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[番外]カスタード講習会資料5回目 ペンタトニックスケールその3-1

かなり遠い所まで来ました。
ここまで読み進めたみなさんは、もはや高級カスタード。
薄皮に詰められるレベルをとうに超えています。

(東雲君も満足げです。)

(お前カスタード好きそうなのに意外とカードがないのな)

講義の見通し(カリキュラム)

前回までをまとめると
・格好いい、かわいい、自分の好きなメロディックセルを探そう!
・探して、探し続けて、考えて、考えて、考えることが大事
・たとえ自信がなくても、自分の音選びは、他人から見れば尊いもの
という内容をお伝えしました。

真面目に言い換えれば、
”自分の感性に合ったメロディックセルを見つけ出すことが何より重要”
ということです。

今回は、次のステップとしてメロディーの”リズム型”について紹介します。
リズムがメロディーに与える影響や、既存のリズム型を活用するアイデアについて紹介します。かなり難しい内容ですが、分かれば成長につながる部分だと思います。

関連したカリキュラムの全体像を示します。

1)ペンタの成り立ちとイメージ
2)ペンタトニックと2音~4音セル
3)シーケンスフレーズとリズム ←イマココ!
4)ペンタ+#2スケール
5)コードに対するペンタトニック(非カスタード的内容)

これまでの講義では、主に「音の配列」について、
つまり、ペンタトニックスケールからどう音を並べるか?について
考えてきました。
ただ、音楽の良さは単に音の配列から決まるわけではないですよね?。

今回の講義のゴール

こんな感じで、何となくジャズに聞こえるようなリズムのソロを
身に着けることです。

音楽の3要素とリズムの重要性

(とっっっても当たり前のことを説明します。スキップ可)

突然ですが、音楽には”音楽の3要素”と呼ばれる概念があります。
音楽の基本は「リズム」「メロディー」「ハーモニー」からなる、
という概念です。現在では使われなくなってきた古い概念ですが、
いまだに当てはまるところも多い好きな概念です。

音楽の3要素においては、リズムが最も支配的な概念と考えられています。
音楽は時間の芸術と呼ばれますが、時間と曲が進むことに意味があります。
曲の時間の進み方を示し、基盤を形成するのが「リズム」であり、
基盤の上に乗っかる一番重要なものが「メロディー」、
メロディーを補完する概念が「ハーモニー」です。

もちろん、メロディーはリズムの影響下にありますし、
メロディー自体がリズムを持っています。
どんなリズムでメロディーを演奏するか、も非常に重要です。

これまでの内容と3要素の対応

これまでの講義を音楽の3要素に対応させて、振り返ってみましょう。

”ペンタトニック”スケール”は「ハーモニー」に対応します。
(メジャーかマイナーかも何となくわかるし、曲のキーもやんわり分かる)
そこから切り取ったメロディックセルは「メロディー」に対応します。

では、リズムに対応するものは・・・?
やってないんですね・・・・・。

なので、今からやります!!お待たせ!!!


目標の整理

つまり、良いアドリブや良いソロ、良い曲というのは
良いリズムで、
良い音の配列を、
適切なハーモニーやリズムの上で
鳴らすこと、と分解できます。

リズムの習得が困難に感じやすい理由

カスタード講習会はスモールステップを謳っているので、
要素ごとに抽出して説明していますが
実体的には、3要素はほとんど不可分です。

つまり、メロディーを習得するときは
リズム⇒リズム+配列か
ハーモニー⇒配列⇒リズム+配列(今回はこっちのルート)
のようにやっていくしかありません。

リズム学習がなぜ難しいイメージになるかといえば
新しい概念を習った上で、既存概念との統合を両方一緒にやるからです。
結局、今回の講義も、一緒くたに説明してしまいますが、
需要があればリズムだけの説明もします。

ジャズのリズム型

じゃあジャズっぽいソロをやりたい、となれば
ジャズらしいリズム型を覚える必要がありますね。

ジャズのリズム型とはジャズで使われているリズム型です。
(新次郎構文)

これは情報量0に見えますが、意外と馬鹿にならないです。

例えば、ビバップとして書かれたオリジナルチューンのリズムを
しっかり思い出せますか(ConfirmationとかOrnithilogy、Donnna Leeなど)

そのうえで、途中から思い出したり、1フレーズ1フレーズごとの
リズムの意味を理解していますか??と聞かれると
なかなか皆さん首を縦に振りにくいかと思います。

ということで、リズム型の意識があると何ができるかを実演してみます。

ソロピアノで恐縮ですが、
Starのジャズアレンジのソロを
Confirmationのリズムと
ペンタトニックスケールで演奏してみます

コンファメのテーマっぽいリズムのソロ譜面

このソロは決していいソロではないですが、
ジャズのリズム型を使っているので、リズム感の悪い私でも
それなりにスウィングして聞こえるいい例になるかと思います。
(近日中に弾きなおします)

アドリブでよく見るリズム型

使い方がわかったら、あとはやること一つです。
リズム型を少しずつ覚えて、実際に使いながら慣れればOKです。

とはいえ、コンファメーション覚えろ!とか言われても困ると思うので
私が使いやすいなと思うリズム型を6つ紹介します。
一回で使いこなせないと思うので、ゆっくり練習しましょう。

ベースリズム① (ズンズンズズンetc)

ズンズンズズン
ドンドンドンカカッ

アホみたいな名前の付け方しちゃいましたが、結構使えます。
ゴスペルのメロディーがルーツのリズム型です。
(私のソロではよく出るのでimasjazz来た事ある人はよく聞いてるかも?)

ズンズンズンは、助走にも着地にも使えます(はぁ??)
ドンドンドンカカッ!は着地にのみ使えるイメージです。

譜例:ドンドンドンカカッ の活用

ベースリズム② (ドーン パッ)

ドーン パッ

気が付いたと思いますがアホみたいな名前で全部通します。
露骨な2音セル+ちょっと癖があるリズム型なので、
余裕ぶりたい時向けですね。結構ジャズ的です。
使うときはちょっと助走をつけてもいいですし、
二回繰り返してもよいです。

助走付きドーン パッ
ドーン パッ繰り返し
譜例1:ドーンパッとドンドンドンカカッの活用

ベースリズム③ (バダバダ) 

バダバダ

これもジャズ的、ド定番の駆け上がりパターン。
実は駆け下りるのにも使えるけど、あまりみない。
ピアニストと古いペッターは特に使いがちの便利フレーズです。
駆け上がったあとは、ドーンパ!でもいいですし、
後述の8分音符のリズムにつなげてもいいです。

ベースリズム④(バラババ)

ベースリズム④'(バラバラーバババ)

バーバパパみたいなやつ。ボボボーボ・ボーボボでもよい

バラババ
バラバラーバババ

ご存じ(?!)4音セルですね。後ろのやつは4音セルの連結です。
実は裏拍飛び越えるとスウィングしやすいので、おすすめです。

地味に重要ポイントです。
こればっかり使うとリズムが単調になりやすいので注意です。

このようにたしなめられます。
美琴さんに怒られたいからってわざとやるのはなしです。
譜例2:バラババ、バラバラーババ、バダバダの活用例


ベースリズム⑤' (タラリラリ~)

戦メリとかでも見るやつ。

タラリラリ~(ダダダダダ?)

5音セルですね。リズム④と近いんですけど、節目を考えると
自然と区別がついてくるはず。

とはいえ、こちらも単純なセルです。
繰り返して使ったりすると格好いいと思います。

ベースリズム⑥ (バァァァァァ!!)

バァァァァ
バァァァ
(怒モザイクかけても可愛いのバグだな、怒られたらけします。)


譜例3:タラリラリ~とバァァの活用


紹介したリズム型を使ったソロ

勘のよい方は気が付いたと思いますが、
改めてコンファメーションに近い進行でソロをとっていました。
通しの楽譜と音源を以下に貼っておきます。

怪文書つき。

(そのうちピアノで弾きなおします)

まとめ

ということで、今回はメロディやセルを効果的に聞かせるリズム型について紹介しました。ちょっと欲張って6種もだしました。
要点は
・ジャンルにはジャンルのリズム型、ジャズにはジャズのリズム型がある。 
 脳死ならパクるのが楽。
・アドリブならアドリブで使いやすいリズム型がある。
 少しずつ覚えてアドリブらしいリズムで弾ければ、ペンタだけでも
 十分通用するソロがとれる。

です。

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