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【シャドバ】DOCヴァンパイア【2pick】

 こんにちは。ウァルトです。

 今期は世界大会予選で2pickがあるため、いつもよりも2pick界隈が注目されている雰囲気がありますね。

 さて、早速ですが、私の今期のリーダー順位はこんな感じです。

 V > R >> Nm > W > D > B > Nc > E

 世間ではR,W,V,Nmの4強とか言われてますが、私は明確にVとRの勝率がNmとWより高いのでこんな順位になりました。Wに至ってはDと入替えを検討するくらい勝率低いです。

 というわけで、私が書けるリーダー別記事はVとRくらいなので、まずはヴァンパイアについての記事です。ロイヤルは割と雰囲気で使っているので記事を書かないかもしれません。


【ピック概観】

 今期のヴァンパイアは、金虹の〈ダークエンペラー〉や〈スカーレットヴァンパイア〉、シルバーの〈まどわしの魔狼〉、ブロンズの〈鉄球のオーガ〉など、追加カードのパワーが非常に高いです。現時点で1位に置いている人が一番多いと思います。

 既存パワーカードである〈イビルウルフ〉〈壊天災・ハレゼナ〉〈霹靂の悪魔〉等の低レアもあり、復讐や狂乱に頼らずとも十分なパワーを出せます。一方で、自傷カードの追加が多いこと、〈スカーレットヴァンパイア〉が新弾ボーナスで取りやすいことで、狂乱も復讐ギミックも現実的に狙えます。基本的にシナジー前提のカードは単体評価が低いですが、「単体でパワーが高いカードが取れていない」ときは「シナジー前提のカードが多い」ときがほとんどであるため、デッキを狂乱や復讐に寄せることで結果的にデッキパワーをある程度担保できます。ただし、その方針の塩梅は難しく、ある程度ピックには慣れが必要です。概ね、初手の金虹掲示で狂乱系のカードが取れたら寄せに行くことを検討する、くらいの認識でいいでしょう。

 シナジーとは別に、ヴァンパイアのピックで大事なポイントとして、ドロー、バーン、回復カードそれぞれの枚数を意識してみましょう。

 基本的にはドローをまずは確保する必要があります。そのうえで、デッキが前寄りならバーンを、後ろ寄りなら回復を厚く取ればいいように思えるのですが、実際はバーンより回復の方が圧倒的に大事です。

 トップで戦う勝負になることもありますが、多くの場合でドローを回しながら戦うことになります。しかしヴァンパイアのドローするカードは〈霹靂の悪魔〉以外テンポを失いやすく、盤面を取られた状態でバーンしきって勝つプランはなかなか通りません(序盤に大きくライフを詰めることができたならバーンだけで勝てますが)。ドローと回復を駆使してカードを揃えながら耐え、相手がリソースを補給しようと一息ついたタイミング等で攻めに転じるといった大局観の方が勝てると思います。

 一般論ですが、バーンはフィニッシュでしか使わないために、デッキ内に沢山入っている必要はありません。沢山入っている必要があるのはドローできないデッキのときです。回復を取らずにドローとバーンを多く取ると、際どいダメージレース戦になりやすく勝率が伸びません。


【ヴァンパイアの強み】

■処理負担の大きいフォロワーの押しつけ

 一番勝ち筋に関わる長所です。〈壊天災・ハレゼナ〉〈イビルウルフ〉〈ダークエンペラー〉は、多くのリーダーで綺麗に処理するのが難しいです。処理されたとしても相手に無理をさせていることが多く、アドバンテージ差を付けて勝利に近づけます。

■回復が多い

 相手のアグロや分割リーサルを回復で耐え、無理攻めを許しません。〈まどわしの魔狼〉〈霹靂の悪魔〉が回復しつつ盤面も取り、ライフが危険域であれば復讐に入るので〈狂爪の悪魔〉〈デコレーションデビル〉〈鮮血の首飾り〉でも回復できます。コントロールバトルに持ち込むことができるので、回復が多いときはドローやコストの重いカードを十分確保し、長期戦を見据えたピックをしましょう。

■盤面を取りながら打点が入る

 該当するカードは少ないですが、テンポプランを取っているときにいつの間にか有利になっている大きな要因です。〈スカーレットヴァンパイア〉〈ダークエンペラー〉〈鉄球のオーガ〉がわかりやすく盤面と顔面に同時に干渉でき、序盤に顔面を詰めていた際に相手に大きな圧をかけることができます。更に、〈終幕の吸血鬼・ユリアス〉に進化を切れれば、盤面を取るだけで1点ずつバーンできます。先の回復が多い点も合わせて、コントロールゲームではいつの間にかライフアドバンデージを稼いでおり、その有利で勝つことが多いです。

■必殺や確定除去が多い

 〈ブラッディピクシー〉進化で相手の盤面形成を牽制したり、〈強欲の悪魔使い〉〈グラトニーデーモン〉〈蹂躙のデーモン〉で相手が中盤に大型を通すプランを阻止でき、7ターン目まで繋いでくれます。7の〈イビルウルフ〉〈まどわしの魔狼〉まで行けば、相手はやりたい動きがなかなかできなくなります。他3つと比べるとダメージレースに関係ないため印象に残りませんが、地味に勝利に貢献しています。


【ヴァンパイアの弱み】

■中盤戦が苦手

 端的に言うと、「進化用フォロワーが少ない」というのが原因です。金虹には結構いるのですが、低レアでは〈ブラッディピクシー〉〈霹靂の悪魔〉くらいです。〈ブラッディピクシー〉は1面しか触れず、〈霹靂の悪魔〉は1ドローしか進化で得していないので、中盤の進化を利用した盤面作りでどうしても遅れを取ります。それでも7ターン目の〈まどわしの魔狼〉まで行けばなんとかなるのですが、ロイヤルやネメシスの先攻相手だと後攻7ターン目を迎える前に負けることも多いです。

■盤面作りが苦手

 〈イビルウルフ〉がいるじゃないか、と思いませんでしたか? 逆です。〈イビルウルフ〉しかいません。一応、狂乱時の〈悪魔の令嬢〉も強いのですが、単体で使いやすい盤面展開が本当にいません。相手が空盤面の時にヴァンパイアがすることは、〈イビルウルフ〉があれば置きますが、なければ大体ドローしています。こちらからの押しつけがあまり得意ではありません。〈壊天災・ハレゼナ〉や〈ダークエンペラー〉の処理負担が大きいために錯覚してしまいますが、盤面作りは全リーダーで最下位を争うほど苦手と思ってください。

■自傷カードがライフアドバンテージを損ねる

 かつては自傷する代わりにコストパフォーマンスに優れたカードを使えたはずですが、今の自傷カードは狂乱に入るためのものであり、単体ではそこまで優秀なカードばかりではありません。そのため、何も考えずに自傷していると、単純に相手のリーサルラインを緩くしているだけになってしまいます。自傷によって狂乱や復讐に入って効果を起動するのは分かりやすく自傷をアドバンテージに変換できます。そうでなくても、復讐をちらつかせて相手の打点効率を下げたり、リーサルラインをちらつかせて相手の攻めを誘ってカウンターしたり、ライフ管理に優れている長所を活かしてうまく欠点を武器にしてあげましょう。


【カード評価】

 カードのTierリストをレアリティごとに載せます。左右差ありですが、同ランク内は本当に微差です。また、シナジー前提カード(特に狂乱)はデッキの形によっては2~3ランクアップすることもあり得ます。

■ブロンズ

カード評価B

 〈イビルウルフ〉はヴァンパイアの苦手な盤面作りを唯一できるカードなので他を圧倒しての1位です。〈狂爪の悪魔〉は復讐前提ではありますが、回復と盤面処理を高効率で行えるので高評価です。〈双頭のスコーピオン〉は今期7のカードとして〈まどわしの魔狼〉〈ダークエンペラー〉が増えたため、回復もドローもできますが大きく評価を落としました。

■シルバー

カード評価S

 Sランクのカードはすべて強すぎます。どれも独自の役割がありますが、〈霹靂の悪魔〉が一番代替しやすいので3位。今期は〈壊天災・ハレゼナ〉に頼らなくともヴァンパイアは戦えると思っているので2位で、ゲーム中1回は使いたい〈まどわしの魔狼〉が1位です。今期のヴァンパイアはコントロールが強いと思っているのもあります。Cランクの〈悪魔の令嬢〉は、狂乱寄せの時には〈まどわしの魔狼〉と〈壊天災・ハレゼナ〉の間まで上昇します。

■ゴールド・レジェンド (左右差あり、「上段」>「下段」)

カード評価GLr

 原則、顔面打点を重視して複数の役割を持てるカードほど高評価です。カード単体の評価のため狂乱関係のカードがCランクに多いですが、デッキが寄っているならAランク上位まで上がります。また、初手の掲示で狂乱シナジーが片側に2枚出た場合、これからデッキを寄せることができるので総合評価はとても高くなります。


【プレイング】

 大まかに、「狂乱プラン」「テンポプラン」「コントロールプラン」に分けて説明します。プレイングの毛色が違う「ユリアスプラン」なるものもあり、特有の注意点も一応ありますが、ほとんど〈終幕の吸血鬼・ユリアス〉に進化を切るだけなので割愛します。

■狂乱プラン

 狂乱に入り、狂乱で強くなる〈悪魔の令嬢〉〈百獣の大悪鬼〉等を投げて勝ちに行くという非常にわかりやすい戦い方です。正直、プレイングというよりピックに依存しています。

 プレイングで意識することとしては、リソースが持つようにプレイすることと、〈悪魔の令嬢〉を狂乱後まで温存することです。

 狂乱に入るために〈鉄球のオーガ〉〈まどわしの魔狼〉をアクセラで切る展開が少なくなく、リソースがカツカツになりやすいです。ドローしつつ狂乱に入ることができるなら、〈血の取引〉〈ダークオーダー〉を2ターン目に撃つテンポロスも許容できます。

 また、カードプール内に狂乱で強くなるカードが実は少ないです。〈悪魔の令嬢〉〈百獣の大悪鬼〉がメインです。低レアの〈鮮血の首飾り〉〈デコレーションデビル〉は起動しても回復するだけですし、金虹の〈ダークエンペラー〉〈夜天の吸血鬼〉〈デモンディーヴァ〉〈ゼノ・ディアボロス〉は無理に狂乱を狙うほど狂乱時にパワーが上がるわけではありません。よって、低レアで出力の高い〈悪魔の令嬢〉は、アクセラで狂乱に入るために使うのではなく、狂乱時までしっかり温存する方が勝てます。温存するために、使いやすい自傷カードをしっかり確保していきましょう。

■テンポプラン

 〈壊天災・ハレゼナ〉〈イビルウルフ〉〈ダークエンペラー〉が盤面に残って勝つプランです。

 〈壊天災・ハレゼナ〉は相手に処理されなければ勝てるポテンシャルがありますが、相手に攻められ過ぎて盤面トレードをさせられてしまうと弱いので、盤面を維持できるように〈銀屋の乱射〉〈霹靂の悪魔〉と合わせたり、〈狂爪の悪魔〉でダメージレースに勝つ等の展開を目指しましょう。ハイリスクですが、〈鉄球のオーガ〉〈まどわしの魔狼〉のアクセラはコストパフォーマンスの高い除去です。

 〈イビルウルフ〉〈ダークエンペラー〉は7ターン目まで耐えないといけませんが、特に6ターン目に〈スカーレットヴァンパイア〉を出せた場合はどちらも非常に置きやすいです。通ったら〈鉄球のオーガ〉等を投げてそのまま勝利、通らなくてもアドは稼げているのでコントロールプランへ移行します。

 「ヴァンパイアの弱み」で述べたとおり、基本的に中盤戦や盤面作りが苦手なので、ロイヤルのようなテンポの取り方を目指しても弱いです。1ターンで強い盤面を一気に作ろうとしても、〈永劫の吸血鬼・アルザード〉〈マリシャスウォール〉〈方舟の魔神〉等が絡む必要があり、再現性も低いです(〈方舟の魔神〉+〈ダークエンペラー〉は狙う価値があります)。

 そのため、テンポプランと言いつつ、強いカードを無理に置いてもテンポを取り返すだけで勝てません。強く置けないなら強く置けるまで耐えるといった、コントロール寄りの動きを意識すると良いです。7ターン目に〈イビルウルフ〉が置けないなら、〈まどわしの魔狼〉で除去・回復をして〈イビルウルフ〉を次に置きやすくする意識が大事です。

■コントロールプラン

 ヴァンパイアはピック時点でドローの価値が高く、回復も多いため、10ターンを超えるゲームが頻発します。元からその勝ち方を狙うことはあまりありませんが、進化ターンまでに強いカードが引けてない場合は意識しましょう。

 プレイングとしては、ライフを明確にリソースとして意識的に管理し、ある程度盤面については手抜きながら自傷カウントやドローを進め、カードのバリューを十全に発揮させて勝ちます。コツとしては、自傷を稼ぐのは序盤に、中盤では復讐に入りつつ回復や除去でつなぎ、終盤に盤面をようやく取るイメージです。〈壊天災・ハレゼナ〉が無いときはヴァンパイアで序中盤に押すのはあまり成功しないので、多くのデッキでこの動きを意識するのが良いです。

 序盤は、〈鮮血の首飾り〉〈血の取引〉で自傷を進めながら手札を回します。ドローの合間に〈自由を駆ける漢・スカル〉をはじめとした渇望ギミックで効率よくカードを使います。〈蝕む殺意〉で自傷しながら盤面を綺麗にするのも有効です。

 中盤は、基本的な理想の動きは〈霹靂の悪魔〉です。ただ、序盤を明確に捨てていた場合、〈霹靂の悪魔〉でも返せず、しかもライフも10前後まで来ていることが多いです。既に復讐に入っていたり、自傷ですぐ復讐に入れるなら復讐ギミックで強く返します。復讐がめちゃくちゃ遠いときは、序盤に自傷やドローをして準備に時間をかけた割にライフが残っていること自体が十分なアドバンテージなので問題ありません。盤面をすべて返す必要はなく、7ターン目の〈まどわしの魔狼〉まで耐えれば十分です。飛び道具で一気に10点以上削れるリーダーは少ないです。

 さて、8ターン目以降は相手のリーサルラインがぐっと上がってしまうので、相手に殴らせて復讐圏内を狙う動きは7ターン目までです。終盤では、今まで稼いだ自傷カウントやドローを活かし、カードを強く使って勝ちに行きます。余裕があればライフを安全圏まで回復しておきましょう。相手がガンガン攻めてきていた場合、〈まどわしの魔狼〉まで耐えれば、手札不足によりヴァンパイアが主導権を握れます。相手も準備万端の場合は、単純にデッキパワーのバトルになります。なお、強いカードを引けなかったり、相手の動きが強すぎる場合、その試合はそもそも勝てないので諦めましょう。

 ここまで述べたような理想的な動きはあまりできないですが、コントロールプランは上記に準ずる展開の再現性がかなり高いです。攻め気味のゲームであっても同じ観点を意識しつつ試合運びしていくべきだと思っています。私がヴァンパイアでドローと回復を重く見ている理由でもあります。

 簡潔にまとめると、ドローしてカードのバリューを高く使う通常のコントロール系の動きに、ヴァンパイア特有のライフをリソースとして管理する動きが加わったものです。

 ちなみに、コントロールプランのために回復を厚めにピックしていると、相手が〈終幕の吸血鬼・ユリアス〉に進化を切った時にLO勝ちできます。


【おわりに】

 ここまでお読みいただきありがとうございました。

 今期は2pickの記事、特にヴァンパイアについての記事が多いので、それに色を添えることができたら幸いです。既にTIPS集を上げていて、細かいテクニックや対面別に意識することは似た内容になるため割愛しました。それでも6000字を超えてしまい、内容もかなり難産でした。最近リーダー別記事を書いていなかったので、思考の言語化がなかなか大変ですね。余力があればロイヤルの記事も書きたいものです。

 それではまた。

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