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今年の夏

 今年の夏10年ぶりに寝込むことのない夏だった。鬱病になってから、とにかくしんどくて眠ってばかりいることが多くて、夜になって必死にジムに行く感じで暮らしてて、ここに逃げてきて2年目にしてやっとここまで来た。ジムに行けるくらい元気と思われることが多かったけど、メニエル病やら起立性低血圧やらなんやらかんやらで、兎に角自律神経を整えるために有酸素運動を毎日するのを義務付けていた。お風呂は家で入らないと決めて、ジムで入ることにしていた。

 まだ睡眠をコントロールできなくて、メラトニンを飲んだりしているけれどそれでも夜なんとなく眠れるようになって、一日中十何時間も眠り続けるなんていうこともなくなった。なんとなくちゃんと起きて生活できるようになったのは多分今年の春くらいから。

 日本に帰ろうと思って五輪が終わるのを待ってて、そろそろ帰国するかしらとと思ったりするけれど、自分でどこに居たいのかもわからないし、どこに居たいと思う以前に、どこにも居たくないと思うことが多い。

 10年以上も無駄にしてしまって、これからどうしようと思う。

 祖母の介護を押し付けられてあっという間に具合が悪くなって、10年近く経って、祖母がいなくなったのと同時に日本から脱出してここに来たけれど、来たはいいけれどコロナでなんだか誰とも人間関係を作れず、こちらにいる間の具合の悪い間の病院のアクセスの悪さに恐ろしくて帰りたいけど、帰る場所がなくなってしまった。

 祖母の相続で、普通に兄姉私で三等分されると思っていたけれど、そんなことはなくて、兄姉と相続で大変揉めた。特に兄が酷くて、私にはなんの権利もないからと言われて毎日ラインやメールが山ほどきて、絶対譲らないでいたらうつ病が悪化してひどい目にあった。多分日本にいたら、兄が兄の好きなように相続の手続きをするために毎日家に怒鳴り込んできただろうなと思う。最終的に三等分かっちりもらう手続きをしたけれど、お金は振り込まれないし一体どうなってるんだろうと思う。兄や姉は私が母が私を便利に使っていたように、便利に使えないことに怒っていた。

 兄は昔から自分の息子に家事や炊事を仕込んで、母が長期で海外に行くときに私に家の面倒を見るようにしたように、自分も彼の息子に家事炊事をさせて自分も海外旅行に行くと言っていたから、私を便利な道具としてしか見ていないんだろうなといつも思っていたけれど。そんな便利な道具が意思を持って自分の権利を主張してきて生意気だと思っていたんだと思う。

 兎に角10年ほどどこかに行ってしまい、その間は大学院に行っていたときの奨学金と働いていた時のお金と生前贈与で暮らしていたけれど、何だかなと思う。相続で奨学金などを返して終了した感じ。

 すっかり年取って、何もできないままおばさんで残りの人生どうしようかと考え中。仕事を探すのも大変になる年頃で、きっと派遣とかバイトとかで食い繋ぐんだと思うけど、学費にこんなに費やしたのになんの役にも立たなかったなと思う。

 若い子が海外に留学してプログラミングを勉強してキャリアアップしてるみたいな話をしたり、動画の編集技術で食べていけるようになるみたいな話を希望を持って書いているのを見ると、私はそれ全部学校でやったのに何役にも立たなかったなと思う。あーーーーーこれからどうするかしらん。帰国する準備をしなければ。






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