[disC Guide]お勉強のために聞くジャズトランペット 前半
緒言
あくまで私にとってのジャズは”娯楽”であり、読者諸兄の一部もあてはまるかと思います。つまり、仕事や学校でそこそこしんどいことをしているので、趣味の時間くらいは”上達”とか、”進捗”とか、そういう堅苦しい単語を忘れて過ごしたいなと、思うのは自然なことかと思います。
何より私が一番そう思っています。
一方で趣味を長く続けていると、ちょっと無理しても上達したい!と
心の底から思える時期もあるでしょう。そう思える心を持っているだけで
大変すばらしいことです。
今回は、私の趣味もできるだけで排除して、”大まかにジャズ史を体験し”、ジャズ史の中で”演奏スタイルや楽曲の形式、設計”がどのように変化したかをやんわりと感じてもらうことを目的にしています。
解説も詳しくつけません。ジャンルや時代が違うと言っても、
同じジャズトランペット、明確な違いが見いだせないかもしれません。
逆に、違いがありすぎて混乱するかもしれません。
ただ、ひとまず聞いてみて、思った通りに感じる。脚色とか知識とか抜きに
ちゃんと”聴く”。そうすると思ったより整理されたりするかもしれません。
分量が増えすぎたので前半は①~④までを紹介します
簡単なジャズ史
ジャズの世界もクラシックやロックの世界と同じです。
時代の要請から音楽は商業的、大衆的に流行し、娯楽として浸透します。
そして何年も同じ娯楽だと飽きるので、新しい娯楽が生まれます。
新しい娯楽に求められるのは、新しさ(新次郎構文)。
つまり、今の流行りと違うことをしないといけません。それは
少し新しい要素を取り入れることや、真逆の方面へ挑戦することです。
ということで大まかに以下のようにカウンターが台頭してきています。
ざっくりイメージ程度に。
ニューオリンズ→スウィングジャズ(編成のスリム化)
スウィングジャズ→ビバップジャズ(アドリブの重視、アドリブ言語)
ビバップジャズ→ハードバップ(アドリブ、作編曲の高度化)
ハードバップ→ソウルジャズ(激しさを維持したまま簡易化)
ハードバップ→クールジャズ(高度さを維持したままチル化)
クールジャズ→モードジャズ(機能和声からの解放)
モードジャズ→新伝承派(ビバップ要素と現代要素の複合)
??→エレクトリックジャズ(ロックやファンクの影響取り込み)
エレクトリックジャズ+ハードバップ→フュージョン、スムースジャズ
(生演奏による高度化)
エレクトリックジャズ+ソウル→ヒップホップジャズ(要素複合による高度化)
プレイヤー紹介
①ルイ・アームストロング(1901-1971)
Rouis ArmStrong
活動時期:1920~1960年代
ジャンル:ニューオリンズジャズ(1900~)・スウィングジャズ(1920~)
功績:ジャズ広めたり、アドリブやり始めた
歴史的な背景の分かりやすい曲
Heebie Jeebies
(New Orleans Jazzとswing jazzの中間的なスタイル)
アドリブのうまさが分かる曲
When The Saints Go Marching In
(swingとbebopの中間的なスタイル)
後世で評価が高い曲(アルバム)
Cheek to cheek (comp.:Irving Berlin)
このアルバム、Oscar Peterson(Pf), Ray Brown(Ba), Buddy Rich(Ds)っていう
やばいメンバーが集まってるんでジャズボーカル苦手な人でも結構聞けると思います。
②ディジーガレスピー(1917-1993)
Dizzy Gillespie
活動時期:1940-1990
ジャンル:ビバップ(1940~)・ハードバップ(1950~)
功績:ビバップ作った。アフロキューバンも作った。
スタンダードもいっぱい作った。
歴史的な功績がわかる曲①
Be-Bop
(bebop jazz)
ジャンルの名前関してるだけありますよ。と、言いたいとこですが
この曲名がジャンル名になった説の方が現状濃厚です。
歴史的な功績がわかる曲②
かつ、個人的に超好きな曲
Salt Peanuts(bebop jazz)
歴史的な功績がわかる曲③
A Night in Tunisia (afro-cuban jazz)
やっぱりArt Blakeyが有名なんだけど、初期のテイクだと
Cuban要素どこ??ってくらいAfroなのと、探求の最中な感じが楽しい
聴ける余裕がある人は以下のアルバム通しで聞いていいと思う。
・Groovin' High
・Afro
③ファッツナヴァロ(1923-1950)
Fats Navarro
活動時期:1940-1950
ジャンル:ビバップ(1940~)
功績:ビバップのアドリブを高度化させた
後進に大きな影響を与えた
歴史的な功績がわかる曲①
Nostalgia (bebop jazz)
歴史的な功績がわかる曲②
かつ個人的に好きな曲
Tadd's Delight (bebop jazz(later))
Tadd Dameron(Pf, Composer)がすごいってのもあるけど
テーマ取るのも含めてあまりにうますぎると思う。
④クリフォードブラウン(1930-1956)
Clifford Brown。これは本当に嫌いな人少ないと思う。
あまりに若くに亡くなったのが本当に惜しい。
活動時期:1950~1955
ジャンル:ビバップ(1940~)、ハードバップ(1950~)
功績:ビバップのアドリブを高度化させた
優れたスタンダードを何曲も生み出した
歴史的な功績がわかる曲①
かつ、私がめちゃくちゃ好きな曲
Daahoud (hard bop)
歴史的な功績がわかる曲②
Joy spring (hardbop)
歴史的な功績がわかる曲③
Chrokee (bebop)
前半は以上になります!
ちゃんと記事を追っていこうとすると、相当時間がかかると思います
(1hくらいはかかる)
お時間あるときに確認してみてください!
また、後半では以下のアーティストを取り上げる予定です。
⑤マイルスデイヴィス(1926-1991)
ビバップからの脱離と数多のサブジャンルの構築
(クールジャズ、モードジャズ、エレクトリックジャズ、フュージョン、
ヒップホップジャズ。多いよ、多すぎ。)
⑥リーモーガン(1938-1972)
ハードバップ→ソウルジャズの追求とクロスオーバーの接続
⑦フレディーハバード(1938-2008)
マイルスの遺産を継いで、成長させた巨人
(モードジャズ、エレクトリックジャズ、スムースジャズなど)
⑧ドン智絵里(1936-1995)
フリージャズの萌芽
⑨ウィントンマルサリス(1961-)
存命です。ギリ生き?
新伝承派と呼ばれる、現代のアコースティックジャズ
⑩テレンスブランチャード(1963~)
現代を生きるマルチな実業家。新しいジャズメンの形。
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