
決まった音程で何とか表現できないか考えることになります。
また、ブラッシングやミュートに近い音も出ないので、
パーカッシブな音を出したい時も必ず音程が付随します。
(代替表現はあるんですが、汎用性は低いです)
3.ピアノの特徴その3 広い音域にわたって複雑な和音が出せる
コンピング面で役立つ唯一ピアノの良いところです。
C7(b9,#9)みたいな濁った音も出せますし、C7sus4(10th)みたいな変わった音も出せます。実際は手の大きさによりますが、~5オクターブ以内であれば
同時に発音できます。
4.ピアノコンピングで出来ること
以上を踏まえてピアノコンピングで出来ることは
・長い音価でコードの響きを出す
・狭い音域で複雑な和音が使える
・広い音域で、全体の音圧を上げられる
・短い音価でグルーヴを補強する
・ドラムやベースのドロップに併せて音を出す
・シンコペーションを意識して弾く
・ただし歯切れが悪いので、テンポや音域は限られる
よく使うボイシングは2音~4音です
結局、ピアノの良いところって和音が比較的自由に出るところなんですが
複雑な和音が出るからって調子乗るとグルーヴが死ぬので、
結局音数は減ります。めちゃめちゃもりもりで弾くのは
ギターのいないR&Bか、Killer Joeのイントロくらいです。
2音ボイシングの参考例
1.ボイシング例①ガイドトーン
ガイドトーンとは、特にコードのキャラクターが出る3度と7度のこと
ガイドトーンボイシングとは、3度と7度およびその展開系の7度と3度のみを弾くボイシングを指します。
いわゆる”ルートレスボイシング”として知られている奴です。
何となくモダンジャズっぽいやつの基本形でかなり教科書感があります。
が、何のかんので失敗しないのでよく使われがちだと思います。
特にブルースで使うと効果的です。
(譜例が枯葉ですみません)
枯葉みたいな、ターンアラウンドのチェンジでは3-7型と7-3型の展開系を
交互に使うだけで勝手にボイスリーディングが出来上がるのも高ポイントです。
ボイスリーディングとは、ボイシングの最高音が全音/半音で綺麗つながる様にボイシングを組むことです。これができると上級者っぽくて良いとされる
2.ボイシング例②”バドパウエル”
Miles davisファミリーが流行る前はこれが多かったと思います。
僕がソロピアノを弾くときは一番使うくらい汎用性高いです。
ルートを含むのと、2音ボイシングの中ではかなり広く音域を取るので
響きが厚くなりやすいのが特徴です。マジでなんにでも使えます。
3.ボイシング例③隣接する2音ボイシング
後述するクラスターボイシングの子供です。
2音でも十分に濁りが出るので、3rdや7thを弾きたくないけど
濁りが欲しい時に使います。あとはヒップホップぽくしたい時など・・・。
かなり不協和音感があると思いますが、もうわざとノイズを鳴らしてるんだってくらいの時に使うと効果があったりします。
図中だと6小節目のAm7(b5)は、「ルートがAで濁ってればええんやろ」の
気持ちでb9の音を弾いています。特徴の出るb5や7thの音は拾ってないですがある程度近い効果が得られます。
3.ボイシング例④パワーコード
結構意外だと思うんですけど、ガイドトーンを含まないってことは
サウンドのカラーに大きな影響を与えないので、連打しなければ
どのタイミングでも使ってOKだったりします。バドパウエルと同じで
迷ったら弾くやつです。
ソロピアノだと、Bill evansがとにかく多用するし
トリオ以上の編成だとOscar Peatersonが使ったりするので、意外とjazzでもみかけます。
まぁ、ピアノの音からジャズ感がするかと言えば、確実にそんなことないんですけど・・・。現実的には、ほかのパートがジャズっぽかったり、チューン自体が目立つようなものなら、使い時かと思います。
スタンダードで言えば、NardisとかConfirmation, Now's the timeだと
私は使ったりします。
要するにガイドトーンとバドパウエルだけ覚えればOKです
この記事のまとめは以上につきます。本当に。
3音以上のボイシングをしたければ、上2つのパターンにルートなりテンションなりを足せばよいので、基本は上の二つです。
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